2003年07月


07月01日(火)
スタッフ30人がバリアフリーに関する研修を受けに行く。障害を持った方や施設担当の方のお話を聞き、一同バリアフリーへの認識が新たになったそうだ。その後現在の美術館で改善すべき点を話し合い、今後も検討会を開くことを決め、有意義な研修となった。


07月02日(水)
雨天時用ゴアテックス仕様のレインコートが納品された。3年間水をかけ続けても大丈夫な商品とのこと。大喜びの深谷さんは、検品前なのにかたっぱしから袋を開けてレインコートを広げ、横から見ていた高橋さんに「タグ取っちゃうと返品できなくなりますよ」と冷ややかに注意をされていた。


07月03日(木)
トライホークスのウィンドーが七夕風にディスプレイされる。笹の葉を用意して短冊などを飾っていたが、たまたま居合わせたお客さまにも短冊に願いごとを書いてもらった。「クラリネットが上手になりたい」「かけざんがうまくできるようになりたい」など、かわいらしい願いごとが多く、スタッフも小さい頃を思い出して懐かしい気持ちになったそうだ。


07月04日(金)
サンクンテラスの萬年亀甲浴にいたメダカが子どもを産んだ。あまりにもたくさん産まれたため、スタッフに里親を募集することに。「ごあんないじょ」からメダカを見守り、育てつづけた伊藤さんは、15匹も引き取ったそうだ。


07月05日(土)
収蔵庫に大判原画や背景画を収納する特注の箱が導入され、棚からあふれそうになっていた原画がきれいに片付いた。作業に当たった宍戸さんと田坂さんはヘロヘロ。今週頭の現代美術館での作業以来、肉体労働の続いた一週間だったそうだ。


07月07日(月)
「三鷹市阿波踊り」に参加する有志の初練習が行なわれ、雨の中、メンバーは汗びっしょりになって必死に踊ったそうだ。ちなみにこの日、塩島さんと小林さんだけがTシャツと短パンという「やる気」のある服装で参加。にもかかわらず塩島さんは、踊りの先生に「クラブのクセがついてるわね、日本の踊りなのよ」と指導されたそうだ。


07月08日(火)
大楽さんが来月末からお休みに入るため、代わりを務める北村さんが今月初めからアトリエに勤務し、引継ぎ作業を行っている。ちなみに北村さんの初仕事は、ケーキハウスの夏服の試着モデルだったそうだ。


07月09日(水)
トライホークスに新刊として「選ばなかった冒険」「花豆の煮えるまで」の2 冊が入荷。「花豆の煮えるまで」の安房直子さんが好きだというお客さまの声に応えて購入したもの。「最近は新刊を見かけないので、図書館で借りていたんです」という話も聞き、スタッフも待ち望んでいたそうだ。


07月10日(木)
閉館後「お腹もすきましたし、ピザでもとりましょうか」と天内くんが言ったところ、お腹をすかせて作業する石光さんはとても喜んだのだが、「冗談ですよ」と軽く返されてしまった。すると石光さんは「信じられない! そんな冗談を言うなんて最低」と本気で怒り出したので、驚いた天内くんはあわててピザを注文。
「ホントにピザとりましたから」と石光さんをなだめていたそうだ。


07月11日(金)
本日からケーキハウスが夏服になる。今日は天気もよく、衣替えにふさわしい陽気だった。ケーキハウスの照明などを考慮して、北嶋さんを中心に大口さんと滝口さんが試行錯誤しながら決めた水色のストライプのワンピースは、お客様にも好評で、「一緒に写真に入ってほしい」「何かのモデルになっているんですか」等々、嬉しい反応があった。


07月13日(日)
企画展示室の実物大羽ばたき機「アルシオーネ」は、年齢を問わず男性に人気だ。
今日も30代くらいの方から「これは本当に飛ぶの?」と、坂下さんが話しかけられていた。その方は飛行機にとても詳しく「羽をもう少し分割しないと、鳥のように飛べないんだよ」と熱心にいろいろ教えてくださったそうだ。


07月14日(月)
俳優の妻夫木聡さんが、ある雑誌の取材のため美術館に来場。気さくな挨拶の後、展示物に目を輝かせて見入る妻夫木さんの姿に、取材に立ち会って新たにファンになるスタッフもいた。

閉館後、スタッフ研修として、イベント事業室の田中さんによるアニメーション制作に関する講義が映像展示室で行われた。つい最近までジブリ制作だった田中さんの豊富な経験に基づく話を聞いて、スタッフは勉強になったのはもちろん、以前よりジブリ作品が身近に感じられるようになったとのこと。


