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高畑勲 宮崎駿 ピート・ドクター 川本喜八郎 小田部羊一 山村浩二
加藤久仁生 庵野秀明 細田守 神山健治 磯光雄 西尾鉄也
ひこねのりお 森田宏幸 伊藤 有壱 和田誠


 エネルギッシュですよね。テンポも何も。動き続けていて止まるときがないですから。アングルの面白さもありますね。スリル満点だし、めちゃくちゃだけど見ててほんとにおもしろい。
 

アニメーション映画監督 高畑勲
『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョとなりの山田くん』


 アニメーターをやるやつは見ておくべき。
 時代のせいでおもしろくないものと、時代を超えておもしろいものがあるはずで、その時代を超えるものをやっぱりフライシャーは持っているんです。
 

アニメーション映画監督 宮崎 駿
『千と千尋の神隠し』『崖の上のポニョ』


 アニメーションを学んでいた学生の時に、この作品に出会えたことは幸運でした。アニメー
ションや背景の質の高さに驚いたのを覚えています。60年以上たった今でも、十分楽しめます。そして、わが友人であるスタジオジブリによって、この作品が公開される事をとても嬉しく思います。
 

アニメーション監督 ピート・ドクター
『モンスターズ・インク』『カールじいさんの空飛ぶ家』


 不易流行アニメーション
 「大都会にくり拡げられるスリルとサスペンス!」「波瀾万丈!」「豪華絢爛のショウ!」「炸裂するアクション!」そして「華やかなロマンス!」映画の予告編で見かけるタイトルだが、そのすべてが周到に用意され、練り上げられたストーリー。虫の世界を借りて当時ディズニーも描かなかった、都市開発の大きな時代の流れ、そしてその根底にある「優しさ」への讃歌・・・。これは古くて新しいアニメーションファン必見の名作。
 

アニメーション作家 川本喜八郎
『冬の日』『死者の書』


 戦後の焼け跡から復興したばかりの町で、それは少年期に出会ったアニメーションのまぶしさと言ったらなかった。それは『白雪姫』を始めとするおとぎの世界が主であったが『バッタ君 町に行く』はまったく趣が違っていることに驚いたものだ。現実の生活を描いた視点が新鮮で、なおかつ面白い。
 眼鏡の場面で声を出して大笑いしたのを覚えている。誇張の遠近の深さが全編にあふれたダイナミックなアニメーションです。
 

アニメーター・作画監督 小田部羊一
『アルプスの少女ハイジ』『パンダコパンダ』


 『バッタ君 町に行く』は、縦の遠近法によって常に視点と世界が変わりうるものである事を描きながら、しかし同時に我々の現代社会を支配する原理からは、誰も逃れることはできないという恐ろしさも感じさせるのだ。
 

アニメーション作家 山村浩二
『頭山』『カフカ 田舎医者』


 はじめて観た時、とても「色気」があるアニメーションだと思った。皆が楽しめる映画なのに、どこか子供が隠れて観たくなるようなところがある。大通りから少し外れたところで夜な夜な繰り広げられているサーカスのような魅惑的な作品。
 

アニメーション作家 加藤久仁生
『つみきのいえ』『或る旅人の日記』


 工事現場のシーンが一番好きです。虫はアニメーション的な大げさな動きで描かれ、人間はロトスコープを使って描かれることで、世界がちゃんと分かれていることがわかる。そしてよりリアルに見えるはずの人間が、なぜか感情を感じられない冷たい存在になっている。この作品は、ロトスコープの持っている方向性をうまく組み込んでいると思います。アニメを作る人はちゃんと見たほうがいい。ただ、これを見てわくわくする人じゃないとアニメーターには向かないんじゃないかな。
 

アニメーション監督 庵野秀明
『ふしぎの海のナディア』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』


 デートのシーンが好きです。優雅に腕を組んで歩く、細い石畳の隙間。移り変わる信号は、恋人たちを彩るナイトクラブの照明へ。二人が歩く水辺に見えたそれは、叢に打ち捨てられた手鏡。人間にとってたわいないものが、虫たちにとって逢瀬のささやかな舞台となるところに、世界の豊かさを感じずにはいられません。
 

アニメーション監督 細田守
『時をかける少女』『サマー・ウォーズ』


 人間の勝手な行動に大迷惑の虫君たちは、安全な生活を取り戻そうと、主人公のバッタ君と共に、必死に策を講じる。でもなぜか、他人(人間)任せ。おまけに仲間同士の足の引き合いも始まって……、

