2003年02月


02月01日(土)
吾朗さんが日中忽然と姿を消した、と思ったら、アトリエにこもって翌日の三鷹市市民駅伝のためにユニフォームをつくっていたらしい。黄色ベースに猪マークをあしらったデザインで、第一走者から第四走者までの区別もある。袖には小さな文字で「名誉のために走れ」とのメッセージ。吾朗さん自らアイロンプリントまでしてくれて、出場者は感激した面持ちだった。


02月02日(日)
第11回三鷹市市民駅伝に美術館チームが出場。大方の予想を覆して見事完走、しかも一般男子の部で80チーム中14位の健闘ぶりだった。1区・永生くん、2区・丸山くん、3区・吉川くん、4区・森田くんのメンバーで13.3kmを走った。それぞれの区間で9人抜きだの10人以上抜きだの快挙が繰り広げられる一方、ゴールで待つ監督の橋田さんはへろへろ状態。というのも、各区間を自転車で回り、無線で逐一報告を行うつもりが、走る選手のほうが自転車より速く、実況中継どころか最終区の森田くんの後ろ姿を見るのがやっとだったらしい。ちなみに、カフェスタッフの2区・丸山くんは、万助橋の50m手前から聞こえる「まるちゃーん、がんばれー!」という堀口店長の叫び声がちょっと恥ずかしかったらしい。


02月03日(月)
ショップで「ネクタイ強化月間」が始まった。塩島店長をはじめとする女性社員3名も、男性陣に混じってネクタイに挑戦。塩島さんは生まれて初めてのネクタイで、心が「ぴっ」としたそうだ。一方、ネクタイを締めている北川さんを見て、橋田さんは「宝塚みたい」と嫌味ともセクハラとも取れる発言をしていた。

今日は節分ということで、トライホークスの陳列台で「鬼」に関する本をまとめて紹介していた。


02月04日(火)
昨日入社したカフェの新人5名が、1日座学の研修を受けたあと、休館日を利用してカフェ内で実務研修を行った。昼食でも、カフェの名物料理カツサンドを自分たちで作って食べるという研修を試みたところ、新人たちの反応は上々で堀口さんはニンマリしていた。


02月05日(水)
アトリエでは「卓球部」ができたらしい。本日参加した部員は、伊藤部長と大楽、机、宍戸、玉川の5名。みんなでいい汗かいたそうだ。現在、とある大会出場を目指してユニフォームを検討中らしいが、肝心の大会参加への応募はまだらしい。机さんいわく「まず形からよ」。

旧正月ということで、台湾、香港からのお客さまが数多く来館される。館内では中国語が飛び交っていて異国のようだった。


02月06日(木)
先日の駅伝大会で、10人抜きをしたエース森田くんが、喫煙所から門までダッシュしている。その陰には、森田くんに「駅伝、速かったそうじゃない。その雄姿を見せてよ」とせがんだ机さんがいたらしい。それを聞いた橋田さんは「さすが裏番」と感心しきりだった。

今年成人式を迎えたばかりの永生くんが、はじめて若いお母さんに「おじさん」と言われてショックを受ける。「誰もが一度は通る道だよ」とおじさんたちになぐさめられていた。


02月07日(金)
3月2日放送予定の「天声慎吾」のロケのため、香取慎吾さんが美術館に来場。
朝早くからのロケにもかかわらず、吾朗さんはじめスタッフへの応対もさわやかで、美術館に慎吾ファンが増大。普段はミーハーと縁遠い存在なはずの滝口さんも、この日ばかりはさわやかな笑顔を向けられ「イエーイ」と喜んでいた。

パティオでは、昨日で薪を割り終わり、今日から切り株に穴を開けて植木鉢を作る作業が始まった。


02月08日(土)
「トトロぴょんぴょん」の前で、4歳ぐらいの女の子と3歳ぐらいの男の子が勢いよくジャンプしている。縄跳びをするメイちゃんにあわせて飛んでいるらしく、それを見たスタッフはほのぼのとした気分になったそうだ。

カフェでは、皿洗い用エプロンがスタッフに大人気。佐々木さんが家のミシンで作ってきたもので、正式なユニフォームではないのだが、「もっとほしい」と熱いリクエストを受けている。


02月09日(日)
インフルエンザの猛威が美術館スタッフにも。総務の小林さんも流行に乗ってしまい、3日間も休むことになったのだが、医者からは「B型だとなかなかワクチン手に入らないよ。A型でよかったね」と妙な慰められ方をされたらしい。


02月10日(月)
アトリエで体脂肪率を計ることが流行っている。なぜか世間並みより低い人が多いようで、伊藤くんなどは一ケタ台だった。それを聞いた石光さんはちょっとショックだったらしく、「私、人前では絶対計らない」とか、20%を超えそうな人の名前をあげて「○○さんが計るなら計ってもいい」などと言い、ライバルになりそうな人をやっきになって探していた。


