2002年05月


05月01日(水)
「三鷹の森ジブリ美術館のチケットが買いやすくなりました!」と、本日よりホームページや新聞他、各メディアで、美術館の新しいチケット販売方法が告知される。
今までは3ヶ月ごとにチケットが発売されていたのが、6月10日からは1ヶ月ごとにチケットが発売されることになった。


05月02日(木)
塩島さんが髪の毛を生まれて初めてべリーショートに。吾朗さんからは「でんでん太鼓を持たせたら似合いそうだ」と言われ、ジブリの田居さんには「雷の子のようね」と言われ、机さんからは「パンクロッカーっぽい」と言われ、褒められているのかけなされているのか、悩む塩島さんであった。


05月03日(金)
閉館の鐘を三好さんが初めて鳴らすことになった。でもやっぱり心配、と吾朗さんが後ろから見守り、北嶋さん、石光さんと野次馬がどんどん増え、大名行列のような異様な光景となった。鐘のリズムが無茶苦茶だったり、ルートを間違えたり、と館内スタッフの笑いを誘いながら、何とか鳴らし終えた三好さんは、自分のリズム感の無さを呟いていた。


05月04日(土)
GW明けに行うスイングの事務所移転のため、"引越し番長"の佐々木さんは今日も玉川さんと片付け。さすが番長、引越しに伴い変更されるパソコンのネットワークのことや移動した荷物の配置などのあれこれを細かく考え、てきぱきとしていてかっこ良かった。


05月06日(月)
吾朗さんが、スタッフ用貴重品ロッカーのキーホルダー作りをする。木で作ったキーホルダーの片面に1番から順に番号を書いていき、その裏の面に、語呂合わせで絵を書き始めた。例えば24番だったら西方(にしかた)さん、44番だったら宍戸(ししど)さんの似顔絵を描くという具合。居合わせた大口さんは、どれが人気のあるロッカー番号か、後で調べようと思ったそうだ。


05月07日(火)
スイングにいるスタッフ全員と、美術館スタッフの一部が新事務所へと引越しする1日目。スイングビルでは、事前にほとんどの荷物を梱包していたものの、その量が尋常ではないため、運んでも運んでも物が減らない状態が続いた。結局4tトラック延べ5台、2tトラック延べ5台で運んだそうだ。

美術館からは総務スタッフが新事務所に引っ越し、空いた2階事務所の席に地下1階から運営スタッフが移動した。こちらは思っていたよりも早く片付けが終わり、一安心。

一方、大量の荷物が運び込まれた新事務所の2階、展示スタッフのアトリエでは、苦労して考えた部屋のレイアウトを宮崎監督から却下された安西さんが、途方にくれていた。しかし何とか気を取り直し、夜もすっかりふけた頃にようやく机が並んだ。大半の荷物はまだ、段ボールに入ったままなのだが。


05月08日(水)
引越し2日目。早々に通常業務に戻った新事務所一階の上で、ようやく2階展示アトリエの荷解きが始まった。そんなドタバタ状態にとどめを刺すかのように「トトロぴょんぴょん」の人形を展示した巨大ケースや、新しい動画机4台が搬入され、大賑わい。それでも懸命の作業でかなり片付き、夕方にはなんとかみんなが通常業務に戻って落ち着いた感じになった。とはいえ、作業テーブルの上には資料本が山のように積まれたままなのだが。

新事務所に移った田坂さんが、届け物をしに美術館にやって来た時、みんなに「久しぶりだねえ」と言われ、ちょっと淋しい気分。


05月09日(木)
引っ越しの片付けもすっかり終わって…とはいかない人もちらほら。しかも、新事務所では大量の使用済み段ボールと梱包材がゴミの山となっていた。

財団法人の活動報告書をまとめる仕事が遅々として進まない三好さんは、引っ越し作業の合間を縫って進める作戦も失敗したそうで、自らの見通しの甘さを嘆いていた。


05月10日(金)
美術館や新事務所が新しい体制になって最初の開館日となる。

閉館後、美術館にいるスタッフの全体会議が行なわれる。最近の美術館で起こっている出来事に関して活発な意見交換が行なわれ、報告会議とは違った意義のあるミーティングだった。


05月11日(土)
美術館でカブトムシの幼虫を育てている深谷さんは、北嶋さんから腐葉土をもらい、巣作りに精を出している。スタッフの黒木さんが幼虫を「かわいい」と言ってくれて、とても嬉しかったそうだ。


05月13日(月)
ジブリの商品部で空腹に耐えかねて昆虫用のゼリーを食べようとしたこともある石光さん。病み上がりの橋田さんの「いやー、久しぶりに体重計にのったらずいぶん痩せていたよ」との言葉に、「いいなあ、毎日のってもぜんぜん痩せないよ」と心底羨ましそうだった。


05月14日(火)
塩島さんがショップの夏の制服サンプルを持ってくる。服だけじゃ実際の雰囲気がわからない、ということで、その場にいた宍戸さんや机さんをモデルに、ファッションショーさながらに試着が行なわれた。モデルたちはそれぞれの服を楽しんではいたものの、結局選ばれたのは、塩島さんが着た水色のボーダーのシャツだった。