 手描きの動画が醸し出すエネルギーとは裏腹に、今から70年近くも前に作られた作品が、何となく今の我々に似ていて、ニヤリ、とさせられました。
 

アニメーション監督 神山健治
『攻殻機動隊S.A.C.』『東のエデン』


 十数年前、南阿佐ヶ谷の電気屋で500円で投売りされていたβ版ビデオソフトを買って何度も見返した。虫たちの小さな世界。人間の足元で繰り広げられる非日常の日常。これだけでもワクワクするのに、ラストのスペクタクルに息を呑む。巨大なもの、重いもの、メカニックを描かせたら間違いなく当時フライシャーが最高峰だった。ラストのビル建設シーンの迫力は今見返してもただ事ではない。フライシャーの映画はまさにメカニック作画のオーパーツだ。
 

アニメーション脚本・監督 磯光雄
『キル・ビル』(作画)『電脳コイル』


 アニメーターという職業をやっていると、先輩・同輩から、「これだけは観ておけ!」と言われるクラシックが何作もあります。
 初期ディズニー、初期東映動画長編、政岡憲三、etc...etc...。
 フライシャー兄弟の作品も、そのひとつです。
シンプルかつスタイリッシュな描線の選択を、いつもマネしたいと目論んでたりしますが、あの高みにはまだまだ到達出来ません。
 

アニメーター 西尾鉄也
『イノセンス』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』


 「虫が主役のアニメーションか・・・」とあなどってはいけません。虫たちの擬人化は人間を越えていますし、ぬくもりのある群集シーンはCGを越えています。構成が変化に富んでいて、ショッキングな感電ダンスの後にロマンチックなデートシーン。そして迫力あるクライマックス。ハラハラしたり、ホッとしたり、あきれたり、最高にうれしい作品です。
 

アニメーター ひこねのりお
『カールおじさん』『NHKみんなのうた 赤鬼青鬼』


 気さくで器用なディズニーの動きに比べて、フライシャーの動きは重々しく不器用そうで好きです。それが、大スクリーンで見られるなんて!
 

アニメーション監督 森田宏幸
『猫の恩返し』『ぼくらの』


 「虫の視点で人間世界を眺めたら?」そんなアイデアから生まれた物語は僕の『ニャッキ!』も含めて数あれど、この『バッタ君 町に行く』こそ昆虫部門マンガ映画の最高傑作なのだ!!! とろけるようにチャーミングな蜜蜂のハニー、憎めない悪役ハエ&蚊の凸凹コンビ、皮肉屋のカタツムリetc…個性的な虫たちの姿をこれでもか!ってほど動きまくるCARTOONで魅力的に描いている。(『グラスホッパー物語』でノッポさん演じるバッタのおじいさんも若い頃はホピティみたいな能天気でくじけないイイ奴だったに違いない。)
 摩天楼開発ラッシュの波は虫からすれば天変地異スケールの災難だけど、それでもどっこい「生きるためには変わらなきゃ!」と頑張るホピティ達は1941年のマンハッタンから僕らにメッセージを贈ってくれているようだ。
 

アニメーションディレクター 伊藤 有壱
『ニャッキ!』『NHKみんなのうた グラスホッパー物語』


 何度も観たい『バッタ君 町に行く』

 フライシャー兄弟の『ガリヴァー旅行記』を観たのは小学校6年生になりたての頃。戦後の混乱期で日本語字幕が入っていなかった。世界初の長篇アニメであるディズニーの『白雪姫』を観たのが中学2年。フライシャーの『バッタ君 町に行く』は中学3年生。いずれも日本初公開の時だ。ぼくはアニメーション(当時は漫画映画と言っていたが)に熱中した。

 ディズニーは『白雪姫』のあとも次々に長篇を発表したが、フライシャーの長篇はこれ2本のみで、プロダクションを解散した。作品の出来に優劣はつけられない。明暗を分けたのはフライシャーがディズニーほど商売上手ではなかったことだと思う。

 なんとなく地味な扱いを受けていた『バッタ君 町に行く』が再び観られるのはとても嬉しい。人間が土地開発のために小さな虫たちを困らせるのは、これが1941年の作品と思えないほど実に今日的なテーマだし、たくさんの虫たちの細かい動きを見事に表現したアニメーターたちの力量と努力に頭が下がる。CGではできない手作りの素晴らしさだ。

 虫の世界に人情とサスペンスを盛り込んだ上手なシナリオ。音楽の使い方。ギャグ。ヒロイン、ハニーの可愛らしさ。色彩。どこをとっても一級品である。
 

イラストレーター 和田誠
『麻雀放浪記』監督 『殺人』

(順不同・敬称略)