02月11日(火)
祝日なので、大きな荷物のお預かりでご案内所の対応が大変だ。ボストンバッグやスーツケースなどもあり、狭いバックヤードが荷物でいっぱいになる。

外エリアの吉川くんが出口小屋の中でクラフトの赤いかごを作り終えた。他のスタッフも挑戦したのだが、これがなかなか難しくて完成品はまだ一つだけ。松ぼっくりを入れて小屋の中に飾っていると、小さい子たちから「持たせてー」とせがまれるらしい。


02月12日(水)
曇り時々雪。今年は特に雪が多い気がする。風情があっていいのだが、雪になると清掃スタッフや運営スタッフの仕事量がぐんと増える。一方、なんにもしない橋田さんは「雪が降るとワクワクする」などと能天気なことを言っていた。ちなみに吾朗さんはいつもワクワクしながら先頭に立って雪かきをする。


02月13日(木)
ショップの北川さんが美術館で子ネコを飼っている。といっても、敷地内で見かける「ニャンコ」に昼ごはん時にエサをあげているだけなのだが、この日はニャンコの食欲がなく、とても心配したらしい。後で聞いてみると、カフェの小池さんが密かにエサをあげた後だったらしい。


02月14日(金)
バレンタインデーということで、いつもと違ってカップルがやたらと多く、こどもの姿を見かけない1日だった。スタッフの報告によると館内あちこちのイスが"ラブ・チェアー"と化していたらしい。

深谷さんが女性スタッフからもらったバレンタインデーの贈り物は、甘いものはキライとの事前の告知が行き届いたからか、はたまた普段の行いの賜物か、チョコならぬタラ、イカなどのおつまみやお酒、冷えたビールまであった。これで当分は帰りの横須賀線駅ホームでの出費が浮いたとの噂。


02月15日(土)
トライホークスの菅井さんが折り紙で男雛を制作。桃の節句までには女雛と3人官女と5人囃子を制作するようスタッフ間で静かに意気込んでいるらしい。

運営スタッフの持丸さん最後の出勤日。「1年半近くがあっという間」だったらしい。お疲れさまでした。


02月16日(日)
美術館スタッフの間で自転車購入話が飛び交っている。西方さんが今秋の「ツール・ド・信州」へ向けて、自宅から会社まで20km近くを寒風ものともせず自転車通勤しはじめたのがきっかけだ。また、ジブリが発行している「熱風」今月号の特集が"自転車"で、ダイエットや健康にいい、交通費が節約できるなど、自転車通勤の効用がたくさん語られているのも追い風になっている。今までずっと自転車がほしかった玉川さんも、奥さんから自転車購入の許可が下り、愛車探しに余念がない。


02月17日(月)
最近、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア他世界各国からお客さまが来館し、ますます国際色豊かになってきた。本日は、チリから陽気な家族が来館。フレスコ画を指差し「これはメキシコの感じです」と言いながらケーキハウスの前で踊り出した。さすがラテンの方は違うとスタッフは感心しきり。

「くじらとり」を見たいというお客さまの要望があったが、次回の上映は8月からなので、澤田さんが土星座の前で挿入歌「ぞうとらいおんまる」を歌ってあげると、拍手喝采をあびた。


02月18日(火)
ジブリ試写室で「キリクと魔女」の試写が行われた。約70分があっという間に感じられるほどの面白さ。ところで、試写室があるジブリ第2スタジオの二階では、ジブリのホームページでも話題になった天狗の巨大なお面が部屋を席巻している。
想像以上の大きさに橋田さんや滝口さんがびっくりしていたが、宮崎監督は「最初はびっくりするけど、中のスタッフはもう誰も驚かない」と言い、天狗のいる風景に皆はすっかり慣れたそうだ。


02月19日(水)
昨日ズーラシアに行ってきた橋田さんが、ペンギンを愛する大口さんへの誕生日のプレゼントにと、小さなペンギンのぬいぐるみを買ってきた。橋田さんは以前、ガラパゴスペンギンのことを「おおさまペンギン」と言って大口さんを失望させたため、懺悔の気持ちがあったらしい。大口さんは目を輝かせながら「このペンギンはくちばしが大きくて黄色いのが特徴で…」といろいろ説明してくれたそうだ。


02月20日(木)
カフェでは早くも夏のケーキの打ち合わせが始まっている。ブルーの色が鮮やかで人気のシュワシュワブルースカイゼリーの新バージョンや、新しいケーキなど楽しげなメニューの話で盛り上がる。この中で本当にメニューとしてお目見えするのはどれになるのか?


