2011年7月


7.1(金)

・今日は平日なのにどうも子どもたちが多いので尋ねてみると、川崎市が市制記念日で学校がお休みだそう。そんな子どもたちの一人に、「今日は休みでよかったね。」と聞くと、「う~ん、今日は図工の日だから損した。」という返事が返ってきた。遠い子ども時代、体育・給食・図工がつぶれたときの気持ちを思い起こした中原くんなのであった。


7.2(土)

・現代美術館での「フレデリック・バック展」の開会式&内覧会を終え、アニメーション界の至宝と名高いフレデリック・バックさんがジブリ美術館にも来てくれました。バックさんの作品の大ファンでこの展覧会を待ち望んでいた高畑監督も一緒です。展示室の一つ一つをつぶさに観るバックさんに、一緒にいた一同はますますバックさんのファンになってしまいました。
110702a.jpg
<絵コンテ室のバックさん>

企画展示室の「もののけ姫」のシシ神の森のコーナーでは、とても気にいってくださった様子で、拍手まで頂いてしまいました。
110702b.jpg


7.3(日)

・夏本番を前に、ショップにも続々と夏グッズが投入されています。窓辺には風鈴が下げられました。が、日中は窓が閉められているので、チリンとも鳴りません。そんな時、肺活量自慢の御山さんが登場し、少し離れたところからフーフー吹いている姿を目撃。涼しく響くその音色に、「あー、日本の夏だ」と感じるスタッフでした。ちなみに、オトメン関根くんが御山さんの真似をして息を吹きかけていましたが、風鈴は微動だにせず、全く音がしませんでした。


7.4(月)

・「すみません、緑のワンピースを着た女の子を見ましたか?」とネコバスにいらっしゃったお母さん。遊んでいるはずなのに見失ってしまったとのこと。スタッフが急いで探してまわると、ネコバスの車内でウトウトとまどろんでいる小さな女の子を発見。お母さまもスタッフも、ホッとするのと同時に思わずふき出してしまったそうだ。


7.5(火)

・カフェの佐藤さんと堀口さんは、岩手県山形村へ出張。カフェのこの夏のメニュー「野菜がとけこんだ短角牛のスープ」に使われている短角牛を確認しにいきました。広大な牧野に、60頭の牝牛と1頭の雄牛が放牧されている。そこへこの春に生まれたばかりの子牛が放される瞬間に出会わせた。柵が開くと一斉にモーモーと鳴きながらお母さんの下へ歩み寄っていく。牛たちはこうして10月までノビノビと育つとのこと。きちんと農牧をしている様子を目の当たりにし、佐藤さん堀口さんは安心して帰ってきたそうです。


7.6(水)

・ショップでは、様々な金属造形物グッズを作ってくれいてる"阿随金属工房"さんへ見学へ。作っているところを実際に見せて頂き、阿随さんの正確な職人業に驚いたそう。阿隋さんの丁寧な仕事はもちろんのこと、お人柄にも感動した一行。いつもお客様にお薦めしている商品を、より一層気持ちを込めて接客できるパワーを頂いたとのことでした。
110706.jpg


7.7(木)

・現在上映している短編映画『たからさがし』は大好評。セリフはほとんどないのだが、その動きやリズムに誘われてしまう。気が付くと子どもたちならでは、の視点に共感し、スタッフの中でも「幸せな気持ちになった」と評判が高い。コロコロ笑ってくれる子どもたちはもちろんのこと、やさしいストーリーに心をうたれて、ホロリと涙を流す大人の女性の姿も多く目撃されています。


7.8(金)

・ショップで購入した絵の具セットを大事そうに抱えていた小学生の男の子。カフェで順番待ちをしている間に、美術館の絵を描いていたのだそう。見せてもらうと、その絵の中には男の子自身も描かれていて、愉快で楽しそう。見ている方も気持ちがなごむ作品だったそうだ。


7.9(土)

・毎年すてきな贈り物をしてくださるステンドグラス制作をしてくれた八田さんご夫妻。今年は沢山のさくらんぼを送ってきてくださいました。いつもいつもありがとうございます。美術館スタッフ一同で、季節をかみしめながらおいしくいただいています。
110709.jpg


7.10(日)

・展示スタッフ若手3人組は、6月中旬から美術館の現場に配属され、新しい仕事に取り組んでいる。この暑さの中でも「頑張ります!」と汗を流して働く3人。上司である宍戸さんは、そんな姿を柱の影からこっそり覗き見にきて、「授業参観日の親の気持ち...。頑張れ!」とつぶやいて去っていった。


7.11(月)

・台湾から遊びに来てくれた男の子の兄弟。2人仲良く並んで『たからさがし』を観ていたが、映画に登場する"ゆうじ"と"ギック"が追いかけっこを始めると、同じように足をバタバタと踏み鳴らし、一緒になってクスクスと笑いあっている。映画の登場人物になりきっている姿はとてもにぎやかで、言語を超えて楽しそうでした。


