2009年4月


4.1(水)

・毎年5月に入れ替わる美術館の企画展示。次の展示は23日(土)より「崖の上のポニョ」展が開催されることに。見どころは、とにかくたくさんの動画。中には、実際に動画を手にとってパラパラまんがのようにめくって楽しめる展示もある。どうぞお楽しみに!

・40代男性のホラ吹き率が高いジブリ美術館なのだが、エイプリールのこの日に限って、なぜかみんな大人しくしていた。どれだけ笑わせてくれるか期待が高まっていただけに、残念。

・本日より新入社員の研修が始まった。


4.2(木)

・小学生の姉弟が帰る際に「コナン(ワンちゃんの名前らしい)が待ってるから、今日広島に帰っちゃうけど、絶対また来るからね!今日はとーーっても楽しかった!」と元気に話してくれた。その後も見えなくなるまでずっと手を振ってくれていた。ご家族を見送りながらスタッフはとても温かい気持ちになったのだった。

・以前『春の彩りからあげごはん』で日誌に登場した、宮崎県出身の肥田木くんと市来くん。その日誌を読んで、宮崎からお越しの方が「懐かしいと思うので」と、地方新聞などを差し入れてくださった。こちらでは珍しいが、地元には”肥田木”、”市来”という苗字が多いそう。肥田木くん残念ながらお会いできなかったが、市来くんはお客さまとお国言葉で同郷話に花が咲いていた。


4.3(金)

・毎年恒例のお花見弁当を支給され、ウハウハしていた北嶋さん。食べる場所を探して、思いついたのはアトリエの屋根の上。みんなを誘い、快晴の空の下でお弁当を満喫した。

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<桜並木を眺めつつ、>

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<空には飛行機雲、くっきりと。>


4.4(土)

・『トトロぴょんぴょん』を見ていた5歳くらいの女の子に、簡単に展示の仕組みを話した土屋さん。「わかった!」と元気良く答えてくれたので、その後見守っていたところ、隣の子に「どうやって動いているのか教えてあげよっか?」と得意気。だったのだが……「これはね、回り始めると○∑△♥…♦χ●◇なのよ!」と大事な部分の言葉を濁していた。「わかっていなかったのねぇ…」とちょっと残念な土屋さんだった。


4.5(日)

・明日から新学期という学校がほとんどのようだが、子どもたちはまだまだ元気いっぱいに春休みを満喫。対照的に、大人たちはお疲れ気味のようだ。お母さんたちが、館内の回り方をどうするか決めかねていたところ、小学生の女の子がごあんない所で映画の時間やネコバスの場所などを確認。「みんな、映画が始まるまでの間にネコバスに行くよ!」とすばやくスケジュールを決め、先頭に立って歩いていた。

・今朝のSHOP朝礼にて、スタッフの渡辺さんから話があった。「皆さん知ってますか?桜の花は満開にならないと散らないんです」ショップで一番若い彼女は、「私もこれから自分の中の花を咲かせるぞ!」と気合が入っているらしい。一方、何を思ったか、ベテランの木村くんは、ショップの窓から桜を見て「よしっ!」と一言。すでに、五分咲きのその背中からも、まだまだ散れないと言わんばかりの気合を感じたのであった。


4.6(月)

・都内からは少し遅れて井の頭公園の桜もとうとう満開に。デッキから見える桜はもちろんのこと、カフェ店内から見える桜もとてもきれい。桜が見える席で『桜のシフォンケーキ』や『桜みつの紅茶』を楽しんでいる方も多く、隠れた桜の名所となっている。

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4.7(火)

・カフェ脇にある桜が満開を迎えたため、カメラマンさんに撮影してもらった。立会いをしていた深谷さんは、近所のお馴染みさんから「深谷さんも入って撮影してもらいなよ!」と声をかけられていた。


4.8(水)

・朝、イギリスの新聞社の取材が行われた。「楽しんでいるお客さまの生き生きした表情を撮影したい」と屋上でお客さまに近づいたカメラマンだったが、なんと、お客さまからカメラを渡されて、撮影を頼まれてしまった。気軽に応じてくれたカメラマン。プロなので、きっと良い写真になったはず。

