2003年09月


09月01日(月)
本日から新入社員・中嶋郎くんが出社。朝礼で挨拶をした後、吾朗さんから美術館のコンセプトを教わったり、小林さんから美術館2階事務所の掟を教わったり… 覚えることがいろいろあって大変そう。


09月02日(火)
江戸東京たてもの園で開催されていた「千と千尋の神隠し展」が先月末に終了し、昨日たてもの園にて撤収された展示物が美術館に運び込まれた。担当の田坂さんは一日中立ち会ってかなり疲れた様子。しかし、山のような原画やBGを整理することを思うと、本当の苦労はこれからだそうだ。


09月03日(水)
ショップで販売しているトトロのステンドグラスを、美術館のHPを読んで興味を持ったというお客さまが買ってくださった。ありがとうございます。

スペインのテレビ局の取材を受ける。何でも、現地で日本に関するクイズ大会があり、そこでの上位入賞者がレポーターとして美術館に来ていたそうだ。日本語で「武神」と書かれたTシャツや、日本のアニメキャラが描かれたちょっと変わったTシャツを着ていた彼らの日本に対する知識欲は並大抵ではなく、机さんは感心していた。


09月04日(木)
ケーキハウスの夏服ワンピースと同じ水色ストライプ柄のシャツを着た男性のお客さまが、「似てますね」とスタッフと和やかに話をしていたところ、連れの方が「男性用はあるんですか?」と質問してきたそうだ。もちろん、ありません。


09月05日(金)
若い女性グループが、企画展示室のフィルムボックスの映画「オーニソプター物語」を見たあと、「ひよどり天狗号」のパネルをじっくり見ていた。80歳を過ぎてもオーニソプター作り続けている松田さんの挑戦を見て、「かっこいい生き方してるよね」と話していた。


09月07日(日)
完売につき、本日をもってカフェデッキでの夏季限定ラムネの販売が終了した。
「これが今季最後のラムネです」と川村さんがお客さまに渡したところ、とても嬉しそうに買っていかれたそうだ。

そして「ラムネ販売終了」を無線で聞いた堀口さんは、「今年の夏も終わったな」と一人しみじみと呟いていた。


09月08日(月)
6月から現代美術館で行われていた「スタジオジブリ立体造型物展」が昨日で終了。橋田さんと田中さんは、展示されていたオスカー像の移動ををするため現代美術館へ。心配性の橋田さんは食事の時間を大幅にずらすなど万難を排してオスカー像を受け取りに行き、任務を終えると「何も起こらなくて良かった~」とほっとした様子で帰ってきた。

今週末の連休に美術館で行われるイベント「上條恒彦コンサートinジブリ美術館」の打ち合わせが行われた。現場責任者の深谷さんは、20ページ近い大作の会議資料を休みを削って作っていた。実はジブリの渡辺さんが以前作った資料を参考にしたそうなのだが。「イベントが近づいてきてヒヤヒヤしてきたよ」と深谷さんは語っていた。


09月09日(火)
今月は北嶋さんが決めた外壁美化強化月間のため、今日も高圧洗浄器による美術館の外壁の洗浄が行われた。作業にあたった業者さんは高圧水流によって飛び散る土の粒を体に受けていたので、作業終了後には顔や首が土だらけだったとか。
おつかれさまでした。


09月10日(水)
新人の中島郎くんがいると嬉しそうな深谷さん。少しでも姿が見えないと、「あれ? 朗は?」と探して無線をするが、返事が来ないと「あんにゃろー」とぼやく。さらに郎くんのランチがサンドウィッチ一袋と知ると「大丈夫かよー」と自分のいい加減な食生活を棚に上げて心配をしていた。


09月11日(木)
ショップが本日から新しいディスプレイになった。ステーショナリーや美術館のオリジナルグッズ系、プラモデル系の置き場所が変わった。アルシオーネのモデルキットを手にする女性が以前よりも増えて、「頑張ってつくってみようか」という声がよく聞こえたそうだ。


09月12日(金)
カフェの厨房で、佐藤シェフによる現在企画段階のメニューの料理指南が行なわれた。佐藤シェフがお手本を見せたあと、キッチンスタッフの鴨下さん、小杉さん、田中さんが挑戦。シェフによると「躊躇せず勢いよく調理するとうまくいく」のだとか。スタッフがシェフの腕前に歓声を上げるとシェフが微笑み、日に焼けた顔からのぞく白い歯が妙に眩しかったそうだ。


09月13日(土)
本日より3日間連続で上條恒彦さんのコンサートが開催される。館主の宮崎監督が「後世に歌い継がれていく日本の歌を作りたい」と企画して作られたれた上條さんのCDからの曲を中心に、毎回およそ7曲が歌われた。来場者はコンサート終了後に館内見学も楽しんだ。前日から準備に追われていたスタッフも、コンサート中は歌声に聞き入り、ゆったりとした時間が過ごせたようだ。


