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GIORNALE DEL MAMMA AIUTO! 【ジブリ美術館ペーパークラフト】~マンマユート便り vol.7

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20141201s1.jpg 12 月になりました。すっかり寒い日が続いていますが、ショップ店内は冬も熱気で包まれています。
クリスマスを意識した飾り付けで、小さな村のお祝いのような、温かみのある雰囲気になっています。
ツリーやガーランドに混ざってクルミ割り人形たちも凛々しく立っていますので、お買い物の合間にみつけてみるのも楽しいかもしれません。
ブランケットやパーカーなど冬の商品も揃っています。是非お立ち寄りください。


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自分で建てるジブリの建物―――みにちゅあーと【ジブリ美術館ペーパークラフト】

ショップ〈マンマユート〉では、美術館そのものを
ミニチュアで精密に再現できるオリジナルキットを販売中です。
三鷹の森の緑に映えるカラフルな外観、屋上庭園の展示物などを鳥になった視点でながめると、
見えなかった場所や複雑な構造に気づかされ、
美術館の建物そのものの魅力を再確認できます。

色とりどりの厚紙にレーザー加工で切り抜かれた部品の数々は
ため息がでるほど精緻ですが、
紙素材ならではの優しい感触が指先に伝わります。
精巧に再現できる小さな組み立てキットが、
静かに、そして確かにファンの皆さんに浸透しています。

今回は、制作する側はもちろん、買った人の創作魂をも揺さぶる
この[みにちゅあーとキット]シリーズを取材しました。

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▲ジブリ美術館オリジナル[みにちゅあーと] 組み立てキット...¥20,000(税別)/完成版...¥82,000(税別)


スタジオジブリ作品の劇中に登場する主人公が暮らす建物の数々は
どれもそこで暮らしたくなる不思議な魅力にあふれていますね。

外観はもちろん、登場人物たちが生活する室内の間取りまで可能なかぎり再現したミニチュアは、
教育や研究に使用する古建築の復元模型などを手がける
〈さんけい〉さんの培ってきた、確かな技量あってのものでした。
美術館だけでなく、ジブリ作品の数々もシリーズ化されている[みにちゅあーとキット]。
スタジオジブリ作品のキットは、すでに30種類以上になっています。
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▲左:みにちゅあーとキット[サツキとメイの家]など  右:▲組み立てを優しくした新シリーズ[スタジオジブリmini]

京都にある本社を訪ね、代表の勝見文子さんにお話を伺いました。
20141201s5.jpg【勝見 文子(かつみ あやこ)さん】
株式会社さんけい・代表取締役。京都市出身。
インテリアデザイン、建築等を学び別会社に就業したが、
父・健二氏の後を継ぎ〈さんけい〉の二代目社長に就任。
しなやかな発想でそれまで培った博物館模型の技術を
紙の模型キットへと転換、
[みにちゅあーとキット]シリーズを軌道に乗せた。


歴史復元模型で磨かれた確かな技術

最初に、[みにちゅあーとキット]を手がけられるまでの歴史をお聞かせください。

勝見  もともとは私の父が創業した会社で、今年で51年目になります。
家具職人が集まって模型を作るようになった、と聞いています。
ですから、木の加工が得意なんですよ。
現代建築のビルなどを手がけるほかの模型屋さんは、
実際の木を使うことが少ないんです。
木を扱って寺社などの古建築の模型を作れる所はおそらく日本でうちくらいかも......。

県立・国立博物館の建設ラッシュとともに、展示用模型の需要は増えていきました。
博物館用の模型というのは、単なる「模型」ではなくて、
資料や文献をひもとき、時には専門家の先生や研究者の監修を受けながら、
その時代における工法を正確に復元した、
学術的な立体資料としての模型なのです。

そこから「博物館模型のさんけい」と呼ばれるようになりました。
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▲これまで手がけられた[昭和の京都の街]や[茅葺屋根の家](じつは勝見社長の生家だそう)独特の構造がよくわかる。

その技術は今もいかされており、
ジブリの立体建造物展』に展示された[宗介の家]、[大岩家]、[グーチョキパン店]などの模型は
〈さんけい〉の職人さんが塗装・装飾前の建物の造形を手がけました。

20141201s10.jpg 20141201s11.JPG 20141201s9.jpg©Studio Ghibli
▲『ジブリの立体建造物展』に展示された数々の模型。[宗介の家][大岩家]は1/50スケール、[グーチョキパン店]は1/35スケール。
窓枠の丸み、柱の角度などは販売用キットよりも強調されて制作された。おもに木材が使用され金属や樹脂なども併用されている

 ※『ジブリの立体建造物展』の模型を担当した西村さんの話はコチラ作り手のこぼれ話


職人たちの葛藤と喜び

やがて高度成長の時代も終わり博物館建設ラッシュもひと段落。
歴史復元の模型はこの40年の間に判明した研究成果を加える作業などに移行してゆきました。

展示用模型の"木"の素材から、"紙"でできた[みにちゅあーとキット]をはじめる
きっかけはなんだったのですか?

