西岡事務局長の週刊「挿絵展」 vol.01 ごあいさつ


 春のメンテも終わり、6月2日(土)より営業再開したジブリ美術館からお伝えしています。今週から、週刊「挿絵展」という連載をはじめることになりました。これから一年間、企画展示にかかわる話題の話を毎週お伝えして、その魅力の一端を紹介することが、館長から与えられた使命です。全部で50回を予定しています。はたして、最後までネタが続くかどうか...?まあ、「借りぐらしのアリエッティ」で運営の市川くんと一緒に277回もブログをやった身です。なんとかなるでしょう。とりあえず、はじめてみます。

 ジブリ美術館の企画展示は、基本は毎年5月から一年間通しての展示として企画されています。昨年は「ねこバスから見た風景展」で、その前は「ジブリの森のえいが展」、その前は「崖の上のポニョ展」でした。どの展示も宮崎監督の作品に関係しているので、ジブリの作品に直接関係ない展示は、4年ぶりといわれます。
 確かに、100年以上前の本の挿絵の展示が中心ですから、そう思うのも当たり前なのですが、展示の安西さんからプランを聞くにつれ、「おいおい待てよ?すごい展示なのかも」と期待値が高まるのを抑えられなくなりました。というのは、宮崎監督の存在がこれまでのどの企画展示よりも感じられるものだったからです。特にテートブリテンでの衝撃の体験のくだりから後半、ミレイの「オフィーリア」についての話は「崖の上のポニョ」の宣伝のときに、繰り返し語られたのですが、そのかげにウォーターハウスの「シャーロット姫」もあったとは。「ポニョ」の宣伝資料を書いていたわが身には聞き捨てならない話なのでした。

 おっと、あまり最初からネタ晴らしするのもどうかと思いますので、次回から順番に展示について、解説をしていきたいと思います。今回は、ご挨拶代わりということで、この辺にします。また来週。

s120605.jpg

「挿絵が僕らにくれたもの」展 ―通俗文化の源流―」は、ジブリ美術館企画展示室で開催中です(なお、ジブリ美術館は日時指定の予約制です)。