2010年2月


2.1(月)

・久々の雪があっという間に降り積もり、一面銀世界に。運よく明日は休館日なので、お客様への影響は軽減されホッと一安心。しかし閉館後もそわそわ気が気でない。が、明日は社員健康診断日なので、たとえ積雪で美術館がうもれていたとしても、全員出社しているので”何とかなる”を合言葉に、早めに帰宅をするスタッフだった。

・そんな雪の中、滝口さんと石光さんは夜遅くに美術館を後にし、タクシーで吉祥寺駅まででようとしていた。途中小林さんをひろい¥710を3人で割ろうとしていたのだが、疲労と寒さのためか、3人とも計算ができなくなっており、「えーと、とりあえず私が払う」「いや、お札しかないから私が払っていい?」「あ、500円玉があった。…意味ないか。」「この10円なんだっけ?」と、とんちんかんなやりとりを繰り広げ、最終的には滝口さんが「…なんかアタマいたい。」と言い出し、気をつけて帰ろう、と、互いの安全を確認しあっていた。


2.2(火)

・雪の後の快晴!健康診断のため昨日は夜21時以降飲食厳禁だった体に、トドメを打つ採血を終え、フラフラになりながらも男性スタッフがさっそく雪かきを行った。美術館の裏にある河津桜にはつぼみが咲き、寒さの中にも春の訪れを感じ嬉しくなるのだった。


2.3(水)

・今日は節分。山崎さん他皆様の「恵方巻」の差し入れで溢れかえるバックヤードでは、恵方の方角へ向かってもくもくと口を動かすスタッフが。と、突然「ふう~んん」という大きな鼻息のようなため息のような、満ち足りた吐息が。正体は石光さん。無事に健康診断を終え、20㎝近くもの恵方巻を食べ終わり、「おなかいっぱい。大変だった。」といつものコメントを口にしていたが、その前にはメンチカツ、その直後にたい焼きを平らげていたその姿を私たちは忘れない…。


2.4(木)

・2/1から3人の新入社員が入社。今回は3人とも男性。そして今回共通項は、なぜか皆な<おっさんぽい>ということ。特にS君は3ヶ月前の面接時から何と15kg(!)も太ったとのことで、そんなS君には、筋肉増強には並々ならぬ思い入れのある我らが事務局長:プロテイン山崎さんから、「2ヶ月で体重を元に戻せ!」という初仕事が言い渡されていた。


2.5(金)

・先日終了した「秋田、遊びの風景」展は、原画の一部が18日から紀伊国屋画廊で展示されることとになりました。残されていたどじょうも、いよいよ去る日が。約4ヶ月お世話をしていた2階のスタッフは、引き続き美術館でなんとか飼うことができないか、と議論を重ねたが、井の頭自然文化園に帰ることになりました。美術館での借りぐらしを終えたどじょうを、スタッフはずっと見送っていた。
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2.6(土)

・東京でも雪が降るほど寒い日が続いているが、寒い日にますますお客様に好評なのが、「とろっとあたたかいりんごのスパイシーレモネード」だ。3種類のスパイスとしょうがの入ったレモネードは、吉野葛でちょっぴりとろみが付けられていて、飲むと体だけでなく心も温まると人気の一品。特にこのレモネードの大ファンの田倉さんは、「一人でも多くのお客様に麦わらぼうしのレモネードを飲んでほしい!私も毎日飲みたいくらいです!」とレモネード宣伝部長をかって出たそうだ。


2.7(日)

・神戸の兵庫県立美術館にて開催されていた「男鹿和雄展」と「3びきのくま展」は本日最終日。ショップからは松尾さん、森田くん、菅野さんが撤収作業のため神戸入り。森田くんと菅野さんは、最後の一日、兵庫県立美術館のショップでの販売をお手伝いしたそうだ。ガラスケースの中の商品を覗き込んでいる子ども達はその場から動けなくなり、親御さん達は連れ出すのに必死な様子。神戸と三鷹、と、場所は違えど商品に目を輝かせてる様子に、二人とも込み上げるものがあったようで、「東京に来る事があれば、その時にまた会おうね。」と、再会を約束していた。福井県出身の森田くんは、お客様と方言で話し、「より一層自然な会話ができた!」と顔をほころばせていた。翌日何もなくなった空間をあとに、設営から参加していた菅野さんも感慨深そうにしていた。神戸を後にした3びきのくまの家族たちも、お疲れさまでした。