02月21日(金)
休暇をとって北海道へ行っていた深谷さんが今日から現場復帰する。深谷さん不在の間、留守番を任されていた石井くんの緊張も昨日限りで解け、ほっとした様子。もっぱら「丹頂鶴のメスに会いにいった」とささやかれていた深谷さんは、朝からたくさんの人に「丹頂鶴はどうだった?」と判で押したように聞かれて不機嫌だったらしく、「鹿が多かった」と鶴の話題を避けていた。


02月22日(土)
いつにも増して堀口さんが朝から駄洒落を飛ばしている。前に席にいる小葉松さんは「壊れてる」と呆れ顔。

橋田さんのメガネのピンが外れ、ガラスが落ちてしまう。小さなピンをネジ穴に入れようとするのだが、不器用なためなかなか入らない。そこへ朝から元気な堀口さんが「僕、器用ですから」と、買って出たまではよかったが、橋田さんからメガネとネジを受け取り損ねてネジを床に落としてしまった。その後数人を巻き込んでのネジ探しとなり、「お願いするんじゃなかった」と悔しがる橋田さんであった。

セイキの斉藤さんが展示物のメンテナンスで来館。早く終わったので、美術館の青い上っ張りを着て地下一階展示室に立っていただいた。斎藤さんも携った「フィルムぐるぐる」にお客さまが集ると、嬉しそうに解説をして下さる。そうでない時でも展示物の仕組みをお客さまに教えたくて仕方がない様子で、それを見ていた滝口さんは「スカウトしよう」と真剣な眼差しだった。


02月23日(日)
吾朗さんからの指令で、北嶋さん、大口さん、滝口さんが、ジブリの古城さんの実家で行われた餅つきに参加した。昨年のジブリとの合同忘年会で、美術館スタッフが杵や臼など餅つき道具一式を景品で当てたのをいいことに、「餅つき計画」が進行しているためだ。ちょっと見学のつもりが早朝から夕方近くまで及び、 3人とも餅つきの奥深さと翌日の筋肉痛を思い知らされたらしい。


02月24日(月)
トライホークスのウインドウに紙の雛人形が飾られる。紙とはいえ販売物でも十分に通用するほどの出来栄えで、来年は5段飾りに挑戦してほしい。


02月25日(火)
春も近くなり、花粉症に苦しむスタッフ(ショップのKさん、運営のHさんや K さん他多数)の挨拶は「今日は多いね」だの「もう薬飲んでる」だの「スプレー使わなきゃ」だのになってきている。Hさんなどは、風邪気味で鼻をグスグスさせている人を見かけると「花粉症?」と聞くのが日課で、一人でも多く仲間を増やすのにやっきになっていた。

3月16日の卓球大会に向けて、ジブリ美術館卓球部の練習がいよいよ本格化。参加者は相変わらずマイラケットやユニフォームなど形に力を入れているようだが、今日から練習を週2日に増やして3位入賞を目指すらしい。


02月26日(水)
サンクンテラスの萬年亀甲浴にある水草が太陽の光を浴びている。その様子から学生時代に習った光合成を思い出し、これが生で見る光合成かと感動する伊藤さんであった。

早くも春休みに入ったからか若いお客さまが多く、普段と違った反応がある。
ケーキハウスでフィルム付きっぷを受け取った時も、一喜一憂の度合いが激しいそうだ。


02月27日(木)
ジブリ美術館前の吉祥寺通り沿いに数十本の街路灯が3月2日の点灯式に向けて設置された。三鷹市のマスコット"Poki"と三鷹市ゆかりの作家・三木露風にちなんで"赤とんぼ"、そしてどんぐりをあしらった紋章で飾られ、「ジブリ美術館まであと○○m」との表示も付いている。

こどもが多い時の土星座は、映画に合わせて歌い出したり泣き出したり、はたまたスタッフにキスしたりと様々なハプニングが起こる。こどもに大人気の澤田さんは抱っこをせがまれ、しばらく抱っこしているうちに筋肉痛に。その時は「母の偉大さ」を改めて感じたそうだ。


02月28日(金)
駅伝にはじまり、自転車、卓球と運動モードに突入の美術館スタッフの間で今度は、野球部ならぬ "キャッチボール部"が発足した。元某大学野球部の正キャッチャー肥田木くんが昼食後にいそいそと深谷さんを迎えに来るところからはじまる二人のラブラブキャッチボールは、最近の昼時の名物となっている。

カフェでは佐藤さんに続いて小池さんが親知らずの腫れに苦しんでいる。そんな乙女心が分からない堀口店長は、小池さんに「僕は1本抜くのに2時間も格闘したよ」と微に入り細を穿ち、その格闘話を始める。さらにショップの草野さんが「私も大変だったよ」ととどめを刺した。帰り際の小池さんがうなだれていたのは気のせいだろうか。