2011年11月


11.1(火)

・カフェで始まる新メニューが、いよいよ固まってきました。木村くん発案の新しい飲み物の説明を受けると、"夜明けの"とか、"太陽のイメージの"、など、どことなく彼らしいロマンチック言葉が並んでいる。見た目にもある工夫がなされて、華やかな仕上がり。木村くんが女性に向けて飲み物を出す姿を想像してしまいましたが、本人いわく、「小さい子の笑顔を期待しての仕掛けです!」とのことだった。
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<自らも試飲中の木村くん>


11.2(水)

・ショップスタッフの制服が衣替えし、冬服にチェンジ。暖かな印象のチェック柄は、やわらかいふんわりした印象で、にこやかな女性スタッフによく似合っています。ためらいなく声を掛けられそうな雰囲気なので、ぜひ話しかけてみてください。


11.3(木)

・企画展示室内の『千と千尋の神隠し』の屋台では、のれんに誘われて座るノリの良いお父さんたちから、「おねーさん!生くださーい!」と、女性スタッフへビール注文のパフォーマンスが始まることがあります。そして今日はユニークなお客様がまた1人。海外からの男子学生で、のれんをくぐり、「マダ やってる?」という言葉をしきりにくり返し、使い方を習得しようと猛練習。その語り口からみて、もういつでも実践可能ですよ、と太鼓判を押したい伊神さんでした。


11.4(金)

・ショップの店内にて、BGMの『崖の上のポニョ』を振り付きで歌い始めた小さな女の子。歌い終わると、パチパチパチ、と自らを満足そうに拍手喝采。周りの大人たちからもつられて拍手がわき、女の子のショーは終了。とても充実した、満ち足りた笑顔で帰っていきました。


11.5(土)

・そろそろ風邪の流行が心配される季節。健康対策に余念のないスタッフたちは、いかに体調を崩さないようにするかを考えています。そんな中、元気なのが映写技師の岩井さん。70代にして、ほとんど体調を崩すことがない毎日です。秘訣を探るスタッフは、岩井さんがいつも食べているバナナに注目。影響を受けおやつにバナナを持ってくるスタッフが日に日に増え、そのスタッフを見てさらにバナナ派が増加中。入れ替わり立ち代り休憩するスタッフですが、今日は同時に4人が並んでバナナを食べている情景が生まれていました。


11.6(日)

・午後、ポトポトと降り始める雨。小さい子が1人、雨に濡れながら、カフェデッキの木の根元にしゃがみ込んでいます。「濡れちゃうよー」と近づいてみると、「ねぇ、カタツムリがいたよ!」と、お日さまのようなスマイルで教えてくれました。


11.7(月)

・休館に入る前の、最後の開館日。長期不在になるスタッフも多いため、荷物の整理や持ち帰りも促されています。某スタッフの机にはこんなメモが貼られていました。
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明日からは、館内のあちこちでいよいよ大掛かりな手入れがはじまります。


11.8(火)

・休館日1日目の今日、さっそく扉の塗装や床のワックス掛けなど、時間が必要な作業がはじまっています。一方、お休みに突入した一部のスタッフは、恒例行事・社員旅行へと旅立ちの準備。...と、いうものの、今年は一泊二日で行き先も横浜なので、毎年泣く泣く留守番に回る展示や施設の担当者も、夜には合流がかないそう。なかなかの過密スケジュールですが、横浜にて、無事に顔を合わせることができました。しかし翌日からは長いメンテナンス本番が始まるというのに、横浜の夜をたっぷり満喫し、明るくなってから三鷹に直行したツワモノもいたそう。


11.9(水)

・社員旅行二日目は、それぞれ思い思いに行動し帰路に着くのが慣例となっています。朝早く遠出する者もいれば、のんびりチェックアウトをして食事をしたり。平日の横浜の街はまだ人影もまばらで、散歩には持ってこいのさわやかな朝です。小林さんが帷子川のほとりをのんびり歩いていると、後ろから「何やってんの~!」と、地元住民のようないで立ちの深谷さんに出くわしてびっくり。「俺はマリノスの様子を視察に行ったんだよ。絶対厚樹がいると思ったのになあ。」と、横浜でも三鷹でも変わらない、見回り隊長としての行動派っぷりを披露して去って行った。ちなみに、後から厚樹さんにその日の行き先を尋ねると、「深谷さん、ヨミが甘いですね。僕はその頃横浜FCでカズと握手してましたよ。ふふふ。」とつぶやいていた。