2.8(月)

・アジア圏の旧正月の休暇で、台湾、香港、韓国からのお客様が多い今日このごろ。台湾からのお客様からの質問で、「映像展示室内でポップコーンを食べたい」とスタッフが声を掛けられた。館内では飲食が出来ず、もちろんポップコーンの販売もないのだが、”映画館といえばポップコーン”は万国共通なのだろうか…?、と思いつつ、スタッフは「食べ終わらないほど、短い映画ですよ」とお答したそうだ。皆大笑いしてくれたとのこと。


2.9(火)

・兵庫県立美術館での「3びきのくま展」の撤収作業は、先日お伝えしたショップスタッフ以外にも、大勢のスタッフが神戸まで手伝いに参加していた。中でも特筆すべきなのは、大口さん北嶋さんの一行で、展示物の搬出作業がいかに力仕事であるとはいえ、一日8食も食べてきたとのうわさが。真偽のほどを北嶋さんに尋ねると、「違うよ~!デザートも入れてだよ!大げさだなあ。」と、話していたが、よくよく聞くと明石焼きやおろしそばのことを”デザート”と称していることが判明した。


2.10(水)

・カフェのフラワーの窓から中を覗いている小さな女の子。ケーキを作る様子を興味深そうに見学していた。しばらくすると女の子が口をパクパクさせて何か言っている子。よく見てみると「お仕事がんばってーー!」とエールを送ってくれていた。その言葉に元気をもらった深沢さん。「窓を覗いてくれるお客様とのコミュニケーションはとても楽しいです。いつも元気をもらってます!」と嬉しそうに話していた。
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<あの窓の奥から元気をもらってます!>


2.11(木)

・落ち葉の季節は終わったはずなのに、なぜか空から1枚づつ枯葉が落ちてくる。不思議に思い見上げると、なんとカラスが屋根に乗った落ち葉を器用に落としている。最初はヒラヒラとキレイだったものの、こちらが気づいたのを見て、カラスの落ち葉落としはエスカレート!カフェデッキで並ばれているお客様にかからないように、慌てて日よけを出していると、あっという間に飛び立ってしまった。子どもたちは落ち葉をキャッチして遊んでいたり、「演出ですか?」と喜んで下さっている方もいたのだが、舌を出して飛んでいった(ように見えた)カラスとの勝負に負け、なにか悔しい赤澤さんと伊神さんだった。


2.12(金)

・2階ギャラリーで行われていた男鹿和雄「秋田、遊びの風景」展が、18日から新宿の紀伊國屋画廊にて、男鹿和雄原画展ー「秋田、遊びの風景」ーとして開催されることになりました。

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<美術館のギャラリーで展示していた秋田からの展示物も飾られています>

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<箱メガネをのぞいてみると…>

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<実は男鹿さんが描いたヤマメです>

設営には男鹿さんも駆けつけ、展示に彩を添えてくれました。とてもかわいらしい春夏秋冬のキャプション看板も男鹿さん自身が描いてくれています。どのように飾られているかは是非ご自分の目で確かめてください。会期は2月18日(木)~3月2日(火)まで、とちょっと短めなのでご注意を。入場は無料です。


2.13(土)

・明日の三鷹市民駅伝に向け、今年も吾朗さんデザインのTシャツを作成する事に。市来さんの指導のもと、福島さんがプリントを担当する事になっていたが、一年ぶりに引っ張り出した機械はなかなか言う事を聞いてくれない。結局一日中作業部屋に軟禁されてしまった福島さん。時折悲痛なヘルプ無線が飛び、それを聞いているスタッフはハラハラした一日を過ごしたのだった。
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そんな困難を乗り越え、文句のない出来のTシャツが完成!
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福島さん含むショップの4人のランナー達はこれを身につけ、活躍してくれる事でしょう!


