2011年1月


1.3(月)

・新年を迎え、お正月ならではの清新な空気の中、受付の扉を開けるジブリ美術館。今日からまた気持ちも新たに開館しました。どうぞよろしくお願い致します。
さて、この時期の美術館では、3世代で来館されるお客様も多く、いつもと少し違った光景もみかけます。ショップでは、おばあちゃんに「お年玉で買ってあげるよ。」と言われている子を目にしたり、少し大きな子がごそごそとお年玉袋からお金を出して自分でお会計していたり。レジの中は、4つ折りになった千円札でいっぱいになり、「大事なお年玉で買ってくれたんだなあ。」とスタッフはしみじみ実感しているそうです。


1.4(火)

・お正月休みの元気な子ども達の人垣で、企画展示室の石臼コーナーは大人気。海外のお客様にも人気は高く、興味津々の様子で石臼を挽く方も。「パキスタンやインドの臼とまるで同じ形!」と大興奮のオーストラリアからいらした女性は、その周りにいた海外の子ども達に使い方を伝授してくれていた。


1.5(水)

・カフェではあちこちで春に向けての新しいメニューの試作が始まった。ケーキ担当の木下さんは、出来上がった試作品を食べてもらっては、心配そうな顔で意見を聞いている。試作中は色んな所からいい香りがしてきて、匂いにつられてお腹が鳴ってしまうスタッフが続出しているらしい。
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1.6(木)

・マックロクロスケが苦手らしい2歳くらいの男の子。ネコバスで遊んでいる時に、近くにマックロクロスケが転がってくると、頑なに手を隠し、絶対触らないようにしている。しかしネコバスの外で見ていた女性の、「さわりたいなー」という声を聞くと、意を決っして指でクロスケをつまみ、その方に渡してあげている。忍耐の上に見せる優しさにネコバススタッフも心がほどける一瞬だったが、その後はまた手をかくしてしまい、結局クロスケは避けられたままでした。


1.7(金)

・明日から北嶋さんが産休に入る。開館の前からずっと美術館の建物に関する全ての面倒を見ていた、北嶋さんの初めての長い不在。そのためあちこちとの引継ぎが必要で、妊婦にもかかわらず毎日遅くまで打ち合わせをする日々でした。そんな北嶋さんにエールを送るべく、最後の日まであちこちで壮行会が続く。パワフルなお母ちゃんとなり、また美術館を支えに戻ってくる日を全員心待ちにしています。
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<がんばれ、北嶋さん!>


1.8(土)

・カフェでは、ホールスタッフの石渡戸さんが、初めてキッチンの仕事に挑戦。この日のミッションは、オムライスの卵をきれいに焼くこと。オムライスは一日に100食以上出る、一番人気のお料理。次々舞い込む注文に、急ぎながも丁寧に卵と向き合っていた。


1.9(日)

・美術館にある歴代の自転車たちには「デコボコ号」「アルカトラス号」「こまわりくん号」など妙な名前がついている。最近新しく入手した自転車にも名前をつけようと、意見が飛び交っている。候補は「あざ~っす号」「アバター号」「ブルーマン号」など。一見何の脈略もなさそうなラインナップだが、それなりに根拠があるという。密かに投票大会も行われ審議を重ねているらしいが、総務の野村さんにそれぞれの由来を尋ねると、「青い自転車だから。」という意外と単純な理由だった。


1.10(月)

・まだ冬のお休み中という国もあるためか、海外のお客様が目立つこの頃。日本語で話そうとして下さる方も多く、身振り手振りのコミュニケーションをあちこちで見かけます。そんな中、「何名での来館ですか?」というスタッフの質問に、迷いなく「五人前です」とのお答えも。会話集に出ているのでしょうか。


1.11(火)

・カフェでは新メニューの試作が続いている。この日はカウンターの男性陣が揃って試作に励んでいた。新メニューの開発が始めての木村さんは、出来上がった試作品第1号を「記念に」と写真に撮り、味見をして「うまい!」と自画自賛。木村くんの顔は無邪気な少年のようで、とても印象的だったとの事。他のスタッフからの改善アドバイスも入り、今後さらに進化していく予定。完成が楽しみです。


1.12(水)

・2階事務所では、総務を中心に鏡開き。毎年揚げ餅にしてスタッフに振舞うのですが、今年は定番の塩味・しょうゆ味に加え、なんとカレー味、ココア味が登場しました!休憩室はカレーの匂いに包まれていましたが、来年は何味が出てくるか楽しみな一同でした。
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<もうプロ級の野村さん>


