2014年6月


6.1(日)

・心配そうな顔で「鳥が落ちています!」と、お客様がショップに伝えに来てくださいました。あわててカフェ近道に見に行くと、仰向けになって動かない鳥が倒れていました。森田くんがそっと手に乗せると、「ピーッ...。」と小さい声で弱々しく鳴いています。すぐに鳥博士の深谷さんにSOS。深谷さんいわく、「たふんガラスか何かにぶつかって気絶してるだけだから、しばらく様子を見てあげて。」とのこと。助言を受けて、そばに居た子どもたちと一緒に見守っていると、少しづつ力を取り戻し、無事に羽ばたき飛んでいったそう。ホッと胸をなでおろして安堵のため息をつく、動物にやさしい森田くんでした。


6.2(月)

・朝4時から中央ホールに何かセッティングがはじまりました。新作『思い出のマーニー』に関係する、とある撮影だったのですが、開館前に終了させなくてはならないため、かなりの早朝から撮影がスタート。眠い目をこすりつつなんとか美術館まで辿り着いたスタッフでしたが、早起きの甲斐あって、素敵なものが撮れたそうです。
140602.JPG
<朝5時半、中央ホールのセッティング中>

6.3(火)

・休館中にメンテナンスの入ったカフェのテーブル。少し明るい色になって戻ってきました。天気の良い日はトップライトからの光とあいまって、明るい雰囲気になり、木の良い香りもほんのり漂っています。
140603.JPG
<メンテナンス中のテーブル>

6.4(水)

・まだ6月に入ったばかりだというのに驚くほど気温が上昇。まるで夏のような日差しが照りつけています。ショップでは一斉に衣替えがありましたが、あまりの暑さに、急遽半袖の制服に変える運営スタッフも続出。「成長期に入ったので、サイズの変更をお願いします」「久々に出したら、ボタンがなくなってた!」と色々申告が続いています。


6.5(木)

・アトリエでは、ワールドカップの応援に熱心な面々が早朝から話題にしていることが多いそう。2002年の日韓ワールドカップの時に力が入りすぎて差し歯になった三好さんは、「今回は気をつけてくださいね」と忠告を受けています。でも「歯はいっぱいあるから大丈夫!」だそうです。


6.6(金)

・トライホークスで、5歳くらいの男の子が嬉しそうに歌を歌っています。「♪6/6は~、今日はお父さんとお母さんの、結婚記念日~。」と大きな声が聞こえ、ご両親はちょっと恥ずかしそう。男の子は声高らかに幸せいっぱいの気持ちを歌に込めていました。


6.7(土)

・梅雨の季節に入りました。雨が降り続くと気持ちが滅入りがちですが、子どもたちにとってはそうではないようです。雨にもかかわらず屋上で元気いっぱい走り回る子どもたち。建物をつたって落ちる水滴が地面のタイルに跳ねる様子を不思議そうにじーっと見ている子もいました。新鮮な気持ちでいれば、雨ふりも楽しい一日なのだ、と教えてもらったという伊神さんでした。


6.8(日)

・カフェの新メニューがはじまりました。今回は食事もデザートも、そして飲み物も新しいメニューがあるので、いつも以上にドキドキしながらオープンを迎えたようです。料理がテーブルに運ばれた後も「おいしそうに召し上がっているか」「カトラリーは使いにくくないか」など考えながら緊張が続くそう。お客様から「おいしい!」の声をいただいて、やっとホッと胸をなでおろすホールスタッフなのでした。


6.9(月)

・今回の企画展示に合わせて、ショップでは"バレリーナが回転するオルゴール箱"が取り扱われるようになりました。曲は「クルミ割り人形」の特別仕様。佐野くんが楽しそうにお客様とお話ししていましたが、「バレエの先生にプレゼントします。」と言って、とある女性が購入を決められたのだそう。しかしお客様はすでに帰られたのに、どこかから「クルミ割り人形」のオルゴール曲がかすかに聞こえてきます。気づくとクルクル回るバレリーナをうっとりとながめる佐野くんの姿が。実はお人形やぬいぐるみが大好き、というファンシーな一面を垣間見せる佐野くんでした。

6.10(火)

・「クルミわり人形とネズミの王さま展」のパンフレット制作がすすんでいます。休館の本日は一日かけて、担当の安西さんや小林さんがカメラマンさんと企画展示室をあれこれ撮影しています。今回のパンフレットは、実はこれまでのパンフレットとはちょっと違う点があります。「ああでもない、こうでもない」と散々打合せを重ね、宮崎監督が「こんな風にしたい」という意見が加わったりと、苦労の末に固まった仕様です。完成は7/19の予定だそうですが、どうぞお楽しみに。


6.11(水)

