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第一回 王様日誌 天野ひろゆき(キャイ~ン)


「王と鳥」は色んな意味ですごい映画だ


キャイ~ン 天野ひろゆきさんインタビューより


僕らの世代だと、日本はアニメーションだったら欧米なんかに絶対負けないという自負があったんです。でも、この作品はすごい。


しかも、僕の生まれる20年以上も前に、すでにこの映画が作られていたことに驚きましたね。高畑さんと宮崎さんが影響を受けたというのは、非常に納得でした。
だって、「王と鳥」を初めて観たときに、『太陽の王子ホルス』や『カリオストロの城』の原点はこれなのか!?と強く思いましたもん。(笑)

天野ひろゆきこの作品の何がすごいかというと、物語の時間軸に合わせ、まず城の頂上に上がり、ストーリーの展開と共に下へ下へと下っていく。・・・そして最後には積上げたものを全て崩すというやり方。今の技術でも実写だと難しいようなことをアニメーションでちゃんとやっているんで、本当に感心しました。

宮崎監督の作品も、主人公がお城の下から入って上昇したり、上から入って下降したり、物語の進行に合わせて、物理的に上下運動の絵で表現する手法をよく使っていましたが、これは「王と鳥」の影響かなと思ってしまいます。

それ以外にも、主人公となる男の子や無条件にいいヤツだったり、女の子が自己犠牲の精神を持っていたりする部分、悪役も憎みきれないキャラクターだったり、人間と動物との関係・・・動物を助け身近に置くなどの設定、それからエンディングに出てくる巨大ロボットも!(笑)
宮崎監督の作品と共通点が多く感じました。本当にこの作品から多くのものを受け継いだんだなと思ってしまいました。


逆に「王と鳥」がジブリ作品と大きく違う点は、エンディング。ロボットが全てを壊して、1羽の囚われた小鳥を助けてあげて終わるというシュールさ。エンターテイメント的とういより、詩的な部分であるとか、道徳的な部分が強いのかもしれない。

僕が思うに、ヨーロッパのアニメーションは道徳的。日本はエンターテイメント的。ハリウッドの実写映画は娯楽性が強く、日本の実写映画は社会的。本当アニメーションと実写映画とは立ち位置が間逆かもしれないですね。

高畑監督の方は、「王と鳥」から社会的な部分をアニメーションでどう表現するかを受け継いだのかもしれないですね。高畑監督の作品は、社会的なメッセージをシニカルに描いていることが多い気がします。


お笑いの側面から見ると、「王と鳥」は、かなりシニカルな笑いですよ。社会的というか、皮肉も相当入っている。だって、例えば、落とし穴に王さまが落とされて、誰も気づかない、でも何のフォローもないまま物語が進むでしょう?あれはかなり残酷なところだし、相当な社会風刺だと思う。

やはり、偉い人を直接的に批判することは、相当大変なことだけれど、この作品では、アニメーション的な表現で笑っちゃおうというところがあったのではないかと。でも実際、その方がシャレてますよね。今はワイドショー的だったり暴露的で、攻撃になってしまうけれど、この作品はそれを包み込んで隠し、そして笑う。作り手の度量の広さみたいなものを感じますね。


それから、この映画は古さも感じるんだけど、一周して逆に新しいみたいな感じがしました。

例えば、コンピューターなんかでアニメーションを作っちゃうと、どうしてもリアリティがなくなっちゃうでしょう。アニメーションだと、こぶしを大きくするとか、一回溜めてから動くとか、実際にはない動きのはずなのに、返ってリアルになる。そこがアニメーションの魅力のひとつですよね。「王と鳥」の中にも、そういう魅力が至るところにとにかく沢山散りばめてある。そういうところが子供の心を捉えると思うんですよ。


逆に、大人たちが見ても全く違う側面で面白い。例えば、善良に描かれた鳥が、最初は民衆を扇動して革命を起こそうとするが、だんだん胡散臭い存在になってくる。これはちょっと怪しいぞ、こんなところまでも罠のひとつなのか、というかメッセージが見えてくる。

絵の中から男の子と女の子が逃げ出すというアニメーションらしい楽しさはちゃんと押さえておいて、その中にどれだけのメッセージを含めるか。この映画は人を選ばないですよ。大人が見ても十分楽しいはずです。


それと、意外に台詞が少ないですよね。それも絵の魅力というか。全部絵で分からせることがいい効果になっていると思うし、実は高度なことなんじゃないかと。

最近のアニメーションでは、登場人物の台詞で状況を全部説明しちゃうものが多いでしょ。
アニメーションで表現しきれない自分たちの世界観を説明するような台詞が必要になっちゃうんですが、「王と鳥」はまったくそれが要らない。そこがすごいです。


いや、僕は本当に感心してしまいました。結構技術的な部分のみならず、色んなことに反応して驚いてました。

でも、あえて最後に何が言いたかったのか・・・なんてまとめてしまうと、「地位や名誉なんかは物でしかない。形あるものなんて、どうでもよくて、どっちかっていうと、愛とか人を好きになると言う方が大事だ」というメッセージを感じる。

物質的なものをたくさん手に入れるよりも大事なことがあるというメッセージなんじゃないかな。



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