・ルーヴル展でも国際交流。日本語の上手なフランス人の男性が、磯部さんにミイラはフランス語で「momie(モミ)」と言うのだと教えてくれた。お返しに日本語では「ミイラ」だとお伝えしたそうだ。


4.9(木)

・入学式を終え、その足で美術館に来てくれた親子。「小学生になったんだね。」と尋ねると「明日からね!」と元気のよい返事が返ってきた。小学生の自覚も明日からのようだ。納得しつつもつい笑ってしまったが、ウン十年前のことを思い返してみるスタッフだった。


・夕方、お客様のピークも去り、落ち着いたネコバスにて。まだ1才にもならない立つのもやっとの赤ちゃんが、ふとした拍子に<はじめのいっぽ>を踏み出した。見ていたお父さんも何が起こったのかびっくり。「今日は何日だ!?よし、今日を記念日にしよう!」と大喜び。そばにいた小野さんも胸をうたれたらしく、その後何日も他のスタッフに熱く感動を語っていた。


4.10(金)

顔をのぞかせる新芽や、咲き乱れる花に春の喜びを感じている。しかしながら喜ぶことばかりではない。そう、たわわに実った(?)敷地内のクヌギやイヌシデの花が、容赦なく美術館に降り注いでくる季節でもある。油断すると床もガラスもまっきいろ。自然の摂理とはいえスタッフはその対処に追われ、清掃三昧の日々を過ごしている。              

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<今年も黄色いアイツがやってきた。>


4.11(土)

・カフェデッキのブルーベリーが次々に花を咲かせている。毎年生る実はたくさんあるはずなのに、いつの間にかなくなっている事が多いが、今年は花がたくさん咲いていて豊作の予感!これでジャムが作れないかと密かに考えている田倉さんなのであった。

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<おいしくなりますように…。>


4.12(日)

イースターということで、休暇をとっていらっしゃる海外の方が目立つ館内。英語にフランス語、様々な国の言葉で賑わっている。そんな中、10年前に三鷹に住んでいたという欧米の男性がいらっしゃった。「三鷹がずいぶん変わった!」と驚きの様子だったが、一番驚いたことは「ジブリ美術館が三鷹にあること」とウインクをしながら、流暢な日本語で話して下さった。


4.13(月)

朝からとても嬉しそうな顔をしているショップの宮本さん。何か良い事でもあったのかと話を聞いてみると、昨年夏に行われた、美術館の子どもの日のイベントに参加した男の子と一年ぶりに再会をしたとの事。男の子と目が合った瞬間、思わずお互い「あっ!」と声を出してしまったらしく、イベントで一緒に遊んだ事や、長縄をした思い出などを話したそうだ。二人とも顔を覚えていた事が本当に嬉しかったらしく男の子は、帰り際に「一年後にまた会おう!」と手を振って帰って行ったそうだ。当時はまだやんちゃ坊主だった彼が、背も伸び少し大人になった姿を見て、何だかとても嬉しくなったそう。来年また成長した彼と再会するのが、今からとても楽しみな宮本さんなのであった。


4.14(火)

・4月1日入社の新入社員たちが、続々と現場にデビューしはじめた。

・休館日の本日、カフェに配属の決まった新スタッフは、食材のことや食事づくりへの想いなど、カフェで働く上で必要不可欠な沢山のことを一生懸命学んでいた。お昼は新スタッフによってカフェにあるものを自由に使っての調理研修が行われ、新入社員の3人は事前に連絡を取り合い、緊張の中今日に挑んだとの事。3人が協力しあって作った16人前のパスタは、みんなでおいしく頂いたのであった。

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<一生懸命さが伝わる味、だったらしい。>


4.15(水)

・ショップの窓から見えていた桜の風景は、新緑の葉一枚一枚が朝日を浴びキラキラと輝く季節へと移り変わった。気持ちの良い今日。ショップでも新入社員の佐藤さん、関根くんが現場デビューを果たす。最初こそ緊張の面持ちで店頭に立つ二人であったが、時間が経つにつれ自然な笑顔でお客様と接する姿を見て、研修を担当した森田くん、須田さんの両先輩社員も、清々しいフレッシュな気持ちになったようだ。