2.14(日)

・本日は第18回三鷹市民駅伝大会本番!第16回は雪のため中止、第17回はくじにハズれ抽選もれと、連続で出場を果たせなかった美術館チーム。監督の森田くんと応援団長の西川くんは、久々の参加に皆に忘れられているのではないかと、あちこち応援を募っていた。すると朝7時半集合にもかかわらず、美術館を卒業していった鈴木くん宮田くん今泉さん、バレンタインチョコや飲み物も持ってきてくれた寒河江さん、もうすぐ産休に入ってしまう大きなお腹の伊藤さん、毎年アヤしいドリンクを差し入れる橋田さんやイチゴばっかり差し入れる小林さん、と、大勢がいろんなものを手に手に、早朝から美術館に駆けつけてくれた。それぞれの激励を受け、気合を入れる選手たち。
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男子チームは関根くん、梨木くん、森田くん、高田くん、女子チームは豊村さん、廣廉さん、遠藤さん、福島さんと合計8人の選手があのTシャツに身を包み、三鷹市内を走り抜けました。
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結果は、一般男子の部48位(総合81位)/一般女子の部20位(総合172位)と、女子がなかなかの検討をみせ、男子チームは少しくやしそう。何はともあれケガもなく無事に終了しほっとしたのだが、「来年は監督を辞任し1選手として記録を狙っていきたい」と、静かに闘志を燃やす森田監督だった。


2.15(月)

・小学校4年生の女の子と、好きな男の子の話になった高田くん。「どういう男の子が好きなの?」と尋ねると、これぞ常識と言わんばかりに「給食を食べるのが早い人!!」という返事が返ってきた。スポーツや勉強ではなく、食べる速さがモテる男の条件とは…。これから春を迎えて、沢山の子どもたちの面白発言を聞くことができる毎日が楽しみです。


2.16(火)

・「お金の使い方」を話題にしていた広報部。Tさんは月々○円もマッサージに使う、だの、Kさんは観劇に年間○○円、と”ちょっと人には言えない程お金をかけていること”について告白しあっていたのだが、Iさんが10万円近いスカーフを買ったらしい、という話題に。しかしIさんは「欲しい」と言っただけで未購入。が、そんな経済観念のゆるさを見かねた天内さんは、「今後は裁判員制度を導入します。浪費癖のある被告は前へ!」と、高額の消費については協議にかけるとおどかされていた。やり玉にあがったIさんは「濡れ衣なのに!」と訴えっていたが清貧を余儀なくさせられていた。


2.17(水)

・1/23に発売になった新しい美術館のパンフレット。特典でつく宮崎館主の描いた水彩画のポスター絵も並び、ショップ店頭はにぎやかな雰囲気。暖かくなり春風がふく頃には水彩画セットを持って、「自分も何か描いてみたいなあ」と思ってくれたらいいな、と淡い期待をふくらますスタッフでした。
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2.18(木)

・雪の日が例年にも増して多い今年。雪に備えるジブリ美術館の三種の神器(?)は、1:天気予報(3つのサイトを見比べる)、2:ブルーシート(滑りやすいところに敷いて雪を撤去しやすいようにする)、そして最終的に、3.目視!(空と空気を自分の目で感じる)。昨夜夜半から降り始めた雪も、以上の3つがフル活動。午後には雪空が嘘だったように快晴に!雪の季節が終わると強風や黄砂。自然との闘いは、この先もまだまだ続くことでしょう。
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<銀世界の美術館>


2.19(金)

・徳島県の近代美術館で開催される「スタジオジブリ・レイアウト展」に、美術館オリジナルグッズコーナーを設営に行ったショップ店長の郎さん。急遽四国放送の夕方の番組に生出演する事になり、朝からずっとそわそわしていた。リハーサルを迎え緊張がピークに達し、可愛らしいアナウンサーの姿も全く目に入らない様子。しかしいざ本番になったとたん、インタビューにすらすらと愛想よく答えはじめ、周りから称賛を浴びていた。
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2.20(土)

