2014年5月 


5.1(木)

・ゴールデンウィークに入り、毎日館内は賑わっています。ショップにお買い物にやってくる子どもたちの中には、お会計の列に一人で並び、順番が来るのをどきどきして待っている様子の子たちも。レジの順番がくると、小さなこぶしの中でぎゅっと握りしめられていたお金を渡してくれます。ちょっと湿っていたり、温められている小銭を受け取ると、レジのスタッフは特別なお買い物な気がして、大切に受け取るそうです。


5.2(金)

・今年もワゴン販売がデッキで始まりました。ぽかぽか陽気の初日、デッキはラムネやビールをゴクゴク飲むお客様で賑わっています。山川さんはお客様がとても美味しそうに喉を鳴らしてビールを飲む姿を見て、隣に座り一緒に乾杯する自分を勝手に想像していたそう。カフェデッキでたくさんのグループと盛り上がった気分で楽しそうな山川さんでした。
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<こちらがデッキのワゴン>


5.3(土)

・海外旅行中に<外貨の小銭>は使い方に困ることがあります。美術館のお客様も、お財布がパンパンなっている海外の方はチラホラ。そんなお財布を見ると「小銭を減らして軽やかにしてあげたい!」と、おせっかい心がムズムズする菅野さん。ついつい、アドバイスしてあげたくなるそう。お買い物が終わると、少し軽くなったお財布にサッパリした笑顔のお客様。菅野さんも爽やかな気分に浸っているそう。


5.4(日)

・屋上のロボット兵に会いに来た女の子。近くに寄っていくと、気づかずにロボット兵の足を踏んでしまったよう。「あ、ごめんなさい!」と、女の子はとっさに謝っていました。ロボット兵はきっと寛大な心でいると思いますよ。


5.5(月)

・カフェの丸山さんが大量の笹団子の差し入れがありました。実家のご両親から送ってきたとのこと。カフェスタッフはトトロのお土産のように、笹の包みをぶら下げて帰りました。


5.6(火)

・お昼にごはんに電子レンジでカレーを温めていた中原さん。しかし温め時間が長過ぎてしまったのか、レンジ内でカレーが爆発!自分のお昼ご飯の悲惨な状態に呆然とする中原さん。しかしそんな呆然とする中原さんをよそに、サっと現れ、ササっとレンジ内を片付け、サササっと去っていく根本さん。仕事中でもカレーであったとしても、何事にも動じない根本さんに皆が感心。中原さんがハッと我に返った時には、全てがきれいに終えられていました。


5.7(水)

・新緑の季節となり、美術館の外壁もずいぶんと緑の分量が増えています。
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生き生き育つ緑と同じくらい、建物も風合いを増し森の洋館らしさがどんどん育っています。

5.8(木)

・サンクンテラスの"ラワンブキ"が、日に日に大きく育っています。毎日成長を楽しみにしている地下1階のスタッフですが、ここの所、注目の理由が食欲に変わってきているようです。「どう料理したら美味しい?」「煮しめも良いけど蕗味噌も捨てがたい」「雨の日に傘代わりにしておうちに帰りそのまま料理しようよ」などなど。空想が広がっています。


5.9(金)

・まだ初夏の季節ですが、今日は汗ばむ陽気。夕方には突然の雷雨もあり、これから迎える夏の天候が気がかりです。一方で、この季節ならではの元気な顔のものも、出てきました。
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<1年ぶりにこんにちは、ジブリ美術館に住んでます>

5.10(土)

・5月の映像展示室の上映作品は『星をかった日』。映画終了後にカップルの方の会話に耳を傾けると、「どうだった?」との彼に、「この映画の引力に引き込まれたわ!」とすてきなお返事の彼女。「愛の告白みたいだなぁ...」とロマンチストの中原くんは2人の様子にウットリしていました。


5.11(日)

・手に"ミジンコ"のマスコットを握りしめて、「これ下さい。」と、一人でレジにやって来た男の子。たくさんの商品の中からミジンコを選んでくれた事が嬉しくなった菅野さん。自身がエプロンに付けているもっと小さな"ミジンコ"を見せ「同じだね~。」というと、男の子は、はにかんで走り去っていきました。オリジナル短編映画の個性的なキャラクターはスタッフからは人気絶大なのですが、映画を観ないとわからないマニアックな面々なので、選んでくれた小さな子がいると、つい気になってお話したくなるそうです。

5.12(月)