1.13(木)

・ショップの店内ではいつもBGMを流しています。子ども達には「となりのトトロ」が一番の人気で、中でも「さんぽ」が流れると、「あるこ~♪あるこ~♪」という歌声と共に、あちこちで行進が始まります。そんな中、2歳くらいの女の子が天井のスピーカーを見上げながら、ごにょごにょ何かつぶやいて、その場で足踏みを始めました。まだ曲にならないごにょごにょは、「あるこ~♪あるこ~♪」と歌いたかったのでしょう。そんなかわいい姿が見たくて、店内に小さな子が多い時には、こっそりBGMを変えているそうです。


1.14(金)

・ジブリに席があった財務経理の鵜木さんが、今日から美術館に席をお引越し。いろいろと運び込まれる荷物の中には、なにやらナゾの物体も。
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鵜木さんは野球部出身なので、「キャッチャーのあれ...?」とみんなが思う中、「それはお尻に敷く物です」とのこと。身体を守り、これからの鵜木さんの活躍に期待大、です!


1.15(土)

・ショップでお買い物中の20代くらいの男性。美術館受付の天井に描かれた、"フレスコ画"があしらわれた傘を発見すると、「これマジやばくない?!」とコメント。それに答えるお友だちは、「"雨だけど、雨じゃなかった"って感じ?」と、「サツキ」のセリフを真似て返答している。フレスコ画柄の傘は、パッと傘を開くと中に鮮やかな青空が現れる絵柄になっています。楽しそうなその会話を聞いて、「ととのいました」と、にやりとしてしまいました。
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<こんな傘です>


1.16(日)

・事務所の片隅で、山﨑事務局長とカフェの板谷店長が何やら密談中。「ここをこうすると、こんな風になるのですよ」という板谷さんに「いろいろ教えて下さい」と、山﨑さん。仕事の話と思いきや、携帯をスマートフォンにしようと思っている山﨑さんが、早くからスマートフォンに切り替えているIT紳士(?)板谷さんに相談しているところでした。
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<肩を寄せ合って何やらひそひそ話...>


1.17(月)

・1/19日水曜日に「ひつじのショーン シリーズ2」DVDとBDが発売されたので、ショップのコーナーはまたまた一新!今回も店内ではダイジェスト版を流していますが、「あっ!"ショーン"だ!」と、子ども達は画面に釘付けになっており、まるで昭和の紙芝居屋さんのようです。
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<ポスターを囲むレンガは郎さんと宮本さんが一つ一つ貼った力作です。>


1.18(火)

・先日終了した青森での「スタジオジブリ・レイアウト展」を見に行ったという女性が来館。「ジブリ美術館の紹介をみて、一人で来ちゃいました。まるで夢のようです。」と、感動を伝えて下さった。お話していた菅野さんは、どんなきっかけでも「来て良かった!」と思って帰ってもらいたい、と改めて強く思ったそうだ。


1.19(水)

・美術館で収蔵する「借りぐらしのアリエッティ」の原画・動画の整理が行われる。総勢8名で丸一日かける仕事だが、力を合わせ分担作業をすすめていく。少し遅れて到着した落合さんは、最終的なチェックを担当することになり、作業する人々の周りを巡回しては動向を見張っている。その様子は牧羊犬か警察犬のようで、「シェパードが来たー!」などと叫ばれてはいたが、ふんふんと鼻を鳴らしているかのようにウロウロしては、取締りを快調にすすめていた。
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1.20(木)

・カフェ「麦わらぼうし」では、夕方落ち着いた店内で、お客様との会話が弾むことがあります。この日はパンをじっくり見ながら味わっている方が来店。三重県にあるご自身の畑でムギを育てているというお客様で、企画展示室も麦の展示でとても面白かったとお話ししてくださり、カフェの装飾や麦ストローの話など、"麦トーク"で盛り上がった。いろいろなお客様とお話し、明日への活力にするスタッフなのでした。


1.21(金)

・今日は「コクリコ坂から」を制作中の吾朗監督の誕生日。カフェのフラワールーム(ケーキを作る部屋)では、阿部さんと深沢さんが作業の合間をぬってバースデーケーキを作っている。ショートケーキとチョコレートケーキのバースディーバージョン。前日から深沢さんは「文字は何て書こうかな~」と考え続けていたとのこと。(ジブリ日誌の1/21に力作がupされてます)は素敵な映画になるよう、美術館スタッフ一同もかげながら応援しています。


1.22(土)

