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イントロダクション

油絵が動く!~淡く甘い筆致で描かれた二人の女性がリアルに動く~

introduction_03.jpg 淡い色彩で移ろいゆく瞬間をキャンバスに描きとめたといわれる印象派絵画。そんな美術館で鑑賞するような油彩画が、スクリーン上で感情豊かに動き出す。作品を見た誰もが、まずはその美しさに圧倒されるだろう。

introduction_04.jpg 主人公アントンが恋をする二人の女性、パーシャとセラフィーマはまるでルノアールの絵画から抜け出してきたように甘く、淡い色調で描かれている。青を基調とする風景のいくつかはモネの風景画を彷彿させる。一幅の絵として十分に耐えうるこれらの絵が、しかもリアルに動くのだ。
この技法は、ガラス絵手法と呼ばれ、透明のアクリル板に油絵具で直接絵を描き、変化する部分を消したり付け足したりして、動く映像を完成させていくというもの。アニメーションにも様々な方法や表現がある中で、膨大な時間と手間のかかるのがこの技法。 いわゆるセルアニメーションとはまったく異なったこの表現方法が、作品に見応えのある迫力をもたらしている。

 そして、この動きこそ思春期の少年のめくるめく心象風景を鮮やかに表現している。妄想は風景となり、風景は愛しい人へと続いていく。恋をした人にしか見えないそんな景色が美しい油絵で綴られている。