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<深呼吸したくなりませんか。>

・運営の新入社員の高野君と松島さんも、各エリアの座学の後、制服に着替えて館内へ。やっぱり最初は緊張気味のようだったが、とてもいきいきとした表情に、こちらも先輩スタッフが大いに刺激を受けている。「初心忘れるべからず」、と、スタッフは気を引き締めてます。


4.16(木)

・現在、ジブリ美術館ライブラリーチームは、この夏の『ウォレスとグルミットシリーズ』の最新作『ベーカリー街の悪夢』公開にむけて動き出している。公開劇場も段々と決まり始め、劇場担当の松田さんは忙しいながらも嬉しそう。そんな松田さんのデスクには……。

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<”ライブラリー”街の悪夢…!?>

同じくライブラリーチームの内藤さんが作ったというタイトルが貼られていた。大忙しの中でも遊び心を忘れない、愉快なライブラリーチームであった。


4.17(金)

・アトリエには時々カラスがやってくる。なぜか宍戸さんはカラスに”まさあき”と名付けているようだが、メダカの鉢の近くにカエルの干物が置いてあったり、アトリエの面々は”まさあき”氏から宍戸さんへの愛の贈り物に時々閉口しているようだ。


4.18(土)

・新緑が眩しい季節。美術館周りも沢山の緑の息吹を感じる。緑の中に映えるのが、この季節に咲く白い花たち。コデマリにツツジにタイツリソウ。その他にもまだまだたくさんの草花が咲いている。

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<美術館の草花にも目を向けてみてください。>


4.19(日)

・ひょんなことから「江戸ゴマ」を入手した机さん。紐・木の部品・独楽の3点セットだったが、どうやって紐を巻いていいのか、いまいち遊び方がわからない。あーでもないこーでもないと数人で悩んでいたところに、ジブリからきた岩崎さんが遊び方を教えてくれた。さすが年の功、見事に回るコマに中島館長も一緒に歓声をあげていた。

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<空中のコマを手にのせたい!>


4.20(月)

・春休みやゴールデンウィークで賑わう4月5月だが、平日は落ち着いている日も多い美術館。ネコバスも土日よりは順番待ちの列ができにくく、子どもたちがのびのび遊び続ける場所となる。親御さんはそんな姿をそばで気長に見守ってくれているのだが、子どもたちの<遊び>はそう簡単には終わりそうもない。「おやつ食べにいこうか。」「ジュース飲みにいこうか。」と手を変え品を変え誘い文句を投げかける親御さんと、「まだまだ!」「ずっとここにいる!」といって遊び続ける子どもたちとの間で、今日も激しい攻防戦が繰り広げられている。


4.21(火)

・先週もお伝えした、ウォレスとグルミットシリーズ』最新作『ベーカリー街の悪夢』におわれているライブラリチーム。ポスター、試写、劇場などなど、7月にむけてやることは盛りだくさん!しかし今週もやっぱり仕事以外の心の余裕も失わない面々。弱ってしまった「がじゅまるの木」に、たまごのカラや肥料をせっせとあげて、見事回復させたそうだ。

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<がじゅまるの下にも何かいる…>


4.22(水)

・この時期、修学旅行のシーズンとあってジブリ美術館も制服を着た中高生達で賑わっている。学ランにセーラー服にブレザーと多種多様な制服。そんな中、やまぶき色のきれいなリボンのセーラー服を着た中学生がいたので、どこから来たか声を掛けてみた伊神さん。すると「アメリカ~!」との返答。海外から修学旅行?と、話していたが、どうも会話がかみあわない。よくよく聞くと「あめりか」ではなく「青森から」と言っていたことが判明。その場は暫く笑いにつつまれていた。

・もうすぐはじまる「崖の上のポニョ」展の開催に向けて、様々な準備がすすんでいる。この日は広報部の机さんと小林さんが、沼津の印刷工場に、招待状の色校正をしに出張。朝から”さくらえび!”と騒いでいたが、ちゃんと仕事も果たしたという記録写真をおさめてきた2人だった。

