2014年11月 


11.1(土)

・屋上の"要石"をモデルにした、ショップのオリジナル商品「ブロックメモ帳」。お客様から何枚綴りかを尋ねられたので事務所に確認に行くと、石光さんがすぐにコピー用紙の500枚包をひらめくと、小池さんがすぐに束を運んできます。「たぶん1,000枚じゃない?」と並べて比較していると、「うん!800枚だね!」と、貴子さん。「100枚で厚さ1cmで、8cmあるから800枚。」その後、「400枚まで数えたから間違いない!」と、早速現場へ連絡。縁の下の力持ち達の素早い連携プレーに、現場チームは拍手を贈っていました。
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11.2(日)

「待ちに待ったあの子が来た!」と興奮気味の山川さん。カフェデッキに現れたのは"アサギマダラ"という蝶です。淡くて柔らかな色をしたこの蝶は、日本列島を縦断しさらには台湾までと、とても長い距離を飛んでいくのだそうです。「この後はいったいどこに行くのだろう...」と思いを巡らせながら、美術館で出会えた喜びにうっとりとする山川さんでした。
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11.3(月)

・休館前の最終開館日。閉館後、メンテナンスが入る場所などは展示物を移動したり保護したりなど、それぞれに手分けして備えを行っています。しかし、「あ!靴!」「そうだ、牛乳!」と言って途中で立ち去る人々が。休憩室のロッカーや冷蔵庫内も空っぽに片付けなければならないので、私物は今日中に持ち替えらないと処分されてしまう約束になっています。矢澤くんは、置きっぱなしだった靴をごみ箱から涙目で探した過去をふまえて、「僕は今回大丈夫」とのことで作業をてきぱき続けていました。

11.4(火)

・休館を利用して、本日から2日間の研修合宿にでかけました。行き先は河口湖。大型バスを3台連ねての出発です。約100名の参加者が6~8名のグループに分かれ、火をおこしたり、謎解きをしながら宝探しをしたりと、団結していろいろな作業に挑戦する研修プログラム。その際に気づいたことなどを振り返るまでが研修なのですが、体を温めるウォームアップのゲーム「オールスタンドアップ」にかなりの時間と力を使い、残されたわずかな時間での超特急の振り返りとなりました。
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<足の裏を合わせて座った状態から、一斉に立ち上がる「オールスタンドアップ」というゲーム。呼吸を合わせたり手の組み方など、工夫が必要です>
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<宝探しの難問に苦悩中>
普段は話をすることが少ないエリアどうしでも一致協力してことにあたった経験は、今後に活かせそうだと反省会は多いに盛り上がりました。そしてその言葉どおりなのか、夜にホテルで飲み会のあとその場にいた人々が「オールスタンドアップ」ゲームを試してみたところ、たった一度の挑戦ですんなり立ちあがっていました。

11.5(水)

・研修合宿2日目。本日はオプショナルツアーに参加するものや自由行動をするものなど、基本的には全員がフリーで過ごします。この2日間のプログラムを組んだりあちこちから飛んでくる要望を反映したりと、悪戦苦闘だった幹事の西川さん、森田さん、伊神さん、丸山さんの4人の幹事団が、いちばん疲れた2日間だったかもしれません。夕方には全員が無事に三鷹に戻り、美術館が見えてくると本当にホッとしたようでした。

11.6(木)

・いよいよ近づいているクリスマス装飾に向けて、霧雨の振る中、何かを探しに出かけたスタッフたち。早朝に集合しひんやりした森の空気を胸いっぱいに吸い込み、時間を忘れて夢中で収穫にいそしんだそうです。
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<本日の収穫。どんな装飾になるのでしょうか>

11.7(金)

・ガランとした中央ホール。扉から、なにか長~いものが侵入?しています。実際は侵入ではなくて空気排出のためのダクトでしたが、勢いよく空気が通ると動きはじめ、大きなオロチのようにうねっていました。
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11.8(土)

・地下1階の「トトロぴょんぴょん」を上から覗き込む滝口さんと矢澤くん。
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脚立を立ててよじ登り、天井付近から内部の構造をくまなく見ています。今回のメンテナンスで背景画を新調したり、照明やケーブルなども改良されLEDのストロボも新たに調整されたので、確認作業も怠りなく行っている様子。陰で地道な取り組みを続けているのでした。