7.12(火)

・熊本にて「スタジオジブリ・レイアウト展」が開催されるため、ショップの郎さんと菅野さんが出張。会場は熊本城と同じ公園内にあり、お城好きの郎さんは眼の前にそびえたつ熊本城について語りまくっている。そんな環境のためか作業効率はアップしたようで、なかなか冴えたレイアウトのお店ができあがったそうです。


7.13(水)

・カフェの飲み物「すこし大人のジンジャーエール」を仕込み中にこんな可愛いショウガを発見。
110713.jpg
偶然の産物ですが、ちょっと切なげな表情がなんとも可愛いらしく、最初に発見した木村さんは「俺はこいつを切れない!」と村上さんにパス。村上さんも「なんとなくカワイソウで切れないよ~」と繊細な男性二人。見かねた丸山さんが意を決して「じゃあ僕が!」と立ち上がり、無事に美味しい飲み物に変身したそう。その後の仕込み再開まで余韻を残す3人でした。


7.14(木)

・出口小屋で、佐藤さんが「おーい!」と大きな声で子どもたちを呼んでいる。近付いてみるとカブトムシが6匹も土から出てきている所でした。集まった子どもたちも大興奮。佐藤さんの「おーい!」の声で、「今年の夏」も出口小屋にやってきたようでした。
110714.jpg


7.15(金)

・アトリエの冷蔵庫の前で、立ち話をしていた安西さんと宍戸さん。そこへ飲み物をとりにやってきた橋田さん。が、なぜかティッシュを1枚手にしてあわてだした。どうやら、「冷蔵庫の中で飲み物が大量にこぼれて洪水になっているのを発見、でもこぼしたのは自分ではない、それにティッシュが見当たらずいろいろ困惑中」ということらしい。安西さんは「気持ちはわかった」と言って、後始末は引き取られ、橋田さんはしょんぼりと席に戻っていった。そんな橋田さんへ宍戸さんから、「大丈夫だよ、センサーの役目を果たしてるじゃん、"お水がこぼれてます!"って!」と励ましの言葉が贈られていた。


7.16(土)

・今日は『コクリコ坂から』の公開初日。美術館では2階ギャラリーで「『コクリコ坂から』展」がはじまりました。ギャラリーには、この作品ができあがるまでに描かれたたくさんのイメージボードが並び、作品づくりの参考にされた自転車、学生帽、ガリ版、など、映画でも気になるポイントだったものの実物も展示されています。学生帽は鈴木プロデューサーが実際に使っていた、ある細工がなされているよう。共感してくれるお父さんが現れ発見してくれるのも今から楽しみです。
そしてショップの中も「コクリコグッズ」がたくさん並び、入り口の光景が新しくなりました。国際信号機に彩られた店内、こちらもどうぞお楽しみください。
110716.jpg


7.17(日)

・ジブリ美術館も今年の夏は節電につとめています。エレベータ停止中は、スタッフは階段を使い汗をかきかき荷物を運んでいます。ところが、ショップの森田さんと佐野さんは、4つも大きなダンボールを載せた台車ごと、一気に階段を登ろうと無謀な挑戦をしていた。階段の途中で力尽き、登りきった時には立っていることさえできない二人。何事も一つ一つ地道にお願いします。


7.18(月)

・今年もカフェデッキでは、ワゴン販売が始まっています。雨の日はお休みすることもありますが、今年はラムネ、ビールに加え、天然炭酸水という新商品も登場しました。国産の飲みやすい軟水で微炭酸なミネラルウォーターなので、乾いた身体に染み渡ります。季節限定のこのワゴン、ぜひ夏を満喫しにきてください。
110718.jpg


7.19(火)

・地下1階の展示室のジブリハウス。歴代のスタジオジブリ作品の展示に、『コクリコ坂から』も本日加えられました。1階の展示室でも『コクリコ坂から』のキャラクター設定画にきりかわり、にぎやかさが増しています。ぜひ新しい仲間を探してみてください。


7.20(水)

・今日は台風が三鷹に接近中。窓を打つ強い雨と風に揺れる木々を眺めていた沖縄から来てくれた6歳くらいの男の子。ネコバスで遊びながら、「台風は僕を追っかけて来ちゃったみたい。」と教えてくれた。


7.21(木)

・ショップでは熱中症についての知識を深める勉強会が開かれました。閉館後だったため一日の緊張と疲れがでたのか、ウトウトしては隣の人につつかれる佐野くん。しかし、実技の時間になったとたん、水を得た魚のように見事な模範演技を見せてくれた。この会は"自分たちの体調管理もしっかりしていこう"と、しめくくられたのでした。


7.22(金)

・トライホークスにいらした20代の男性3人グループ。1人の男性が「おまえ、最近元気ないだろ。だから、これを買ってやるよ。」と、魔女の宅急便の絵本『元気になれそう』をお友だちに紹介していた。心配された男性は「そこまで落ち込んでねーよ!」と恥ずかしそう。しかし本当に本を買ってもらうと、「オレ、元気になれそう!」と明るい声で顔を輝かせていたそうだ。


