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2009年12月 3日

【アニメーション業界の方からのコメント】Vol.2

アニメーション業界の方々からの、「バッタ君 町に行く」の応援コメント、続いては、
庵野秀明さん細田守さん神山健治さん磯光雄さん西尾鉄也さんです!


 工事現場のシーンが一番好きです。虫はアニメーション的な大げさな動きで描かれ、人間はロトスコープを使って描かれることで、世界がちゃんと分かれていることがわかる。そしてよりリアルに見えるはずの人間が、なぜか感情を感じられない冷たい存在になっている。この作品は、ロトスコープの持っている方向性をうまく組み込んでいると思います。アニメを作る人はちゃんと見たほうがいい。ただ、これを見てわくわくする人じゃないとアニメーターには向かないんじゃないかな。

アニメーション監督 庵野秀明
『ふしぎの海のナディア』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』


 デートのシーンが好きです。優雅に腕を組んで歩く、細い石畳の隙間。移り変わる信号は、恋人たちを彩るナイトクラブの照明へ。二人が歩く水辺に見えたそれは、叢に打ち捨てられた手鏡。人間にとってたわいないものが、虫たちにとって逢瀬のささやかな舞台となるところに、世界の豊かさを感じずにはいられません。

アニメーション監督 細田守
『時をかける少女』『サマー・ウォーズ』


 人間の勝手な行動に大迷惑の虫君たちは、安全な生活を取り戻そうと、主人公のバッタ君と共に、必死に策を講じる。でもなぜか、他人(人間)任せ。おまけに仲間同士の足の引き合いも始まって……、

 手描きの動画が醸し出すエネルギーとは裏腹に、今から70年近くも前に作られた作品が、何となく今の我々に似ていて、ニヤリ、とさせられました。
 

アニメーション監督 神山健治
『攻殻機動隊S.A.C.』『東のエデン』


 十数年前、南阿佐ヶ谷の電気屋で500円で投売りされていたβ版ビデオソフトを買って何度も見返した。虫たちの小さな世界。人間の足元で繰り広げられる非日常の日常。これだけでもワクワクするのに、ラストのスペクタクルに息を呑む。巨大なもの、重いもの、メカニックを描かせたら間違いなく当時フライシャーが最高峰だった。ラストのビル建設シーンの迫力は今見返してもただ事ではない。フライシャーの映画はまさにメカニック作画のオーパーツだ。
 

アニメーション脚本・監督 磯光雄
『キル・ビル』(作画)『電脳コイル』


 アニメーターという職業をやっていると、先輩・同輩から、「これだけは観ておけ!」と言われるクラシックが何作もあります。
 初期ディズニー、初期東映動画長編、政岡憲三、etc...etc...。
 フライシャー兄弟の作品も、そのひとつです。
シンプルかつスタイリッシュな描線の選択を、いつもマネしたいと目論んでたりしますが、あの高みにはまだまだ到達出来ません。

アニメーター 西尾鉄也
『イノセンス』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』