2006年06月


06月01日(木)
アメリカでホットドック店を経営しているという男性と話した小見さん。「美術館はとにかくグレートでどこを見ても面白いものだらけだった。ワンダフル!」「テイクアウトで食べたホットドックもとても美味しくて、うちのホットドックは負けた!」「スタッフの動きが素晴らしかったので、スカウトしたい!」など、とても嬉しい感想を残してくれたそうだ。


06月02日(金)
図書閲覧室「トライホークス」では、ジブリ新作『ゲド戦記』のパネルを中心に店内の配置換えを行った。四半期に一度発行している”季刊トライホークス”コーナーをメインの壁で展開するという以前からの野望を果たし、お客様の反応をうかがう。すると、「あ、これだね、新作映画」「『ゲド戦記』だ!楽しみだね」との声を聞き、今後が楽しみになってきた。


06月03日(土)
ジブリ美術館のキャッチコピーは、「迷子になろうよ、いっしょに。」美術館内には決められた順路はなく、空間を心から楽しみながら「迷子」になって欲しいという願いが込められている。今日、地図を探していた若いカップルに、田代さんが利用のごあんないの地図を見せながら、「迷子になって欲しいのでわかりにくいんです」と説明すると、男性は「あー、いいですね。夢の国やなぁ」と答えてくれた。次に、その地図は宮崎館主が描いたことを伝えると、「それはちゃんと持って帰らんとあかんなぁ」と、説明する度に感激してくれて嬉しかったそうだ。


06月05日(月)
2階ギャラリーの、現在「土星座」で上映中の『星をかった日』の屋台前でのお話し。
男の子: 「この星もらえないのー?」
スタッフ: 「カブと交換だからね」
男の子: 「カブ50個でいい?」
スタッフ: 「大きいやつね!」
男の子: 「大きくないけど、凄く美味しいの!」
どうやら男の子のおじいさんは花壇でカブを作っているらしい。


06月06日(火)
毎週火曜日は美術館の定休日。通常は、屋上の木の剪定作業や外装の窓や扉の清掃などのメンテナンスを行っているのだが、今日は電気設備の点検のため、全館停電だった。


06月07日(水)
宮崎館主のアイディアにより、ジブリの美術スタッフが、美術館の壁画修正と新たな壁画制作の作業に入った。今回修正するのは、パティオ(中庭のこと)にある『魔女の宅急便』に登場するコリコの町をモデルにした壁画と、カフェにある”ニセ窓”。”ニセ窓”とは窓のないところに窓を描く壁画のことで、地階の「土星座」の前に2つ、とカフェ「麦わらぼうし」内の壁に1つ、新しく1ヶ月ほどかけて制作する予定。どんなものになるのかは、実際に見てのお楽しみです。


06月08日(木)
今日も引き続き壁画作業を行っている美術のスタッフ。実は彼らはこの作業用にオレンジ色のチームTシャツを作成した。“THE ART WORKS OF TEAM YOSHIDA 2006” (チーム吉田のアートワーク2006)とプリントされたそのTシャツは、チーフ的存在である吉田さんの横顔をアート風にアレンジしたものが描かれており、佐藤さんのデザイン。高松さん曰く、「吉田さんは嫌がっていたみたいです」とのことだが、吉田さん本人はまんざらでもなさそうだった。


06月09日(金)
「ウォレスとグルミット」のテーマ曲を歌いながら企画展示室に入ってきた男の子。
「ウォレスとグルミット」シリーズが大好きだったらしく、「チーズホリデーだ!、チーズホリデーだ!」と、『チーズ・ホリデー』の人形の入ったアクリルケースを見て大興奮の様子。以前も羊のショーン柄のネクタイを締めていた男性が『アードマン展』がやっているからと来館されるなど、アードマンの人気の高さを改めて認識している。


06月10日(土)
「アードマン展」にあわせた新メニュー、「イギリス生まれのフィッシュサンド」。
ほとんどのテーブルで注文があるほどの大人気。皮付きの鱈を使用しており、厨房では佐藤シェフや川村くんが軍手をはめて冷凍の鱈の皮を剥いでいるという。そのためカフェは毎日海の香りにつつまれるのだそうだ。

また、テーブルにお持ちする際には、「チーズと野菜をイギリスパンに挟んでお召し上がりください」という説明をするそうなのだが、お客様は真剣に説明を聞いて実践してくれるのだとか。小池さんによると、ボリュームたっぷりの料理にも関わらず、老若男女、みなさん大きく口を開き完食されるという。美術館にお越しの際には、是非一度お試しあれ!


06月12日(月)
梅雨明けが間近に迫ってきていることを告げるかのように、屋上にある夾竹桃(きょうちくとう)が大分花をつけてきて、お客様の会話にもしばしば登場するようになってきた。また、木の剪定作業や半年に一度行うウッドチップ(屋上の床を覆っている柔らかい木の皮)の入れ替え作業をちょうど1ヶ月ほど前に行ったこともあり、小ざっぱりした感のあるすがすがしい屋上の自然に感激される方も多いようだ。


06月13日(火)
カフェ内にある”ニセ窓”壁画の修正と新しい壁画制作がスタート。カフェは開館時に作業ができないので、定休日である火曜日ごとに作業を行う予定だ。

火曜日のカフェ内では、どこからともなく奇妙な(?)声が聞こえてくるという・・・。大口さんは言う、「ショーが、ショーが始まるの・・・」。実はその正体はカフェの小池さんがものまねをしている声。美空ひばりさんから野沢雅子さんまで、その芸風は幅広く、ひそかにファンがついているらしい。『千と千尋の神隠し』に登場する青蛙(声:我修院達也さん)のものまねを実際に聞いた安野くんは、あまりのうまさに爆笑していたらしい。