11.10(木)

・11月のスタジオジブリ発行「熱風」の特集は、追悼・山﨑文雄 元事務局長。届いた途端に手に取る者が大勢いました。深谷さんはじっくりと熟読し、「山﨑さんだなあ~」と独りごちながら、自然と表情を緩め読んでいました。


11.11(金)

・地下1階の展示室では、今日も大掛かりなメンテナンスが。そっと取り外し、油を差したり動作を確認されている「あるくの大すき」のメイちゃんです。
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<3人がかりで、そ~っと...>
この10年間ずっと歩き続けている(?)働き者ですが、大切に手入れをされて、これからまた快調に歩いてくれることでしょう。


11.12(土)

・11/27に行われる、三鷹市民駅伝大会。ジブリ美術館チームも、男女ともに参加予定です。過去何度も出場していますが、今年は若い力として、運営の小川くんや相川さん、ショップの阿波谷さん、カフェの多田さんたちに期待が寄せられています。今年が2度目の出場になる関根くんは、閉館後に福島さんに練習につきあってもらい、「なんとか(福島さんに)勝ちました。」とのこと。本番まで、あと少し。ユースもアダルトもがんばっています。


11.13(日)

・メンテナンス隊は一日中ところ狭しと動きまわり、肉体労働が続く日々。「今朝は武蔵境まで寝過ごした」だの、「昨夜は終着駅を折り返した」だのと、スタッフは毎日武勇伝を披露しあっている。しかし、大口さんは「夕飯食べないで寝た」天内さんは「僕は帰ってから娘を風呂にいれた」と、だんだんと関係のない事で大変さを競いはじめ、"苦労自慢"にやっきになっていく。でも毎日千葉から約2時間かけて通勤する山浦さんには、誰もが完敗を認めざるをえないのでした。


11.14(月)

・地下1階「動きはじめの部屋」にある、壁に映像を映し出す「ミニシアター」。この音響を出している部分に、大掛かりなメンテナンスが入りました。いつのまにか少しずつこもってしまった響きを戻そうと、あれやこれやと手を焼いています。音を出す信号を読み取るセンサー部分や、センサーで受け取った光を変換し、真空管アンプへ送るためのアンプ部分の交換が行われました。設置された7年前からこの音を聞いているスタッフは、当時を思い出しながらじっくりと音を再確認。「クリアになった」「音が広がった気がする!」と違いにしみじみとしている。映画のフィルムは、音がでる信号がついて、現在のような音付きのスタイルになりました。通称「あさがおスピーカー」から聞こえる、クリアになった音。ぜひ聞いてみてください。


11.15(火)

・山本くんが20代最後の誕生日を迎える。1日遅れでケーキにろうそくを立て、出勤していたメンバーのみでささやかなお祝いをする。ケーキに対して大きいサイズの「29」のろうそくに恥ずかしそうな山本くん。市来さんから「20代と30代は体の調子も全然違うから、頑張れ。」と、アドバイスが贈られていました。


11.16(水)

・クリスマス担当のショップの阿部さんは、ディスプレイに使えそうなグッズを見つけようと、社員旅行中に〈「コクリコ坂から」~横浜マリングッズツアー~〉をしてきたそう。手書きのオリジナル旅のしおりを手に、準備万端で挑んだ様子。その戦利品がショップの店頭を彩るのは、11月30日(水)からの予定です。お楽しみに。


11.17(木)

・今日は大物がどんどんやってくる。サンクンテラスには大きなクリスマスツリー、2階ギャラリーには新しい展示物など、各所で設置作業が広がっています。今年のモミの木は、葉の付き方のバランスがよいらしく、調和のとれた美しい枝ぶりとのこと。装飾がはじまるのは少し先ですが、28日(月)までは生のモミの木そのものを楽しめそうです。
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11.18(金)

