1999年12月


12月01日(水)
今日、明日で大きな木を移植するため、専用の機械を搬入する。北嶋さんは立ち会いをするために5時半に現場入り。さっそく、大きな木の移植が行われる。移植の工法は、ほとんど木を傷めない特殊な機械を使ったもの。あまりの雄壮さにしばし感動。


12月02日(木)
大物の移植工事2日目。今日は私も工事の様子を見に行く。今回の移植樹木の中で一番大きな木の移植だったのだが、巨大な木を持ち上げ、動かす迫力は想像以上。雨の中、時間がたつのも忘れて見続ける。


12月03日(金)
午前中、プリントアウト打ち合わせ。候補に挙がった紙をさらにしぼり込み、もう一度テストプリントすることになる。

10時から試写室にスピーカーのセッティング開始。昼過ぎには組立が終わり、調整を始める。


12月04日(土)
昨日に引き続きスピーカーの調整。


12月06日(月)
宮崎監督が山小屋へ旅立つ。

今日も引き続きスピーカーの調整。


12月07日(火)
今日も引き続きスピーカーの調整。


12月08日(水)
小葉松さん、橋田さん、吾朗さん、安西さんの4人で、美術館ロゴマークの打ち合わせ。

セキュリティー会議。美術館のセキュリティシステムはねずみ一匹見逃さないほどの厳重警備らしい(ほんとかな)。その内容を知っている吾朗さんが「今日から私も立派な侵入者。」とつぶやいていた。

今日も引き続きスピーカーの調整。


12月09日(木)
スピーカーの調整が終わり、夜11時過ぎから解体作業が始まる。終わったのは夜中の1時過ぎ。今回の結果をもとに、4月以降に2回目に調整に入る。

小葉松さんが、フリーズドライされたイチゴの宇宙食を買ってきてくれたが、評判悪し。(私は結構美味しいと思ったんだけど)西方大輔にいたっては「俺は宇宙へは行かん。」とのこと。

午前中、ジブリミーティング。北嶋語で言うのならば、略してGMか。忘年会の話から、「もののけ姫」海外公開の話まで盛りだくさんの内容だったらしい。

ウイルス等の問題で、○○○○○○の使用禁止令が西方さんから出される。使っていたのは吾朗さんと安西さんの二人だけ。二人ともぶつぶつ文句をいいながら、別のアプリケーションに移行しようとするが、結局上手くいかず西方さんが全て行うはめに。


12月10日(金)
午後から建築打ち合わせ。建物の構造等について話合う。

パ○ラ○ボ○○に使う絵を描くために、美術からポスターカラーを借りてくる。

樹木移植作業は本日で終了。


12月11日(土)
二日酔いから復活した小葉松さん。イメージボードを持ってきては「これはTシャツに使える」「これはフォトフレームにどうかなあ。」とグッズのアイディアを考えるが、まさに完全復活。

安西さんは、パ○ラ○ボ○○の絵の描きおこし作業。

吾朗さんと北嶋さんは、建築打ち合わせ。


12月14日(火)
終日倉庫で、イメージボード等の保存、整理作業。


12月15日(水)
11時、○○○○○来社。展示室の白模型に天井をつけてもらうようにお願いする。しかし、模型を見ると今更ながら、展示室の狭さを実感してしまう。

午後は、年賀状の宛名ラベルを作るために、西方さんとファイルメーカーをいじるが、なかなか上手くいかず。


12月16日(木)
奥井さんと○○○の打ち合わせ。

建築打ち合わせ。

ロ○○ト○の制作をお願いしている○○さん来社。現在は、試作の模型を作りつつ、材料集めをしているとのこと。


12月17日(金)
夜遅く、物音がするので、下に降りてみると知らない男の人がいてびっくり。二馬力から非常発信電波が出ていたため、原因を調べにやってきた警備会社の人だった。原因不明の電波故障よりも、知らない男の人が、いつのまにか建物内にいたことの方がよっぽど怖い。頼むからインターホンぐらい押して。


12月18日(土)
今日はジブリグッズのファミリーセール。会場はバーと会議室なのだが、人気商品があっという間に売り切れてしまうため、慣れた人はコーヒーを飲みつつ、どこにどの商品があるのかをあらかじめリサーチしている。今年始めて参加する橋田さんは数分出れたため、目当ての商品は手に入らず。本当にあっという間の出来事であった。ちなみに制作のスケジュールボードには、今日は「戦争」と書かれていたとか。

美術館用作品初のプロジェクターラッシュが行われる。

先週からの日誌を書きためてはいるものの、清書をしていないため、なかなかのせられず。田中さんにも「更新はまだですか。」と言われ続けたこの一週間だった。これからはまめに更新しようと、何回目かの誓いをたてる。


12月20日(月)
午後、「風の谷のナウシカ」のナウシカ、トリウマのフィギアを作っている人が来社。アートボックスの紹介で、作品を宮崎カントクに見せに来たのだ。異素材を組み合わせた新しいフィギアで、それを見たカントクは「ここはこんな作りだったんですね。」と感心していた。


12月22日(水)
某ゼネコンを呼んで、見積のための図面渡しが行われる。やっとここまでたどり着けたかと、感慨にふけることしきりの盛田さん。来週にはまた海外逃亡するらしい。図面渡しを無事終えた、建築設計会社の某氏と造園デザイン会社の某氏は、朝まで新宿で飲んでいたらしい。ご苦労様でした。

夜は二馬力にて、篠原さんお手製のケーキや料理で、ちょっとはやいクリスマスパーティ。篠原さんには、日頃からいろいろな料理を作ってもらい、ムゼオの飢えを満たしてもらっていたので、感謝の意を込め、みんなで花束を贈る。この花束が今まで見たことのない、まるで竜の顔を形どった花束で、ひとしきり笑いの種になる。ああ、みんなにも見せてあげたい。


12月24日(金)
2000年問題があるため、ムゼオでも西方さんから「一応ファイルのバックアップをとっておくように。」という指令が出される。が、ムゼオ内では 2000年問題に対して心配している人はほとんどいない。西方さんも「まあ、自分のパスワードを人に聞くような人たちですからね。何かあっても、自分で復旧することもないだろうし、バックアップは必要ないかな。」と一言残して、南米に旅立ってしまった。旅する男、西川大輔今日も健在であった。

今日はクリスマスイブ。ジブリからクリスマスケーキが支給される。そして、いつもよりみんな早く帰る。


12月27日(月)
三鷹市と今年最後の打ち合わせが行われる。来年もやることが山積みだと再確認。

今日で仕事納めの盛田さんは、本当に楽しそうだった。

宮崎カントクが購入した絵を持って、井上直久さん二馬力に来社。かなり大きなサイズの絵なので、万が一宮崎邸で飾る場所がない場合、美術館への寄贈をお待ちしています。


12月28日(火)
午後は地下1階展示室の展示物打ち合わせ。ト○ロピ○ンピ○ンの試作品が出来上がった。縦の動きが、横に流れてしまうという心配をしていたのだが、きちんと縦の動きが見える。検討課題はまだたくさんあるが、これは実現するだろうと確信。

パ○ラ○ボ○○の絵柄、ほとんどを安西さんが描きあげたのだが、空の部分はエアブラシが必要なため、ジブリ美術部にお願いする。