07月15日(火)
吾朗さんが高圧洗浄器でケーキハウスの外壁を清掃する。その勇ましい姿と、みるみる壁がきれいになる様子に、スタッフから「すご~い」との声が漏れていた。その後吾朗さんがトトロのいる受付に移って作業をしていたところ、展示の打ち合わせのため来館していたロシアのユーリー・ノルシュテイン監督も見物に。
ノルシュテイン監督が作業をうらやましそうに見つめるので、吾朗さんが高圧洗浄器を貸してあげると、実に楽しそうに壁の汚れを落としていた。


07月16日(水)
玉川さん35回目の誕生日。小林さんからカップラーメン、草野さんからバースデー・カードをもらってご満悦の上に、槙原くんから手製のチャーシューまでプレゼントされる。これが一番嬉しかったようで、持って帰って家族で食べたそうだ。


07月17日(木)
左官の横山さんが、先月のホワイエに続いて今月は中央ホールの階段下にある「くぐりくぐり」の小部屋の壁を補修している。小さな女の子の二人組みがじーっと横山さんの作業に見入って「いつできるの?」と聞いていた。今回は補修部分をイスラムのモスク風に作り変え、その上からモザイクを貼っている。これは吾朗さんと横山さんがアイディアを出しあって決めたそうだ。


07月18日(金)
美術館に置く小物を探しに、北嶋さんと安西さんが骨董市に行ってきた。限られた時間の中で歩き回って今回手に入れたものは、8ミリ映写機や地図など。これらは近いうちに美術館のどこかに置かれることになるだろう。


07月19日(土)
ほとんどの学校が今日から夏休みということで、10時の入場の時にはその半数が子どもなのでは、と思えるほどっだったとか。その中で、永生くんが「まさにメイちゃん」な服装の小さな女の子を見つけ、とても印象に残ったそうだ。


07月21日(月)
トライホークスのお話の会に、ショップから北川さんが初参加。中川李枝子さんの「ぐりとぐら」を読み聞かせしようとしたところ、ショップから応援に駆けつけていた宮口さんのあまりの熱視線に驚いて緊張してしまい、何度か間違えてしまった。読み終えた後、北川さんは「緊張したけど、普段は体験しない楽しさを味わって新鮮だった」と言っていた。


07月22日(火)
宮崎館主が美術館に来る。館内を見て回り、左官作業中の横山さんと、現在修理中の内壁のことや最近掃除をしている外壁について談笑。その後、今が盛りと花の咲き誇っているパティオの様子を見て「きれいだね」と笑顔をこぼしていた。


07月23日(水)
朝、北嶋さんが制服に着替えようとしたところ、ロッカーに置いていたベルトが無くなっていた。困った北嶋さんは、共同でロッカーを使用している滝口さんと必死に探したが見つからない。そこで滝口さんが「私は2本持ってますから、これ貸しますよ」と自分の装着していたベルトを北嶋さんに渡したところ、それは北嶋さんのベルトだった。


07月24日(木)
人形作家の若月まり子さんの人形がマンマユートで販売された。「ペンテシレイア」という名の、弓を持った女性の戦士で、美しい上に凛々しさと強さを感じさせるビスク(陶磁器)製人形だ。廊下のショーケースの中に入っていて、その前で足を止めて見とれているお客さまもいた。


07月25日(金)
カフェの興梠くんが、おばさんの家からもらってきたミントの苗を鉢に植える。
鉢を置く場所として館内で日あたりの良い場所をいろいろと探したが、結局カフェデッキのラムネ売り場前に決めたそうだ。夏季メニューのミント水に添える生ミントとして使えるのでは、とカフェのスタッフは密かに期待している。


07月28日(月)
ジブリ広報の鵜飼さんが、トライホークスのお手伝いに。レジ作業が中心だったが、時間の空いているときには8月のディスプレイ用に折り紙でエビを折ったそうだ。この立派なエビは、8月からトライホークスのどこかで見ることができます。

美術館オープン時から働いている杉山さんが、明日から産休に入るということで、閉館後におつかれさま会が開かれる。彼女の人徳のおかげで40人以上のスタッフが集合。宴では、深谷さんが何を思ったのか「僕の心の支えは杉山さんだけでした」と本音を吐露する場面もあって大いに盛り上がる。お開きの際には涙ぐむスタッフも多かった。

吾朗さん、安西さん、滝口さんが米国へと出張。


07月29日(火)
サンフランシスコに出張中の吾朗さんからときどきメールで情報が送られてくる。スタッフは現地の様子をいろいろと想像している。


07月30日(水)
三好さんが、宍戸さんと机さんに11月に開催予定のノルシュテイン展の説明を行う。展示作品や展示場所についてなど、その全貌を初めて知った机さんは、広報に戻ったあと熱心に説明をして「楽しみだ」と言っていた。


07月31日(木)
ロボット兵の近くにいた秋田さんが、初老の男性から「今日は孫のお供で来たんです。ジブリ作品は見たことがないですが、ここは楽しめる場所ですね」と嬉しい言葉をもらった。ちなみにその方の一番のお気に入りは「映画の生まれる場所」だそうだ。