・カフェの中庭で清掃をしていた原さんが、赤松の根本に見慣れない花をみつけました。黄色い小さな蕾を付けた植物なのですが、これまで中庭では見たことがありません。調べていると先週の美術館日誌で井の頭公園の植物で紹介した"キンラン"という花に似ていると気が付きました。どうやってここまで来たのか、誰かに運ばれてきたのでしょうか?
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5.13(火)

・サッカー日本代表のメンバーが発表され、大久保選手がメンバー入りしたと聞きつけたスタッフから、「おめでとう!がんばって!」と、カフェの木村くんがみんなから激励されています。木村くんは大久保選手似で以前から社内では有名なのですが、皆ことさらに嬉しい気持ちになるのでした。


5.14(水)

・日々暑さが増している今日この頃。屋上では、頻繁な水撒きが欠かせません。水を撒いていると、太陽の光が当たり虹が出きました。すると近くにいた女性が、「すごい!これは演出ですよね!?」と感動の声。一緒にいたお友達が「違うよ、これは普通の現象だよ。」とマジメにツッコミを入れていましたが、美術館で過ごすちょっと特別な時間が、自然現象さえも輝かせて感じさせるのでしょうか。


5.15(木)

・閉館後にロッカールームに入ってきた田倉さんが「うそっ!!」と驚愕の声をあげている。私服に着替えた狩野さんと田倉さんが女子ロッカーから出てくると、今度は皆がびっくり。私服がまるっきり被っていたのです。私服が似たイメージになることが多い女子スタッフですが、2人はこの後一緒に夕飯を食べる約束をしていたようで、「なんだかちょっと恥ずかしいねぇ」と照れながらも仲良く一緒に帰って行きました。
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5.16(金)

・カフェでは、休館明けから始まる新メニューのデザートと飲みものが決定し、スタッフ試食会が行われました。展示にちなんだケーキや、夏にぴったりな爽やかなソーダ系の飲み物など数点。なかなか手に入らない食材を使ったデザートとお飲み物で工夫をこらしています。


5.17(土)

・外エリアに配属になり約1年が経つ遠藤くん。日差しを吸収しやすい性質なのか秋田出身にもかかわらず色黒で、最近増々日に焼け褐色の肌に磨きがかかっています。そんな遠藤くんが休憩室のイスに座っている姿を見た中野さんは、「後ろの壁と同化している!」と、目をこすっていました。
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<ここに遠藤くんはいません>

5.18(日)

・カフェの狩野さんが退社されることとなり、この日が最終出勤日となりました。狩野さんはいつも笑顔の元気印で8年間カフェを盛り上げてくれました。この日も朝礼は狩野さんから挨拶があり、涙をこらえながらも「今日も笑顔でがんばりましょう!」とみなに気合いをいれてくれるのでした。朗らかで明るい狩野さんの気遣いに助けられることも多い8年でしたが、本当におつかれさまでした。

5.19(月)

・本日から展示替え休館に入りました。さっそく館内の狭い廊下を、大物が次々に運ばれていきます。
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施設系のメンテナンス担当者も今日から怒涛の12日間がはじまり、新展示初日に向け広報チームも走りまわっています。展示設営チームはもちろんのこと、この期間出勤するスタッフは、静かな館内の中でドタバタなのでした。


5.20(火)

・新展示設営がはじまり、会期が終了した「ジブリの森のレンズ展」の展示物がどんどん撤収されていきます。設営と撤収のあいまに、展示室の留守番をしているものがポツンと座っていました。
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5.21(水)

・メンテナンス休館中、ショップの観葉植物は近隣在住のスタッフが自宅でお世話をする事になっています。しかし今年は市来さんが休館中ずっと出勤しているという噂を聞きつけ、水やりをお願いする事に。植物に触れあっている姿が全く想像できない市来さんですが、「3回くらい水やっといたぞ!」と報告。植物たちは枯れることなく元気に休館を乗り切っていました。

5.22(木)

・企画展示室に宮崎監督がたびたびやってきては、「クルミわり人形とネズミの王さま展」の設営確認をしています。今日は「バレエ劇場」の照明に改善の指示が。たまたま通りがかった北嶋さんが明かりのついたバレエ劇場を見て、「わあーきれい!」と感想をもらすと、宮崎監督は「女性はみんなそう言うんです。...でもタッキー(※滝口さんの愛称)はそう思ってないんでしょ?」とひとこと。滝口さんは何も言っていないので「失敬な...」と不満顔でしたが、皆の笑いを誘っていました。

5.23(金)

・休館中には、普段はできないような大掛かりな作業も行われます。今年は青々と育った木々の中に鉄骨が組み立てられています。
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本日は小雨がぱらついたので明日以降の予定に支障がないか、ちょっとドキドキしながら天気予報を確認する天内さんでした。