11.9(日)

・休館中に映像展示室でも奮闘する人々が。短いアニメーションといえども、毎日毎日20回以上も繰り返し映画を上映しているので、変わらない状態をキープするのは意外と大変。いまや貴重となってしまったフィルムでの上映ですが、映像展示室「土星座」の映写機は、まだ現役でがんばっています。
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11.10(月)

・運営の二宮さんとショップの菅野さんは、メンテナンス休館を利用しドイツのデュッセルドルフに行くことにしたそう。「ドイツ」といえばクリスマスマーケット。この話を聞いたクリスマス装飾担当の北嶋さんは、綿密な指令書を二人に託しました。任務遂行すべく意気込んで旅立って行きましたが、まだ本格的なクリスマスシーズンにはちょっと早かった事もあり、納得のいく収穫とはあいなりませんでした。それでも見つけた範囲のものを持ち帰り、北嶋さんに納品する二人でした。

11.11(火)

・メンテナンス休館明けから発売される新商品を並べるために、ショップ内では商品大移動を行っています。須田さん、関根くんペアはかなり大がかりなディスプレイを担当し、ああでもないこうでもないと頭を悩ませ盛り込んでいます。その様子を時折見に来てはササっと手直しする郎店長。二人は、「なるほど~。たくさん置けばいいってもんじゃないんだね。さすが~。」といいながら、お父さんの仕事を見つめる子どもたちのように尊敬の眼差し。その言葉に気を良くして、さらに働く郎店長でした。

11.12(水)

・カフェでは、店内の大規模な床のメンテナンスが行われました。ピカピカになった店内の大掃除から始まり、作業中に移動していた店内すべてのイスを地下から上げたり、木製のずっしり重量感のあるテーブルを店内へ戻したりと、力仕事が続きます。大掃除では床の雑巾がけ大会が始まったものの、20代チームの元気さに圧倒される30代チーム。とあるスタッフは翌々日になって筋肉痛に見舞われたそう。ともあれ清々しくなった店内をスタッフも満喫しながら、さらにお掃除に励んでいました。
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<男手総出>

11.13(木)

・1階の「映画の生まれる場所」では、大きな展示入れ替えがありました。「少女の部屋ー世界をつくるところ」にあった『借りぐらしのアリエッティ』に登場したドールハウスは引き下げられ、壁に貼られたたくさんの背景画には『コクリコ坂から』『風立ちぬ』が足されました。なんだか部屋の雰囲気が一変したよう。私達の生きているこの世界をどのように描くか、どうか素敵な世界であってほしいという思いも込め、大切に考え制作されてきたスタジオジブリ作品の背景画ですが、展示室でじっくりご覧ください。

11.14(金)

・最後の休館日の本日は、全員出勤日。まずは朝から防災訓練がはじまりました。今回はカフェ厨房から出火した想定です。カフェの店内や館内のあちこちにお客様役のスタッフが散り散りになり、各所それぞれが安全を確認しながら避難を誘導します。
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<厨房の前に防火シャッターが降り避難開始です>
10月に入社した新人さんを中心に、消火器の操作など基本的な訓練も行いました。三鷹消防の方の「火が出たぞ!」という合図で一斉に「はい!」と返事をして消火器を手にする新人チーム。「..."ハイ"、は素直すぎだよね」「"消火開始!"の気合が欲しい」と先輩スタッフの声もとぶ中、真剣に訓練に取り組みます。
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<消火中!>
普段事務所につめていることの多い人たちは、館内全部の防火扉が閉まっている様子を見て回り、シャッター解錠の方法を学びました。
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<防火扉を元に戻しています>
そして訓練終了後は、明日の開館に向け館内全部の総点検ぬかりのない清掃で気持よくお客さまをお迎えする準備をして、あたふたと一日が過ぎていきました。

11.15(土)

・今日は、井の頭文化園で行われた「ヤマネコ祭」に参加。快晴だったおかげもあり、園内はご家族連れやカップルなど沢山の人。せっせとチラシを配ったり風船を膨らませたり風が強くて飛びそうなテントを固定したりと大忙し。しかし場所が場所だけに、鳥・動物好きのスタッフは、休憩になるとそそくさと園内のどこかに消えていくのでした。
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11.16(日)