・「ちゅうずもう」のジイとバアの住む急斜面にある山の家。長野県にある下栗という場所が参考に背景が描かれていますが、偶然にもその近くご出身という方がいらっしゃった。「あの場所は映画に出てくるように、本当にすごいところです…」という一言から、あの映画を、よりリアルに感じるスタッフだった。


2.21(日)

・新しくカフェのホールに配属された木村さん。今日はキッチンの仕事。カツサンドのカツを揚げたり、仕込みの野菜切りをしたりとその顔は真剣そのもの。そんな中、たくさんのしめじを切っている最中にぽつりと一言。「夢にしめじが出てきそう…」。それを聞いた周りのスタッフは思わず笑ってしまったそう。その後も黙々と仕込みをこなしていた木村さん。はたしてその日はどんな夢だったんでしょうか。


2.22(月)

・「四小産の銀杏はいりませんか~。」「美味しいですよ~。」美術館前の通りから子どもたちの元気な声が…。声の正体は、授業の一環で銀杏の屋台を出していた三鷹四小の子どもたち。美術館にいらした海外からのお客さまも買ってくれていて、子どもたちと小さな国際交流もうまれていた様子。面白いのは年々進化する販売方法で、今年は<試食>と<おたま一杯取り放題で○○円>という大人顔負けの工夫がなされていました。来年はどんな方法が導入されるのか、ちょっと楽しみです。


2.23(火)

・ある事情で石光さんの家でネコの借りぐらしが決まった。そこでネコの名前を大募集したところ、たくさんの候補が。見つかった場所にヒントをえた「ひじき」「きゅう」、渋い声で鳴くということで「松」「竹」、耳が大きいから「ミミ」などなど。時事ネタで浅田真央選手とキム・ヨナ選手の「金メダルを取った方の名前!」などと、たくさんの案があったものの、結局決まった名前は石光さんの案「名無しのゴンベイ」から「なな」。「募集の意味はあったのか!」と納得のいかない者達は引き続き名前を考え続けるのだった。


2.24(水)

・春が近づき、店内の窓辺に新しい植物が仲間入り。ピンク色の可愛い花が咲く「アルメリア」というお花。女性スタッフが前を通るたびにホッと和んでいる中、農業高校卒の坊主頭の白木くんは、「株分けして育てたい!」と、目をキラキラさせていた。
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2.25(木)

・2、3歳くらいの女の子がカフェの暖炉の前で「これなぁに?」とお母さんに質問していた。お母さんが「暖炉よ。」と答えると女の子は「あぁ!ディスニーだんろね。」と絶妙なおとぼけっぷりを発揮。お母さんから「そっちはランド!こっちは暖炉!」とツッコミが入り聞いていたスタッフはつい微笑んでしまったとのこと。


2.26(金)

・本日のバンクーバー五輪・女子フィギュアスケートはお客さまも結果が気になるらしく、美術館前のバス停では携帯や新聞でニュースを見る人がちらほら。韓国から来たというご家族が、キム・ヨナ選手の結果を隣のアジア系の方に尋ねたところ、「キム・ヨナ、ゴールドメダル!コングラッチュレーション!」と伝えてくれた。ご家族は大喜び。興奮したお父さんはそこら中手当たり次第の人と熱い握手を交わし、三鷹の片すみでも平和の祭典による国際親善の輪ができていた。


2.27(土)

・展示の藤原さんがあちこちに電話をかけ次回企画に向けて絵を借りる相談をしている。どうも交渉は難航しているらしく、電話をきったあと「ふう」とためいき。近くで様子を見ていた経理の厚樹さんに、「藤原さんが困ってるみたいだよ、何とかしてよ~」と言ってみたところ、「僕の絵でよければ貸しましょう。」とのたまい、ますます藤原さんを疲れさせていた。


2.28(日)

・迷子のアジア人の男の子と、お母さんを捜索した宮本さん。まったく言葉が通じず、捜すのも一騒動。ショップにて感動の再会を果たした時に、店内ではサウンドトラック『となりのトトロ』の名曲「迷子」がちょうど流れており、映画のワンシーンのようだった。