・自衛消防審査会に出場するべく、毎年恒例の練習が始まりました。今年は指揮者・梨子木くん、一番隊員・高田くんペア。西川くんの指導の下、毎夜練習に励んでいます。去年優勝した斉藤さんや相川さんをはじめ、経験者の面々にチェックしてもらい、「手はもっとこう挙げて」「足の高さを揃えて!」と、気になるところを修正してもらう毎日です。普段は大きな声を出すことのないおだやかな2人ですが、意外と声は大きい事がわかり一安心。しかし、梨子木くんは一人暮らしなのでお昼はもっぱらカップ麺。このままではお腹から声が出ない!と、食生活の心配までしているマネージャーの菅野さんでした。


6.12(木)

・ある取材で、受付の撮影が。ケーキハウスの扉を開けて照明などのセッテイングを定めていざシャッターを切ろうとしたその時...。
140612.jpg
のんきに撮影現場を横切っていき、ばっちりフレームインしたものが映っていました。


6.13(金)

・カフェでは、新メニューに使用しているルバーブの農家さんから、「ぜひお店に飾ってほしい」と葉っぱの付いた大きな生のルバーブが届けられました。なかなか葉のついたものを手に入れる機会は少ないので、お客様もとても興味をもってくださっています。
140613.JPG

6.14(土)

・保育園の遠足で来館の園児さんたち。「次はネコバスへいくよー!」という先生の言葉に、「やったー!!」と大興奮。嬉しさのあまりなのか、隣にいた男の子のほっぺにキスしてしまった男の子。ハッと我に返り「なんだよー!?」とお互いびっくりして気まずそうでしたが、思わずキスが飛び出てしまうほど楽しみにしてもらえるなんて、ネコバス本人はきっとニンマリ笑っていると思います。

6.15(日)

・休館明けから新しく始まったテイクアウトメニュー、「ソフトクリーム」。それに伴い、カフェデッキに置いてある看板もリニューアルされました。おいしそうなソフトクリームが描かれたその看板を見つけた男の子。目を輝かせて近づいて、突然看板をペロリとなめて渋い表情。それからお母さんに本物のソフトクリームを買ってもらい、そちらの味には満面の笑みでした。


6.16(月)

・「クルミわり人形とネズミの王さま展」に、原作の翻訳者・上田真而子さんが来館されました。「このお話は不思議でついて行けないような言葉の世界で、展示はそれを視覚的に表現なさるわけでしょ、とても楽しみだったんですよ。」とにっこり。展示パネルを丹念にご覧になり、「やはりご自分でも絵をお描きになるから方だからこそ、入っていける"道"というのがあるのでしょうねえ、きっと。子どもだったらきっとそれを見て、またそこから新しい違うイメージを沸かせるでしょう」となんとも嬉しい感想をお話してくださいました。上田さんの素敵なお話しは、パンフレットに詳しく掲載されますのでぜひご期待ください。


6.17(火)

・アトリエいる岩本さんに電話をかけると、「ただいま着替え中です」という返答が。なぜ着替え?、と不思議に思っていると、駐車場の草刈りに挑む準備をしていたそう。青々と伸びてしまった草たちを、梅雨の晴れ間に一斉に刈り取ったそうです。
140617a.JPG


6.18(水)

・今日は『風立ちぬ』のDVDとBlu-rayが発売になり、常連のお客様がたくさん朝一番から来てくださいました。ショップのソフト担当の宮本さん福島さんは、毎晩残ってコツコツPOPを制作し『風立ちぬ』コーナーを飾りつけ今日に備えていたので、まるで思いがつながっているかのようにちゃんと本日駆けつけてくれたお客様へ、感謝と嬉しさと、感慨ひとしおだったそうです。

6.19(木)

・元カフェの店長だった堀口さんから、たくさんのスモモが届きました。甘くてジューシーな差し入れに、「体に染みわたるー」と皆かぶりついていました。実はこの日は堀口さんのお誕生日で、それを覚えていたカフェのスタッフは「ありがとうございます!」「おめでとうございます!」とお礼とお祝いを同時に言いつつ、スモモを頬張っていました。堀口さんありがとございます、そしておめでとうございます!
140619.JPG
<スモモでハート>


6.20(金)

・先週の日誌でもご紹介した新メニューに使用されている"ルバーブ"は梅雨時の今が一番の旬。タデ科のフキのような植物ですが、茎を砂糖で煮てタルトやジュースに使用します。すっきりとした酸味が、梅雨の憂うつさをさわやかに吹き飛ばしてくれるはず、という気持ちもこめられているそうです。
140620.JPG

6.21(土)

・衣替えをしたのも束の間、早速ショップの佐野くんは、シャツのボタンが取れてしまったそう。閉館後、須田さんとボタン付けをする佐野くん。ボーイッシュで、ショップの制服のイメージである『紅の豚』のフィオを地でいくような須田さんの女性らしい一面に、キュンとする佐野くんでした。
140621.JPG

6.22(日)