5.24(土)

・企画展示室には、美味しそうなものが運ばれはじめました。でも、本当に食べられるのは、このうちの一つだけです。
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<どれが本物かなあ>

5.25(日)

・休館中の18日に誕生日を迎えた西川さん。防災班の隊長としていつも安全を気にかけてくれている彼に、有志一同から贈り物をしたそうです。華麗な手さばきで車の誘導をする西川さんにぜひ持ってもらいたい、と「MY誘導棒」と「MYヘルメット」が贈呈されました。思いのほか、嬉しそうにヘルメットをかぶりポーズをとっていました。
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5.26(月)

・美術館の会議室で伝票のチェックをしていた経理の鵜木さん。そんな鵜木さんを、設備のメンテナンスに来ていたある会社の方が、遠くからじぃっと見つめている。そして、「あの方はもしかして宮崎吾朗さんですか!?」と質問が。鵜木さんは「金庫を見られてるのかと思って眼光鋭く見返してしまいました。」と言っていましたが、そんな目のするどさが吾朗さんを感じさせたのでしょうか。


5.27(火)

・休館明けから始まる、カフェの新テイクアウトメニュー、「ソフトクリーム」。今日はその"巻き方"の練習が行われ、「練習したソフトクリームを食べてください」と渡辺さんから館内へ一斉無線が。仕事の手を止めた人々がカフェデッキに集まってきましたが、「ミルクください」「わたしはいちご」「性格的にミックスを選びます」と意外と嬉しそうな大人たち。汗をかきかきソフトクリームをバクついて一息ついたのでした。
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5.28(水)

・あさって行われる「クルミわり人形とネズミの王さま展」の内覧会のために、イギリスから絵本のイラストレーター、アリソン・ジェイさんが来日してくれることになり、板谷副館長と内野さんが成田へお出迎えへ。彼女の絵本とイラストを用いて内野さんが手作りしたウェルカムボードを、元・航空会社勤務の板谷さんが持ち、万全の体制でゲートで待機します。
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アリソンさんはすぐにボードを発見しとても喜んでくれたそうで、まずは一安心。内覧会に向けて担当の机さんは英会話の予習をくりかえしていますが、この3日間は、いよいよ残り少ない日にちとの勝負となりました。

5.29(木)

・本日は全員出勤日。まず朝から全員が映像展示室に集まり連絡事項が伝えられます。その後、建物の中では、三鷹消防署・杏林大学付属病院の協力のもと防災訓練が行われました。
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一方、広報チームは明日の内覧会の準備に加えて来日中のアリソン・ジェイさんと宮崎監督の顔合わせへと、手分けして動いています。さらに展示チームは夕方からの新展示説明会、いよいよ明日お披露目となる新展示最後のチェック、と、あわただしい一日がすぎて行きました。


5.30(金)

・本日の午後は「クルミわり人形とネズミの王さま展」のマスコミ内覧会。まずは土星座で会見を行いました。テレビカメラも4台入り、小さな映画館土星座の座席は満席です。
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その後「くるみわりにんぎょう」のお話をスライドで上映し、あらすじをご紹介。さらに絵本のイラストレーター:アリソンジェイさんとトライホークス担当石光さんの2人によるトークショーで、さらに理解を深めてもらいました。
アリソンさんの展示の感想は、「自分の絵本がそこに世界として立ち上がりそこに入っていけたかのような、新鮮な感動がありました。宮崎監督がアニメーション、ものの動きを愛していることが展示品を見てわかりました。」とお話してくださいました。
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そしていよいよ、完成した新展示のお披露目。はたして宮崎監督はどのように原作の物語を解釈したのでしょうか。マスコミのみなさんもパネルを真剣に読み解いていました。
この展示のために描きおろされた宮崎監督の絵は、細かなところまでよくみるととてもおもしろいものがいくつも描かれています。つい吹き出してしまうようなユーモラスな絵がたくさんありますので、ぜひすみずみまでじっくりとご覧ください。
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5.31(土)

・今日から休館があけ、「クルミわり人形とネズミの王さま展」も初日を迎えました。小さな子たちは展示室の外から光ってみえる「ガシャガシャ劇場」に吸い寄せられるかのように展示室にとびこんでいきます。女性の皆さんにはオルゴールの流れる美しい「バレエ劇場」にウットリ。「こんなの持ってたわ~」という声も聞こえてきます。そして実際にクルミを割ってみた男の子2人組は、「歯が痛いでしょうなー。」と、人形に話しかけていました。展示室はそれぞれのコーナーがとても楽しげです。