・今日はスタッフ全員が出勤し、「NBCテロ対処訓練」が行われました。(※NBCとは、Nuclear(核)、Biological(生物の)、Chemical(化学の)をあらわしたものだそうです。)館内で不審な液体が倒された想定で、三鷹警察署・三鷹消防署・警視庁の皆さんと、朝から訓練がはじまりました。お客様やその救護に駆け寄ったスタッフも倒れた、というシナリオで、通報、化学防護部隊の到着、立入禁止区域の設定から除染作業、安全確認と、緊張が走ります。
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<救出訓練の様子>
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<除染作業>

その後は、AEDを使用した救護訓練、さすまたの使用方法、護身術、と訓練が続きました。
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"さすまた"の使い方の指導を受ける二宮さんは、緊張からか考えすぎか、①振り下ろし、②突く、という、この簡単単純な動作がなぜかこんがらがってしまい、「畑に鍬を入れている人」とささやかれていました。反省し、"さすまた"と親しまねば!と思った二宮さんは、さすまたに「さすま・たいぞう」という名前をつけ、周りのスタッフからますます不可思議な目でみられながらも、その後もさすまたと親しみを深めている様子です。


11.19(土)

・カフェのデッキにはテントとストーブが設置され、落ち葉の量も変わってきました。今日から秋の美術館が再オープンです。


11.20(日)

・秋も深まり、落葉隊出動の季節がやって来ました。今年は隊長天内さんが、見習いとして高田くんを任命。「目指せ隊長!」のスローガンのもと(?)朝早くから落ち葉掃きにいそしむ高田くん。...だったが、肝心の落ち葉のピーク期が、今年は例年に比べずいぶん遅いよう。やがて来る本番に向けて、精進を続けています。


11.21(月)

・12時の回にちょっと早めに到着されたお客様が、待っている間に葉っぱや草をつかった手製バッタをつくってくれました。まるで本物のようなできばえに、見せてもらったスタッフはビックリ仰天。大切に机に飾っていました。
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11.22(火)

・今年も三鷹市民駅伝の選手用オリジナルTシャツを作成しました。福島さんはお休み返上で会議室にこもり、職人ワザを駆使し仕上げてくれました。選手8名はこの愛のこもったTシャツを身にまとい、27日の本番で三鷹市内を激走してくれることでしょう。
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 <テーマは"サムライブルー・日本代表"です>


11.23(水)

・19日から始まったカフェの新メニュー。喫茶室の『お日さまのクリームソーダ』は、悩みに悩んで完成した、木村くんの力作です。シロップに使われているハーブティー「マローブルー」は、"うすべにあおい"という紫色のかわいいお花で、痛めた喉を楽にしてくれるといいます。召し上がるときにはシロップを混ぜていただくのですが、混ぜるとある変化が起こります。スタッフはそれを木村くんが起こすマジック、略して「キムマジック」と呼んでいます。キムマジック、ぜひお試しください。
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<こちらがマローブルー>


11.24(木)

・クリスマス装飾チームは、来週からの開始に向けていよいよ佳境をむかえています。夏の終わりからコツコツ準備をしてきたものを一つ一つ確認しています。クリスマス隊長の藤原さんに、制作物を菅井さんが袋から取り出すと、周りにいた女性陣も「わあー!」と歓声があがる。たまたま一人だけ席にいた男性、鵜木さんも思わずのぞきこみ、一緒にハンドメイド・ガールズトークの輪に加わり、楽しそうにしていました。
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11.25(金)

・美術館女性スタッフの髪型といえば、「おかっぱ(ボブ)」という流れが定着していたが、ここ最近は、ショートヘアーが人気。あちらでもこちらでもショートカットのスタッフだらけ。現在ショートヘアの田中さん、中村さん、伊神さんがそんな話をしていると、中村さんは満面の笑顔で、「ショート時代だね!」と得意のおやじギャグを披露。華麗な美脚の人気女性アーティスト「少女時代」。中村さんは、いつものように華麗にスルーされていました。