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<味わい深いあの絵が生かされてます>


4.23(木)

・SHOPで販売しているトトロと魔女の宅急便のプランター。このプランターで観葉植物を育てている、通称「植担」のスタッフ菅野さん。愛情たっぷりに毎日育てられて、日々驚くほど伸びていく。どこまで成長するのか、ショップスタッフの関心のまとになっているが、菅野さん曰く、「水をあげながら話しかけてあげる事」が元気に成長させる秘訣だとか。それを聞いた他のスタッフも、何かにとりつかれたかの様に植物に向かってブツブツと話しかけるのであった。

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<きっといろんなうわさを知ってるショップの植物>


4.24(金)

・春のある日、屋上へのらせん階段の途中で中村さんがステキな発見をした。今まさに羽化した蝶と、そのサナギの抜け殻。羽根が乾くまで待っていたのか、微動だにせずじっと佇んでいた。気がつかれたお客様も、「あらぁ!」「すごい!」と声を上げ、写真を撮ったり、まじまじと見つめたりと喜んでくれていた。

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<もうすぐ翼がひらくのか?>


4.25(土)

・カウンターにて仕込み中にお客様から「これは何を作ってるんですか?」とよく質問されるこちら。

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カフェでつめたい飲み物と一緒に出されるガムシロップだ。大きなお鍋で作られるこのガムシロップは粗製糖という無漂白のお砂糖で作られるため、茶色い色と独特の香りがついているのが特徴。この茶色い色から、ガムシロップとは思われないお客様も多い。ガムシロップを入れることで、「一味違った味を味わってもらえたら」と話していた。

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<アイスミルクティーとの相性が抜群!>


4.26(日)

・運営スタッフにより、ある企画の委員会が閉館後の休憩室にて行われていた。内容の全貌はまだ明らかになっていないが、集まった実行委員たちからアイデア溢れる意見が飛び交っていた。そんな中、「メンバー用Tシャツは作らなくていいのか」と真剣な声が聞こえている。形から入るのも、仕事の楽しみ方のひとつでしょうか?企画の実現に向けて、今後も更にナゾの打ち合わせは続いていくようだ。

4.27(月)

・パティオの山小屋の出窓にあった植栽を持ち上げると、鉢の下にびっしりとアリとアリの卵が。びっくりしたアリ達は急いで逃げだしたのだが、1匹が必ず1つずつ卵を持っていた。卵を守ろうとする姿に感動する根本さんだったが、その後ごはん粒のようなアリの卵を思い出し、お昼のおにぎりをなかなか食べることが出来なかったそうだ。


4.28(火)

・とある撮影のために、深谷さんと机さんがカメラマンのチームと一緒に美術館中をあちこち回っている。快晴の屋外は気持ちよく、仕事にも精が出るようで、2人にカメラを向けるとすぐさまポーズを決めていた。

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<決めてる人が二名見えますね>


4.29(水)

・ショップの朝礼にて、スタッフのIさんからオリジナルとんぼ玉についての説明があった。実はこのとんぼ玉は、季節の移り変わりに合わせて中に描かれている草花の模様の種類を変えている。春は、桜が描かれていたのだが、5月の新作は「藤」。しかしIさんは何を思ったか、「ふじ」と「ツツジ」を勘違いし、さらに「ツツジ」と「チヂミ」と言い間違え、”チヂミのとんぼ玉”、と発言。朝からスタッフ全員を爆笑の渦に巻き込んだのであった。

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<これは”藤”柄のとんぼ玉です。Iさん食べないでね>


4.30(木)

・展示休館明けからはじまる新メニュー開発がいよいよ大詰め。キッチンのスタッフは毎日のように試作に励んでいる。料理が完成したら次はメニューの名前を考えるのだが、しっくりくる名前がなかなか浮かばないようだ。ここ最近のキッチンからは、「…パン…たまご…スープ……」などとメニュー名を考えるスタッフのつぶやきが聞こえてくる。