09月15日(月)
上條さんのコンサート最終日。出演者の素晴らしい演奏やスタッフの頑張り、そして反省会のおかげもあって、事故などもなく無事に終了。公演終了後の控え室は、すべての公演を終えた出演者やスタッフの笑顔であふれた。
計8公演を熱唱した上條さん、そして演奏者の皆様、本当にお疲れさまでした。


09月16日(火)
「少女の部屋」や「B1女子トイレ」に置かれているドライフラワーの交換作業を行う。北嶋さんをリーダーに、石光さん伊神さん黒木さん飯島さんが参加。用意されたドライフラワーを紐で結わえ、決められた場所に配置していくのだが、全て終えるのに3時間くらいかかったそうだ。新品の色鮮やかなドライフラワーが置かれたことで、前よりも部屋が華やかになった。


09月17日(水)
上條さんのコンサート開催時に、上條さんにサインを書いてもらった CD「お母さんの写真」をショップで販売。 特に宣伝はしていなかったのだが、草野さんが買われたお客さまにそのことを伝えると、「友達にあげます!」ととても喜んでくださった。


09月19日(金)
パティオに枯葉が落ち始めた。秋の足音を感じる今日この頃である。


09月20日(土)
久しぶりに雨が降り館内も少し冷え込んだ。土曜日だったため平日よりも家族連れが多く、ごあんないじょにいた菅野さんはおじさまグループに取り囲まれることに。福島からのお客さまだったようで、菅野さんが山形出身と知ると、とても喜んで質問攻めにしていた。


09月22日(月)
年配のご夫婦が、ラピュタ展のカンブリア号や三大付録を見て「トム・ソーヤー」や「ハックルベリィ・フィン」の世界だねえ…と言いながらじっくりご覧になっていた。あのくらいの世代の方ともなると、展示に対する感慨も違ったものがあるんだなあ、と坂下さんは感じたそうだ。


09月23日(火)
通常は休館日だが、祝日のため開館。天気が良かったため、窓を開けて館内に気持ちの良い空気を取り入れた。

1階女子トイレにかける予定のレース・カーテンの端の処理を、北嶋さんが中島郎くんにお願いした。郎くんはアパレル業界出身ということもあり、手際よく裁縫しているように見えたが、出来上がったカーテンの端はちょっとだけ曲がっていた。


09月24日(水)
11月19日から美術館にて開催されるユーリー・ノルシュテイン氏の展示に関連して、作品上映についての打ち合わせが行われた。日本で見ることのできる機会が少ないノルシュテイン氏の作品を、展示に併せてぜひ上映したいと考えた結果、来年の1月から土星座で上映することに決定。お楽しみに!


09月25日(木)
明日からノルシュテイン氏との展示打ち合わせにロシアへ出張する三好さんが、立て続けに行われるアトリエでの打ち合わせに追われる。午前中は緊張した表情の三好さんだったが、夕方には壊れたのか不気味な笑顔に…。端から見ていた田坂さんはとても不安になったそうだ。


09月27日(土)
10時の回の列の先頭にフィンランドからのご家族連れが並んでいた。日本語が少し話せるようだったので石渡戸さんが話しかけると「ずーっと楽しみにしていました」とのこと。ケーキハウスに入ってフレスコ画に気がつくと、本当に嬉しそうに眺めていた。

ノルシュテイン氏との打ち合わせ第一弾を終えた三好さんは、チェコフスキー博物館を見学。ロシアの児童文学者コルネイ・チェコフスキーのかつての仕事場であったこの博物館に、ジブリ美術館と似た雰囲気を感じたそうだ。


09月28日(日)
ノルシュテイン氏との展示打ち合わせにて、三好さんは、帰国の際持ち帰る描き下ろし作品の確認を申し出たが、「まだできてません」とショッキングな回答をもらう。呆然とする三好さんを「大丈夫、心配要りません」と悠然と慰めるノルシュテイン氏だったそうだ。


09月29日(月)
ロシア出張中の三好さんから田坂さんにファックスが届く。諸々の報告のほか、展示の名称についてノルシュテイン氏より変更案が出された。田坂さんはサンフランシスコに出張に行っている吾朗さんと連絡をとり、三好さんにも連絡。その結果、展示名は「フラーニャとユーラ」展 フランチェスカ・ヤールブソワとユーリ・ノルシュテインの仕事、に決定した。


09月30日(火)
ジブリ広報の鵜飼さんが、ある女性誌に登場した。カラー1ページのボリュームで、仕事ぶりなどが紹介されている。広報チームはみんなでその記事を見ながら感想を言い合っていたが、西岡部長は「掲載誌として5冊買ってこよう!」と誰よりも嬉しそうにその記事を眺めていた。