・1Fに配属になった新入社員の吉田さんが、「さきほど将来映画監督になりたいという女の子とお話したんです!感動しました!」と満面の笑みで報告してくれました。吉田さんのあまりに嬉しそうな笑顔に、先輩スタッフたちもひとつひとつの全てが新鮮だった頃を思い出し、「初心忘れるべからず...」とブツブツ唱えるのでした。

11.17(月)

・今年もクリスマス装飾に向けて、休憩室は連日クリスマス工房と化しています。その年のテーマに想像を膨らませながら、装飾物を作ったりそれぞれ工夫をこらしていますが、凝り性の菅井さんは誰もが認める№1のクリスマス職人。その手業を横目で盗み見ながら、「今年はそうきましたか...!」と、インスピレーションを受け、他のスタッフの作業もさらに加速していました。
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11.18(火)

・ある企画のために「くるみわり人形」の上演を観に行った一行。「くるみわり人形」には様々な解釈があるため、主人公の女の子は"マリー"だったり、バレエでは"クララ"だったり、はたまた大人の女性だったり子役だったりと様々です。今回観た作品は、なんと男性が演じ分ける演出。驚きながらもけっして品を失わずに楽しめる、この作品の力に感心する一行でした。

11.19(水)

・カフェデッキで、食べていた飴を口からポロリと落としてしまった4、5歳の女の子。なだめるお母さんに泣きながら「ずっと...楽しみにとっといた...最後の...アメ!落っことして...」自分の気持ちを一生懸命伝えていました。「私は...悲しいです!!悲しいです!」と最後に放った必死の思いに周りの大人たちも可哀想と思いながらも思わず笑みがこぼれました。その後、カフェに入って、出てきた時の満足な笑顔にホッとするデッキスタッフでした。

11.20(木)

・宮﨑駿監督がアカデミー名誉賞で授与されたオスカー像。式典で「美術館に置くのがいいかな」との話でしたので、スタッフもあれこれ頭を悩ませながら待っていましたが、本日とある場所に決定しました。ヒントは、たくさんの映画の仲間が一緒です。オスカー像とその仲間たちを見守るかのように、ラセターさんが製作総指揮をつとめたある短編作品の友人(?)も一緒の場所でジッと見ています。


11.21(金)

・企画展示室のケーキの載ったテーブルの前で、クッキーのイスに座っていた男の子。ご両親に呼ばれていますが、「僕...、お菓子の国、離れたくない...」と残念そう。おいしそうなイスをとっても気に入ってくれたようでした。

11.22(土)

・来週の日曜11/30は三鷹市民駅伝。今年は美術館チームは男子と女子の2チームが参加します。特に女子チームは、エース豊村さんがはじめてアンカーを務めることもあり、期待が大きい様子。深谷さんから「神無月で神様は出雲に行っています。周りの神社に神様はいませんので、駅伝チームは実力で頑張って下さい。」という励ましかどうか微妙なセリフを受けていますが、男子チームは去年より10位ちかく縮める宣言をしたそうなので、両チームともに実力で活躍してくれることでしょう。

11.23(日)

・三鷹で「第5回三鷹コミュニティシネマ映画祭」が行われました。高畑監督の講演もあるということで多くの方々がいらっしゃいました。そんな中、一緒に会場にやってきた伊神さんと菅野さん。待ち合わせて来たのかと思いきや、偶然入り口で会ったのだとか。でもそれぞれ差し入れをもってきてくれ、二人の優しさ(とお菓子)に心和むスタッフでした。
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11.24(月)

・開館前の早朝の時間は、いつも大切なお掃除タイム。いつも居心地の良さを心がけています。そんな美術館にとって大切なお掃除を開館してからずっと支えてきてくれた石田さんが、退職されることになりました。オンステージでもバックヤードでも、陰ながら真摯に取り組む石田さんの姿こそが清らかで、たくさんの人の気持ちを清々しくしてくれていました。長い間、本当にお疲れ様でした。

11.25(火)