06月14日(水)
ジブリの美術スタッフによるホワイエの壁画作業がいったん終了。あとは、絵の具が剥がれないようにコーティング材を塗る作業が後日行われる予定だ。新たに描かれた壁画は3つ。以前の日誌で、”ニセ窓”を2つ制作と書いたが、安西さんの依頼で実は更にもうひとつの壁画が描かれることに。追加された壁画はとてもかわいらしいもので、家の中という雰囲気が感じられるものになっている。こちらも、実際に見てのお楽しみ。


06月15日(木)
“季刊トライホークス”春号で取り上げている「万葉びとの心と言葉」が好評だ。
土屋さんによると、おすすめの本として掲載している「万葉集の植物」も人気で、ある女性は「この本、すっごくよく分かるわ!」と絶賛していたらしい。

郡司さんが、14:00~16:30まで初めての三鷹駅前図書館へお話の会を聞きに行った。トライホークス以外のお話の会を聞くのは初めてだったので、かなりの収穫があったようだ。


06月16日(金)
常設展示室にある撮影台で、知らない子同士が我先にとハンドルをとりあいケンカになりそうな場面があった。そこにスッとカップルの男性が入り、「お兄ちゃんが見たいから回してくれる?」と話しかけてケンカを止めてくれた。その機転の利かせ方にはスタッフも感動していた。

12時入場で並んでいたご婦人4人組に「中で写真は撮れませんが、外なら撮れます」とご説明すると、「あら、美人は外で撮るものよ」と爆笑していた。それから2 時間後、出口にいた西堀君は、館内から出てきた彼女たちから「美人4人組、お願いします」と写真撮影を頼まれたらしい。


06月17日(土)
地下1階、中央ホールにある屋台にお賽銭を入れる人が目立つ。お金を入れた後、前に回って手を叩いて拝む修学旅行生、おばあちゃんとお孫さん、女性グループなど年齢層もさまざまで、今後どんな噂が立つのだろう・・・・・・。


06月19日(月)
ショップ「マンマユート」では、6月7日からプラズマTVコーナーにて、スタジオジブリ最新作『ゲド戦記』の予告編、挿入歌「テルーの唄」のプロモーション映像を上映中。手嶌葵さんが歌うこの「テルーの唄」は、オリコンでも初登場第5位を記録するなど、好スタートをきったこともあり、TVの前で食い入るように見られるお客様がとても多い。


06月20日(火)
安西さんと星野さんが、絵の具が剥がれないようにするため、ホワイエに新しく描かれた壁画にコーティング材を塗る作業を行った。


06月21日(水)
壁画作業をするためにホワイエに設置していた足場が撤去されてからはじめての営業日。
「とかげがいるよ!」と教えてあげているお母さんや、ニセ輪をそっと握るふりをしているカップルもいて、今後も反応が楽しみだ。


06月22日(木)
ユニフォームデザイン係の生江さんがデザインしたスタッフ用のレインコートが好評だ。カラーを黄色から青に変更し、胸と背中に美術館のエンブレムと山猫の刺繍が入れてある。「軽くなったし蒸れなくてよい」と深谷さんは絶賛するが、厚樹くんは無反応らしい。


06月23日(金)
屋上にある夾竹桃(きょうちくとう)の花が満開に近い状態で咲き乱れ、花のアップを写真に撮っている方を多く見かけるようになった。

開館前に来た女性はとても花木が好きらしく、Qラインやサンクンテラスの植栽の写真を撮り、「自然に見えるように植えているんですか?すごく素敵ですね」と言って下さった。地域住民の方に頼まれて作った、トトロのニセ受付前にある紫草の花壇のことをお話しすると、喜んで見に行き感動していた。


06月24日(土)
海外の男の子がトトロぴょんぴょんを見て興奮し「ママ、見て!」とお母さんを呼んだが、その後ストロボの点滅が消え回転が止まってしまい、「Why…?」としばらく唖然としていた。それを見ていた山本くんは思わず微笑んでしまったそうだ。


06月26日(月)
トライホークスでは「アードマン展」にちなんだポストカードブックを制作中。20 枚綴りになる予定で、7月後半に販売する予定だ。


06月27日(火)
絵コンテ室にある閲覧机とガラスケースを実験的に配置換えしている。閲覧可能な作品は『ハウルの動く城』のみで、机の上に平置きしている。


06月28日(水)
上昇海流を見ていたカップルの女性が「やばい、感動で涙が出そう」と話していた。その後、別の男性3人組からも、「泣きそうっす」と話しているのが聞こえ、上昇海流のすごさを再認識した渡辺さんだった。


06月29日(木)
石光さんによる恒例のダイエット競争が始まった。「悪いけど、今回は勝つよ」と誰も聞いていないのに豪語する石光さん。小葉松さんに「絶対無理」と言われつつもやる気満々の様子だ。本人によると、ダイエットにはいつも成功しているが、リバウンドで体重が戻ってしまうらしい。ちなみに、石光さんのダイエット兄弟と言われている星野さんは、牛乳にオレンジジュースかコーラを混ぜて朝食としているらしい…。


06月30日(金)
トライホークスで菅井さん最後のお話しの会があった。菅井さんが選んだ本は、今まで読んできた中で一番子どもの反応が良かったという『11ぴきのねことあほうどり』。
慣れた語りで子ども達は夢中になって聞き入っていたが、当の菅井さんは「最後の最後でなぜここまで静かなの…」と驚いて、思い通りにはならないお話しの会の難しさに改めて面白さを感じたということだ。