ムゼオ虫

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イントロダクション

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いい子はね 大きくなって 海を渡るよ 救い出すよ
ジンの妖精を ふたりは幸せに

アラビア人の乳母ジェナヌの子守歌で、
まるで兄弟のように育った
青い瞳のアズールと黒い瞳のアスマール。
大きくなって乳母の歌っていた子守歌の国を訪ねるため、
アズールは、遠く海を渡る。
しかし、この国の人たちはみんなが黒い瞳で、
アズールの青い瞳は、不吉の“呪われた目”だった──。
かつて栄華を極めた中世イスラムを舞台に、
「キリクと魔女」のミッシェル・オスロが描く
少年の自立と成長と融和の物語。

海の向こうは、不可思議の国だった。

海の向こうは、不可思議の国だった。

intro_02.jpg アラビア人の乳母ジェナヌに、まるで兄弟のように育てられた、青い瞳のアズールと黒い瞳のアスマール。領主の子アズールは青年となり、幼い頃聴いた乳母の子守歌を頼りに”ジンの妖精“を求めて海を渡る。

intro_03.jpgしかし、苦難の末に辿り着いた憧れの国で、最初に聞いた言葉は「青い目は不吉」。一方、乳母ジェナヌとその子アスマールは、すでに海を渡り、ここイスラムの地で大富豪となっていた。領主の子と使用人の子という関係だったアズールとアスマールは、海を越えただけで何もかも逆転してしまう。

intro_04.jpg 仕方なく盲目のふりをして歩き出したアズールにとって、この国のすべては醜くまた不可解なものばかりだった。しかし、ジェナヌをはじめ、物乞いのクラプー、シャムスサバ姫、賢者ヤドアなど、異国の文化や言語の中で逞しく生きている、個性的で魅力的な人々と出会っていく中で、この国の本当の美しさを発見してゆく。個々の付き合いこそ、人種や民族、文化圏の間にある偏見を乗り越えるための第一歩なのだ。


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 人工的に作られた迷信や誤解によって、異なる者同士が争い合っている世界。様々な違いによって区別され差別される社会構造。オスロ監督は、このような現代にむけて、人々が相互に理解し合い融和していく為の、希望に満ちたこのお話を、とびきり美しくまた面白く語っているのだ。

フランスアニメーション界の鬼才、ミッシェル・オスロ監督最新作!

~美しい色彩と構図の中に隠された様々な仕掛け~

intro_06.jpg 『キリクと魔女』で、フランスアニメーション界最大のヒットを記録した、ミッシェル・オスロ監督の最新作「アズールとアズマール」。本作は2006年にフランスで公開され、『キリクと魔女』を超える160万人を動員する大ヒットを記録した。オスロ監督特有のエキゾチックな色彩美と装飾的な絵画スタイルに加え、3DCGによる人物描写を見事に融合したところが今作の最大の特徴。冷静でリズミカルな場面展開の中には、様々な“対比”が仕掛けられ、観客は何度見ても新たな発見を楽しむことができる。


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 また、アフリカで育ったオスロ監督が常にテーマとしている異文化の問題が、非常に実験的な方法で投げかけられている。未知の国へ辿り着いた主人公の感覚を同じように体験できるように、という理由から、映画の中で語られるアラビア語には、いっさい字幕も吹替も許されていない。オスロ監督が“魅力的な音の体験”と語るように、この物語を見るであろう、多くの子供を含む観客たちに“異文化”を身体で体験することの重要性を込めている。

架空の冒険ファンタジーと実在する世界

intro_09.jpg 物語の舞台は、中世イスラム世界。特に北アフリカのマグレブ地方(現在のモロッコ・チュニジア・アルジェリア)がモデルとなっている。架空の動物や妖精ももちろん登場するが、アンダルシアの建物をはじめ、歴史的建築物や実在する風景もあちこちに出てきている。また、当時、医学も数学も天文学も・・・また芸術も科学技術も、ヨーロッパを遥かに凌駕するイスラム文化が花開いていた時代でもあった。シャムスサバ姫の宮殿にあった天体観測台やヤドアの研究室がその例である。東洋の人々がヨーロッパから輸入したと思っている文化の多くは、そのルーツがイスラムにあったのである。

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 オスロ監督は、ファンタジーの中に実在する風景や歴史的事実を盛り込むことで、観客にこう問いかけている。

intro_10.jpg「この素晴らしい世界は実在するのですよ。
 さあ、出かけていって実際に御覧なさい!」

日本語吹替版翻訳・演出を高畑勲が担当。
個性的なサブキャストの声を香川照之が熱演!

 日本では、「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」「ホーホケキョとなりの山田くん」の高畑勲監督が、「キリクと魔女」に引き続き日本語版監修・翻訳・演出を行った。
アラビア語はオリジナルの音声を生かし、フランス語の部分だけを日本語に吹替えるという非常に困難な作業となった。

両言を話す登場人物の場合、キャストたちは、限りなくオリジナルの声優に近い演技をするだけではなく、その声質や発声方法までも揃えなくてはならない。

intro_11.jpgこの制約の多い難しいアフレコに参加したのは、3年連続日本アカデミー賞助演男優賞に輝く香川照之。
登場人物の中でも最も個性的でグロテスクな役柄クラプーを見事に演じている。
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intro_13.jpgまた、才気煥発、ひときわチャーミングなシャムスサバ姫を、8歳の新人子役、岩崎響が好演している。
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