05月15日(水)
本日をもって退社する福井さんの送別会が新事務所で行なわれた。会計など事務的なことを担当していた福井さんの細かい気配りに助けられた人は多く、みんなで感謝しつつ労をねぎらった。最も迷惑をかけたといわれる西方さんが、体調不良で出られなかったのが残念。ところで、いろいろと用意された食べもの中で、一番人気は男鹿和雄さんが差し入れをしてくれた焼き鳥。福井さんは「今度買いに行こう!」と嬉しそうだった。


05月16日(木)
雨が降ったりやんだりが続いていたが、今日は天気が良く、「これはチャンスだ!」と、スタッフはここぞとばかりに雨用マットを干していた。


05月17日(金)
深谷さんと田村さんが、井の頭自然文化園60周年記念イベントの立会いに行く。
雨の中、美術館所有のテントで美術館関係の展示が行なわれた。ところが立ち寄っていくお客さんはテントに大きな興味を示し、「良いテントだね」「やっぱりこういうものを作らないとね」とパネル展示よりも好評だったそうだ。


05月18日(土)
今日は運営スタッフの滝沢さんが、リーダーとしてデビューの日。無事に閉館を迎えることができたが、滝沢さんは前日緊張して眠れなかったそうだ。おつかれさま。


05月20日(月)
原澤さんが、屋上のロボット兵の前で手を合わせている2、3歳くらいの男の子を見かけたので、何を祈っているのかと思って近寄っていくと、「動かないでね…」と呟いていたという。あまりのかわいらしさに心が和んだそうだ。


05月21日(火)
休館日を利用して、運営スタッフと関連業者さんが防災設備の確認を行った。
館内中の防災扉が閉まったり、何種類もの警報がけたたましく鳴り響いたりして、実戦さながらとなった。参加したスタッフも気が引き締まったそうだ。


05月22日(水)
石光さんの机の上に置いてあったおいしそうなポッキーを北嶋さんがつまみ食いしたところ、ポッキーではなく飼犬用のサラダブレッドだったことが発覚。後の祭りの北嶋さんはくやしそうにしながらも、「モチっとした食感で、人間にはわからない味…」などと感想を述べていた。


05月23日(木)
ショップの新スタッフとして入社した星野さんは、採用した小葉松さんも認めていたが、田村さんに背格好や雰囲気がなんとなく似ている。聞くところによると、どうやら同じ新潟出身らしい。「新潟美人」って系統があるんだね、とみんなは妙に納得してしまった。


05月24日(金)
松尾さんがショップ倉庫に新入社員として配属される。しかし、一抹の不安を抱く宍戸さん。大和撫子的な雰囲気を持つ松尾さんのか細い腕で、毎日届くネコバスのテープカッターやマグネットなどの重いダンボールが運べるのか、とのこと。「筋トレのメニューを作ったほうがいいか」と半分本気で呟いていた。


05月26日(日)
店長の堀口さんや松下さんが見守る中、カフェのカウンターが原田さんと鈴木くんに任された。初めてであったにもかかわらず、二人は無事役目を果たした。それを祝うかのようにカフェのデッキから虹が綺麗に見えて、スタッフも一瞬忙しさを忘れて見とれてしまったそうだ。


05月27日(月)
美術館のあちこちに植えられたヒイラギナンテンが青い実をつけている。「これ、ブルーベリーみたいだね」と運営の今泉さんが言うのを、何気に「食べてみれば?」と伊藤さんが応えたら、なんと本当にその実を食べてしまった。「今泉さんはチャレンジャーだ」と伊藤さんはみんなに報告していた。


05月28日(火)
パティオの植物に「たこの木」が加わった。小笠原出身の飯島さんのお兄さんが種から15年かけて大きくした木を、美術館に寄贈してくれたものだ。イガイガした葉っぱが特徴。パティオでさらにたくさんの日を浴びて、大きくなってほしいものです。


05月29日(水)
香港、台湾、韓国のアジア3地域に引き続き、6月1日から北米(アメリカ合衆国、カナダ)、欧州(イギリス、フランス、イタリア)、オーストラリアの各地域でも美術館のチケット(予約制)が販売されることになった。新聞などに記事が載り、美術館にも早速問い合わせの電話が入ってきた。


05月30日(木)
18時40分、深谷さんと橋田さんの会話。
深「吾朗さん、どこにいるか知ってます?」橋「(閉館の)鐘を鳴らしているよ」深「…いや、40分間も鐘は鳴らさないんじゃないですか?」自身満々なんだけど間違ってた橋田さんにクールに突っ込む深谷さん、二人はナイスコンビだ。


05月31日(金)
ショップでお買い物をしたお客様が、聖徳太子の旧壱万円札でお支払い。若いスタッフには始めて手にする人もいたので(旧札の当時は幼くて壱万円札など見たことがないそうだ)、一同騒然とした。しかも新札、ということで大切に保管された。