・カフェではまだまだ続く新メニューの試作。今日は梨子木くんが1人で格闘中。野菜のたくさん乗った料理を作っているようですが...?春に向けてのメニュー作りも佳境に入り、知恵と力を振り絞り奮闘しています。3月ごろにはお目見えの予定ですのでご期待ください!
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1.23(日)

・ネコバスで遊ぶ、小学校3年生くらいの女の子と1年生くらいの女の子同士の会話。「せっかく来たんだから、無邪気に遊びましょ。」と話している。ネコバスでの子どもたちは、動物になったり食べものになったり、大人になってみたり。色々なものに変身できて羨ましい限りです。


1.24(月)

・図書閲覧室「トライホークス」のスタッフが勤しんでいる読書会。本日のテーマは『クローディアの秘密』。この本の舞台となるN.Y.のメトロポリタン美術館を卒業旅行で訪れたという二宮さんが、パンフレットや周辺地図を持ってきてくれたことで話がふくらみ、会も盛り上がった。...のだが、よくよく聞くと、昔「卒業」していった先輩の、「個人旅行」についていっただけ...と言い出す二宮さん。「それは卒業旅行じゃないやんけ!」と一同総ツッコミをした時が、今回の読書会で満場一致に至った瞬間だったそうです。


1.25(火)

・明日から1週間ほどの休みに入る伊神さんは、近畿・四国方面へ旅立つらしい。いつも目一杯頑張り、ひたむき・努力型の彼女には、是非休暇くらいはのんびりリフレッシュしてもらいたいのだが、「こんぴら参りしてきます!」「素敵な出会いをしてきます!」「頑張ります!!」など、やっぱり力のこもったガンバル宣言。どうかゆったりと素敵な休暇を過ごしてきてください。


1.26(水)

・ショップのレジにて、海外からのお客様に「このキャラクターの名前は?」と、英語で尋ねられた関根くん。手には「パン種とタマゴ姫」の人気キャラクターのぬいぐるみが。「パ・ン・お(パン雄)。」と、ゆっくり言った後、「ブレッド・マン(Bread・Man.)!」と、きっぱり言い切った関根くん。そばに居たスタッフは思わず笑ってしまったが、お客様には伝わったようで一安心。(※本当は"Mr. Dough"という英訳があります。)不思議なキャラクターを外国語で説明するのもなかなか大変です。
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<パン種くんと関根くん>


1.27(木)

・カフェでは春メニューの報告会が行われた。各担当者がすすめてきたメニューを試食をしながら打ち合わせ。これからネーミングなどさらに頭を悩ます宿題が残されていますが、季節が感じられるすてきなメニューが登場しそうで、ホッと胸をなでおろす一同なのでした。
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1.28(金)

・毎度ひょうきんな山﨑事務局長の本日の言動。いつも見目麗しいライブラリー事業室の内藤さんが、3/26公開の「イリュージョニスト」の打ち合わせに美術館に来ていた。内藤さんが無事打ち合わせを終え帰ろうとすると、山﨑さんは「もう帰っちゃうのー!?もう少しいてよー。」と、仕事とは思えない甘えた声をだしている。すかさず机さんに「今日はまだ飲んでないですよね?」とつっこまれていました。
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<内藤さんに背を向けられているようですが>


1.29(土)

・肩こりもちの石光さん。スタッフの前にスゥっと立ちはだかり、「ね、お願い。」と肩を揉ませようとしている。何人かにお願いするもやんわり断られる中、最終的にデスクがお隣の天内くんに、「はい。お願い。」と一言。何も言わずに揉んであげるやさしい天内くんでした。
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<微妙な表情の天内くん>


1.30(日)

・ショップのガラスケースに、"リトモラティーノ"のオリジナル時計をディスプレイするために、お休みの日に時計用スタンドを制作してきた阿部さん。実はこれは二代目で、一代目に納得がいっていなかった為にもう一度作り直したそう。寡黙だけど凝り性な阿部さんならではの、ふつふつ湧き出る職人魂を感じた。
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<時計スタンドが阿部さんの新作です>

1.31(月)

・本日で産休前最後の出勤となる比留間さん。1F展示室の担当ということにちなんでか、全粒粉の小麦粉で(企画展示室の石臼で挽いたものではなく、市販の小麦粉ですが)パンを焼いてきてくれた。とっても美味しい優しい味のパンと、比留間さんの1Fへの思いを感じ、感慨ひとしおの1Fスタッフ。元気でたくましいお母さんとなりに戻ってきてくれること、楽しみに待っています!