11.26(土)

・中央ホールにある展示物、"エトリン"。エトリンの中のイスに座り頭の上で流れるある映像を見ていると、あっという間に時間が経ってしまいます。子どもたちが列を作り順番待ちをしていますが、なかなか自分の番が回ってこないことに気づいた子たちは、自分たちで10カウント制のルールをつくっていました。誰かが覗き始めると、みんなが「じゅーう・きゅーう・はーち・・・」と数えるので、そのかわいらしい無邪気な声がホールに響いていました。

11.27(日)

・今日は、第20回三鷹市民駅伝大会、本番。今年も早朝から応援部隊ともども、男女8名の選手がスタート地点の三鷹市役所へと出発しました。今年のひそかなハイライトは、男子・第一走者の小川くん。チームの気合が足りないと激怒した深谷さんから、「小川は絶対20位に入ること!達成できたら回らない寿司、ただしダメだった時には...大変なことになるぞ!」と、突然に過酷な至上命令が言い渡されました。2区の走者は、ドキドキしながら到着人数のカウントをはじめます。そして走りこんできた小川くんの順位は、残念ながら40位以降。たすきを渡すと同時に、倒れこんでしまいました。
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〈痛恨の極み!〉
一方の女子チームは、「ちょっと靴が大きいんですよね~、お父さんのだから。」という阿波谷さんなど、リラックスムード。しかしながらアンカーの遠藤さんがゴール付近で一人抜きさるなど、女子31組中14位と、まずまずの好成績をおさめました。
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男子チームも美術館チームのエース・森田くんが12人のごぼう抜きを演じ、結果は男子128組中、28位。なんとか健闘が認められ、小川くんも無事に、深谷さんにご馳走してもらえたそう(寿司ではないですが)。
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三鷹のみなさん、朝早くからたくさんの応援、ありがとうございました。


11.28(月)

・昨年の現代美術館での展示終了後、松本市美術館にて開催していた「スタジオジブリ・レイアウト展」が終了しました。ショップの撤収作業に向かう"狩人"に似ているとウワサの佐野くんは、始発のあずさに乗りこみ、「松本は極寒です...がんばります!」と連絡をくれ、全国最後の巡回会場にて、愛着のつもった什器たちを丁寧に荷造りしてきたたそうです。

・明日のクリスマス装飾に向けて、サンタの手作り作業が行われています。モールをペンチで折り曲げたり、紙粘土で顔を作ったりと、スタッフにとっては懐かしい、図工の時間のような作業。だんだんと職人化していくと、終盤にはノーマルなサンタ作りを超えはじめ、"スパイダーマン風""リオのカーニバル風""キリスト風"など、当日飾れるのか心配になる物まで飛び出しました。明日は今年の装飾テーマにそったサンタクロース達が、たくさんショップの店内に飾られるハズです。
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11.29(火)

・休館日の本日は、一日がかりでクリスマスの飾りつけが行われました。中央ホールに展示室、ショップやカフェ、トライホークス、パティオの小屋...などなど、館内中に散らばっての大作業。
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〈これはツリーにリボンをつけている所です〉
ショップスタッフは、お昼のカツ丼がお楽しみ特典だったようで、できたてのご飯に歓喜しつつ、午後からの作業はよりパワーアップしたそう。
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〈ショップのウィンドウで細かな作業をする菅野さん〉
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〈カフェのテイクアウトコーナーも奮闘中〉
明日から皆さんが楽しんでくれますよう、期待をこめて、暗くなってからも作業は続いていました。


11.30(水)

・初お目見えしたクリスマス装飾。今年は気温が下がるのが遅めだったためか、紅葉とクリスマス装飾が一緒に見られる、珍しい状態。
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夕方暗くなってから、今日来てくださったお客様とともにカウントダウンをし、ツリーに灯りが灯りました。
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〈もうすぐ点きますよ、とお知らせする館長〉
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お客様と一緒の秒読みがはじまり、館外に灯りがともると同時に歓声があがり、ささやかな点灯式を行いました。ジブリ美術館のクリスマスは、12/26(月)までです。どうぞ実物を見に来てください。