勝見  模型を作る楽しみ......見るだけではなくて
作る楽しみも感じてもらえたらなと、
わたしたちが築いてきた精度をなるべく落とさずにエッセンスを残しながら、
作りやすい商品を作っていこうということではじめたのが、
[みにちゅあーとキット]なのです。

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お客様の身近な道具で簡単に作れるようにということで、
自然に近く温かみのある紙という素材を使い、
部品も機械で全部カットしています。

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▲レーザー加工で精密に切り抜かれた部品の数々

紙ですからにおいも埃もなく、手触りがやさしいですね。しかし、職人さん
たちにとまどいの声はなかったのですか?

勝見  それまでは木の葉っぱ一枚だって、自分たちで樹脂で形を作って
色を塗り感じを出して、精巧に作っていたんですからね。
「屋根は樹脂で立体感をだすものでしょ?」「そんな既製品の色の着いたものを使うなんて!」 
という感じでした。
だから最初は抵抗にあってなかなか作ってもらえなかったんですよ(苦笑)。

でも紙ならではのシャープさや精度さを活かした表現もあるんです。
例えば屋根についていえば、精度の高い印刷出力で
まるで立体でできたように表現することができるようになったんです。
職人さんといっしょに見比べて検討を続けて、
みんな最終的に納得したんですね。
これすごい! じゃあ紙でいこう、ということになりました。
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▲油屋の屋根部分。一枚の紙でできているが立体感やムラが表現されている

そうだったのですか!

勝見  博物館模型という緻密さや正確さを追求するガチガチした仕事しかしてこなかった私たちが、
一般の人たちに楽しんでもらおうとやっているうちに、こちらもドンドン楽しくなってきてしまって......(笑)。

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▲油屋の暖簾をめくると...。一見気づかないような箇所にも遊び心をプラスするこだわりが

 ※『油屋』の模型を担当した鎌田さんの話はコチラ作り手のこぼれ話


映画こそが復元資料

今まで精密な復元模型を作られていた職人さんの技術というか
《ものづくり》へのこだわりが[みにちゅあーとキット]シリーズにも活かされているんですね。

勝見  そうですね。復元模型だけでなく紙でできた[みにちゅあーと]であっても
細部にこだわりますね。

絵であるアニメーションから、建物を立体に起こす作業というのは
どういうものなのでしょうか?

勝見  博物館用の展示模型などは様々な資料を基に再現しますが、
スタジオジブリみにちゅアート作品の場合は、ジブリ作品の映画全部が復元資料なんですね。
それをDVD やムック本の中の色んな場面とにらめっこして、設計図を起こしていくんです。
キャラクター設定とか、どこかに大きさが書いてあったら、
それをサイズの基準にして全部図面化していくんです。
だから、まさしく《アニメーションの復元模型》なんです。
博物館の模型を復元していくのと同じことをやってるんですね。
だから放っておくと、みんなもうどこまでも、限りなく作りこんでいってしまう(苦笑)。
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▲壁がすべて参考資料や設計図で埋まっているそう

しかしそのぶん、キットの精密度合いは高くなり、組み立ての難度も上がって
いってしまいますね。

勝見  予算と納期がこれくらいだから「はい、ここまででストップ」、というのは
したくないんですよ。納得できないものを出してしまうと、結局は後悔になってしまいますから。
......「作り込み過ぎはよくない」と言いながら
「後悔するようなことはしたくない」と言って
職人さんたちは「どっちやねん(笑)」と思うこともあると思いますけど(笑)。
ちょっと採算が合わなくても何か理由をつけてね、自分自身を納得させて仕事にとりかかる、
というふうにしているところも正直あるんですよ。