7.23(土)

・今年も恒例のこの季節がやってきました。そうです、三鷹阿波踊りが近づいて参りました。美術館のスタッフは、三鷹市役所連の皆さんと一緒に練習を開始。今年は新人5名を向かえ、20名ほど参加の予定です。新人さんは一生懸命練習に取り組み、ぐんぐん上達しています。ベテランの西川さんいわく、「今年の新人は筋がイイ」とのこと。新人に負けぬよう、先輩たちも気合いを入れて夜の練習に励むのでした。
110723.jpg
<閉館後に特訓してます>


7.24(日)

・今日は三鷹市立第四小学校の「むらさき祭り」。毎年美術館も参加をしていますが、今年の野外上映会は『借りぐらしのアリエッティ』を行いました。真っ暗になってしまう少し前に、恒例の館長ごあいさつと、そして今年は米林監督本人が登場しました。野外なので、校庭に並べられたパイプイスでひっそりと出番を待つ米林さん。ご挨拶も、「僕みたいなおじさんが来てもつまらないかもしれませんが。すみません。」と謙虚そのもので笑いを誘っていました。校舎の壁にかけられた大きなスクリーンは、時折風に揺られながらも、無事に映画は終了。敷物をもって参加してくれた大勢の皆さんと、夏の晩を楽しんだのでした。
110724a.jpg
<出番を待つ館長とマロ監督>
110724b.jpg
<スクリーンの前でご挨拶中です>


7.25(月)

・デッキでのラムネ販売に、今年初めて参加したショップの佐野くん。専用のTシャツとエプロンに身を包み、恥ずかしそうにもじもじしている。どうもその理由は、エプロンが短かすぎて前から見るとミニスカートのようになっていたからでした。菅野さんに肩紐を調節してもらい、無事送り出されていきました。


7.26(火)

・台風明けで、涼しく爽やかな受付付近。暑さでぐったりしていたフキが活き活きしだし、大きな葉の下には小さな新芽ものぞいてきました。サンクンテラスの西洋ニンジンボクも薄紫色のきれいな花を咲かせだしています。ずっと花の心配していた菅井さんも、やさしい笑顔になっていました。


7.27(水)

・日本橋三越本店「2011こども博」 で開催されているフレデリックバック展。本店のホールには「3びきのくま展」のあのくまたちも出張することになりました。閉店後の三越本店に到着した一行は、まず西谷さんの装いに楽しくなってしまったらしい。リアルなくまがプリントされたアロハシャツで、3びきのくまたちの設営をする西谷さん。くまたちへの愛しみを感じる展示チームでした。
110727a.jpg
<シャツにツキノワグマが>
ホールの天女像の前に立ち並ぶくまたちは、荘厳な雰囲気になぜかしっくりと馴染んでいます。8月8日まで、このコラボーレションを楽しめますので、機会があればぜひお立ち寄りください。
110727b.jpg


7.28(木)

・運営の根本さんといえば、隠れたフレデッリック・バックさんの大ファン。先日15日に神保町シアターで行われたトークショー開催日には、2回も映画を鑑賞。そんな根本さんに、バックさんの一番好きな作品について質問してみました。「ロッキングチェアーが主人公の、温かいパステルの色彩で家族や環境の事が描かれた『クラック!』!」とのこと。魅力を語らせると止まらなくなり、延々と語る根本さん。神保町シアターから根本さんと一緒に帰った野村さんは、愛の深さを思い知ったそうです。


7.29(金)

・カフェのメニュー「畑のポタージュ」は、季節によって使用する野菜が変わります。最近では「ジャガイモのポタージュ」や「アボカドの冷製ポタージュ」などが登場。担当している田中さんに聞くと、次は「焼きナス」「黒豆」の入った冷製のポタージュを考え中とのこと。スタッフも楽しみなメニューの一つです。


7.30(土)

・夏休み本番を前に、ショップの阿部さんが、"サッカー(レジでの梱包作業)"台を作って来てくれました。試作品を改善しながら試行錯誤を重ねた結果、レジの引き出しにぴったり収まる台が完成。物静かな阿部さんらしく、台はいつの間にか設置されており、引き出しを開けたスタッフは嬉しい衝撃を受けていました。
110730.jpg
<引き出しを開けてみました>


7.31(日)

・この時期になると、「汗をかいたので着替えたい。」「井戸の水をかぶってしまった。」と、必要に迫られてかショップの子ども用Tシャツが大人気。そんな中、小学生の男の子が買ったばかりのTシャツを手にうろうろしている。やっと隠れられる場所を見つけ、その場で生着替えが行われていました。着替え終わった男の子は、見て見ぬふりをしていたスタッフに「とってもよく似合ってるよ!」と、口々に声を掛けられていました。