・休館日の今日は、朝から2つの設営がはじまっています。ひとつは、この季節を待っていた人も多い恒例のクリスマス装飾。オーソドックスなクリスマス本来の思いを意識した、居心地のよい快適なお家にお客様をお招きする気持ちで、全館が彩られていきます。カフェでは、原さんがクリスマス装飾に使用する「あるもの」を制作。手先の器用さをかわれ夜な夜な職人と化していたのですが、謙虚な原さんは「恥ずかしいからあまり見えないところに飾ってほしい」と話しています。でも出来上がりの良さから、ばっちり目立つところに飾られていました。
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<作業中の原さんと小池さん>
もうひとつ、2Fのギャラリーでは新展示トライホークスの本棚より「長くつ下のピッピ」展を設営。「長くつ下のピッピ」シリーズが執筆されたスウェーデンのような北欧風の額や本棚に、女性スタッフは「かわいい!」と思わず声をあげています。
トライホークスでは本のことや作者のリンドグレーンさんのことなど、勉強も続けています。
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11.26(水)

・クリスマス装飾のはじまった最初の日の夕方は、毎年点灯式を行ってきました。でも本日はあいにくの冷たい雨。暗くなりはじめる頃に止まないかなあ、と期待をしていましたが、結局式は中止し、今年のツリーのライトはそっと灯りました。それでも雨の中でツリーがパッと輝くと、子どもたちは「わあ!どうやって点けたの!?」と、ツリーのもとに駈け出して嬉しそうに眺めていました。
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11.27(木)

・渡邊さんのデスクの横に最近出現した野球バット。野球部監督用のバットらしく、たまに立ち上がったかと思うとバットを握ってみたり、振ってみたり。どうやらまた野球がしたくてうずうずしている様子。「こんな寒い時期に練習出来ませんよー」とぼやく野球部員に、「いや、雪の中でも練習するぞ!」と俄然やる気の監督。なぜか唐突に気合が入り、暖かくなるまで待ちきれないようです。
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11.28(金)

・3年生くらいの男の子が、ギャラリーにて「山賊のむすめローニャ」を熱心に読んでいます。だんたん深くお話に入りこみ、着ていた上着も脱ぎはじめています。ふと気づくと半袖になっていましたが、彼は本に夢中。1時間くらいかけて全部読み終わってから話しかけてみると、家族みんなが本が大好きとのことでした。

11.29(土)

・大量の落ち葉が舞う季節。朝のお掃除でキレイに掃いても、またすぐに降り積もっています。
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木々の葉がスッカラカンになるまで、毎朝山盛りの落ち葉との格闘は続きます。
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<屋上から見た色づく木々>

11.30(日)

・本日は193チームが参加する第23回三鷹市民駅伝大会。爽やかな秋空のもと、選手と各中継所の応援スタッフは朝8時から市役所に集合しています。今年は男女2チームの出場です。1区の走者にキャプテン森田くんと多田さん、2区は小川くんと福島さん。3区に梨子木くんと新人の大塚さん、そして最終4区に関根くんと女子エース豊村さん、という顔ぶれです。
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<恒例の気合いれ>
各選手とも気合充分で、朝9時にいよいよスタート。第一走者の森田くんはこれまでももれなく出場してきた、正真正銘美術館チームのエースなので、上位でくるのではないかと2区の小川くんはちょっと緊張気味。
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<2区走者:意欲に満ちた福島さんと直前に腰を痛め懸念事項の多い小川くん>
ですが小川くん、梨子木くんと順調にタスキをつなぎ、一方の女子チームもフレッシュな20代大塚さんに多田さんがド根性をみせ、最速女子の4区・豊村さんへとずっと順位をキープし続けました。そして市役所のゴール付近に入ってきたアンカーの関根くんは応援の声を意識したのか、ゼッケンナンバーをコールする会場アナウンスで「○○番、○○番...、120番は笑顔でゴールです」と放送されるほど、輝くような笑顔でテープをきりました。
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<ゴール直前で...>
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<なぜかちょっとカメラに振り返るスマイルの関根くん>
数分後に豊村さんはガッツポーズでゴールインし、終わってみれば男子は123チーム中30位、女子は31チーム中なんと5位!という快挙をはたしました。
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駆けつけてくれたOBの宮田くんや吉川くん、そしてあたたかな声援を送ってくださった沿道のみなさん、本当にありがとうございました。