・ネコバスの隅で、壁に向かって座ったままの3歳くらいの女の子。何かあったのだろうかと声をかけると、「違うの、今温めてるの。」とのこと。よく見ると女の子のおしりの下にはマックロクロスケが。マックロクロスケを卵に見立ててメンドリになっていたようです。しばらくすると、「コケッコッコー!」と元気いっぱいの声をあげ、ネコバスの周りをグルグルと回り始めました。めでたくヒナがかえったようでした。

6.23(月)

・夏休み前のこの時期は修学旅行シーズン。全国各地から小・中・高校生の学生さんで賑わっています。ショップにやってきた小学生の女の子は短冊のような紙を広げ「ここで売ってますか?」と、松尾さんにお買い物の相談。その紙には、<『黒田官兵衛』のお土産>と達筆な字で書かれていました。「ごめんね...、ここにはないけど家族に頼まれたお土産、全部買って帰れるといいね。」とお話していました。

6.24(火)

・3月末で退職された映写技師の岩井さんが美術館に遊びにきてくれました。お元気そうな姿に皆が嬉しくなり、気が付けば芸能人のように岩井さんの周りには人だかりが。岩井さんは1人1人と握手をして周ってくれました。久しぶりの休憩室でいつも座っていた席に変わらず座る岩井さんを皆で囲んで、楽しいひとときを過ごしました。
140623.jpg
<岩井さんと談笑中>

6.25(水)

・ショップで販売しているグッズ「王蟲」には、"赤眼"のものと"青眼"のものがあります。どちらにしようか迷われて、「赤眼にするわ!」と決めたお客様が、「カフェでソフトクリームを食べたら気が変わっちゃった。」と、青眼の王蟲と取り替えに戻っていらっしゃいました。メンテナンス休館明けからお目見えしたソフトクリームはスタッフにも大人気で、その美味しさを知る阿波谷さんは、「お気持ち、わかります。」と、なぜか心から共感した模様です。

6.26(木)

・世間がW杯で賑わう中、美術館ではもうひとつのW杯がひそかに開幕しました。年に1度、この時期に開催されるW杯、<WATER CUP>。それは石光さん・天内さん・矢澤さんの3人で、"作業室の除湿機に溜まった水を捨てる"という作業を誰が一番多くやりとげるかという戦い。時にはよく気のつく者が勝ち、時にはじゃんけんで作業室の鍵を手に入れる者が決まっています。「何か賭けないと燃えないよね」と、まずはテイクアウトのソフトクリームを賭けて、3人は日々作業室の鍵を奪い合ってます。

6.27(金)

・市内の病院や企業等の事業所が防火防災のために組織している自衛消防隊。今年は梨子木くん、高田くんペアで挑みました。昨年度は「2号消火栓隊」部門で斉藤さん・相川さんペアが見事優勝したため、今年の指導には一段と気合が入っています。
140627a.JPG
<前日の閉館後も最後のリハーサル>
練習の成果もあり、本番も落ち着いた様子の2人。
140627c.JPG
よく通る大きな声で演技をすすめていました。
140628d.JPG 140627b.JPG
ところが出番が1番目だったため、準備されていた消火栓のホースがスムーズに取り出せる状態にセットされておらず、引っぱってもなかなか出てこない、というちょっとしたアクシデントが発生。そのためなのか、結果は惜しくも2位にとどまりました。でも本当の消防の際には、もっと予想外の出来事も多いはず。そんな時でも、落ち着いてすぐに適切な対応に切り替える、そんな2人には労いの拍手が集まっていました。いざという時に、きっと頼りにできる訓練参加者たちだと思います。

6.28(土)

・今朝、玉川上水沿いの道でカモのご夫婦に遭遇した岩本さん。ちょっと心配で見守っていたところ、車を渋滞させながら、川には戻らずのんびーりお散歩をしどこかに向かっていったそう。
140628.jpg
<美術館へは玉川上水沿いをゆっくり歩いて約15分ですよ>

6.29(日)

・「市商連フェスタ2014 in明星学園」に今年も参加しました。午前中は賑いをみせたジブリ美術館ブースでしたが、14時頃には空模様がアヤシくなりはじめ、雨雲を察知した深谷さんは、早々に撤収を指令。そして15時過ぎに本降りになった時には瞬く間に校庭が水浸しになり、テントの下に入るくらいでは凌げない池の中に水没状態になってしまいました。全員イスの上に登って水から避難していましたが、残念なことにイスがひとつ足りず、西川くんだけが池の中に立ち尽くしていたそうです。夜には雨はやんだものの、野外上映の予定は急遽体育館の中での上映会となり、『耳をすませば』を近隣の皆さん90人ほどと一緒に楽しみました。

6.30(月)

・5歳くらいの女の子が「目をつむって!」と言いながらお父さんの手を引いて、「クルミわりとネズミの王さま展」の展示室に入ってきました。「なになにー?」と言われるがままに手を引かれて来たお父さん。「目を開けていいよ!」と言われてびっくり、目の前に等身大の、巨大くるみ割り人形がありました。「うわー!!」と心底驚くお父さん。ほほえましい光景でした。