小さい世界への憧れを形に

実際に拝見しているとすごく緻密にできていますが、
緻密なだけではなく、草や木があったりと、生活感も感じることができます。

勝見  そういっていただけると嬉しいです。
建築に興味がある人は少ないんですよ。建築からは誰も入らないです。
博物館模型でもなんで人が集まってくるかというと、
自分たちに親しみのある生活に興味を持ってぐーっと引きこまれていくんですね。
建物はそのずっと先ですね。[グーチョキパン店]を試作して監修を受けた時も、
「お花を咲かせてみては」とご提案いただき、それで植物を置くようになりました。
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なるほど、やっぱり意識されていたんですね。
『ジブリの立体建造物展』の図録で宮﨑監督も書いています。
"僕は建物に対する興味というよりは、建物の中に入っている人間のほうに興味がある"と。

勝見  ジブリ美術館のお仕事を依頼されたときに、現地に下見に行きました。
そのとき、緑が多いことや建物自体の色や形など、
そういったものが絶妙なバランスで存在していると感じたんですね。
建物を精密に再現するのは当然ですが、
そこにある空間そのものを小さくしようと思ったんです。
だからジブリ美術館のキットには、植栽のパーツがすごく多いんですよ。

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▲1/250スケールのジブリ美術館キット。緑は色砂やパウダーが複数色使われている

私たちはふだん鳥の目で俯瞰することはありませんが、ミニチュアに入り込むと
「え~っ」という発見がいっぱいありますね。
たとえば[ジブリ美術館]ですと外壁が色で仕切られているじゃないですか。
それが地下から屋上と段差になっているところがちゃんと色が分けられているんですよ。

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▲白とオレンジの境目は階層が変わってもつながりがある

勝見  そうなんです。小さくなると、見えていても気がつかなかったところを
発見することがあるんです。
模型って全部、出てくるんですよね。
図面ではわからない部分、隠れて重なっているところは
模型にすることによって初めてそれが明確になってくるんです。

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 ※ジブリ美術館の模型制作を担当した日下さんの話はコチラ作り手のこぼれ話


手作りの喜びをこれからも......

今後、どんな商品を作っていきたいですか?

勝見  難しく作るほうが簡単でいくらでもできるんです。
いかに簡単に、いいものを作れるようなキットを開発していくかがいちばん難しいですね。
つまらなくならないように、いかにはぶいていくか。
そしてそれをお客様に感じさせないようにやっていきたいですね。

復元模型に対する考証主義とまったく反するやり方ですね。

勝見  ええ、復元模型と違ってこちらは、堅いことを言わずにもっと楽しく、
みんなの気持ちが豊かになるのを重要視しないといけない......。
共通しているのは漢字の「模型」という二文字だけです.

でも意味がぜんぜん異なるということを、何年かやりながらわかるようになってきました(笑)。

町の模型屋さんでは、最近は完成品に近いものしか売れなくなって、
ものづくりをする人が減ってきていると言われています。
でもそれはすごくよろしくないなと思ったんですね。
やっぱり手を使っていろんなものを作っていくというのは人間の感性を育ててあげて、
あらゆるものの想像力を豊かにするためにすごく大事なものだと思うんです。


なるほど、その通りですね。
勝見社長や開発スタッフの皆さんの楽しんで取り組む姿が、
紙の温かみと相まって多くのお客様に伝わっているのだと思います。

今日はありがとうございました。
(2014年10月28日、京都市右京区・株式会社さんけいにて)





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今回ご紹介するのは上映中の短編映画、『パン種とタマゴ姫』にちなんだ商品です。


「タマゴ姫ぬいぐるみ」 ... 680円(税別)


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バーバヤーガの魔法で召使いにされてしまったタマゴのお姫様。パン種と出会ってバーバヤーガの住む水車小屋から脱出します。ころんと丸くて小さなあたまに小さな手足。見ているだけで癒されます。ストラップになっているので、ぜひ一緒に外に連れていってあげてください。

「パン種 ぬいぐるみ」 ... 1500円(税別)

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タマゴ姫にこねられたパン種は、月夜の晩に命を宿します。白くてふわふわしたからだに、ブドウの瞳とリンゴの鼻。パン種なだけに、変幻自在に形を変えながらタマゴ姫を守ります。映画をご覧いただくと、そのなんとも言えない魅力の虜になってしまうことでしょう。

「ソルト&ペッパー」 ... \2,800(税別)

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タマゴの王さまと王妃さまのソルト&ペッパー。王さまと王妃さまは映画のラストシーンに登場し、パン種とタマゴ姫の旅立ちを祝福します。テーブルにおいておけば、幸せな気分になれそうです。ぜひ楽しいお食事のお供にいかがでしょうか。

※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。