2012年12月


12.1(土)

・今年も落葉隊の季節が到来。寒いけれど爽やかな朝に、楽しみながら行っています。早朝から全身の筋肉を使うので、血が巡り良い運動になります。身体が硬くなり始めたスタッフ間では、"老化防止に最適説"が流布しています。


12.2(日)

・年賀状やカレンダー発送と、この時期は一年で一番忙しい総務のメンバー。作業の合間にふと窓の外を見ると、バックヤードの丸窓から麗しいモミジの姿が見えました。
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まるで京都源光庵"悟りの窓"のよう。「悟りにはまだまだとおい」と語りつつも、一服の清涼剤のようなひと時を味わえたそうです。


12.3(月)

・「フィルム切符を落としてしまいました。」と、ごあんないじょに来られた、アメリカ人の女性。「どんな絵柄でしたか?」と、田代さんがお尋ねすると、「フードをかぶった女性がいて、そばにマッシュルームが映ってました。」との事。マッシュルーム?と、疑問に思いながら拾得物を確認すると、『おもひでぽろぽろ』の主人公・タエ子が、ほっかむり姿で紅花摘みをしているシーンの切符がありました。「そうそう!コレデス!」と、笑顔で切符をうけとり、土星座に走っていかれました。


12.4(火)

・青森出身の木村くんの実家から、たくさんのリンゴが届きました。木村くんがスタッフへ差し入れのお知らせをすると、アッという間に売り切れて、たった一日で全部なくなっていました。たくさんの美味しいリンゴ、本当にありがとうございました。
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12.5(水)

・ライブラリで公開していた『夜のとばりの物語』。この続編―醒めない夢―が、来年新春に公開決定しました。そこでスタッフも予習しようと、閉館後上映会を開催。すでに内容を知っていたスタッフも、「プロデューサーの内藤さんの説明だけ聞こう」とメモを片手に集まるのでした。


12.6(木)

・屋上にあるラピュタに登場する石を、「どうしても持って帰りたい」という4歳の男の子。お母さんに「家族4人でも持てないよ。」と説得され、断念した様子。もし持っていかれてしまったら、美術館は壊れてしまうのでしょうか?。"要石(かなめいし)"と呼んでいる美術館の大切なものですが、"これは心臓部に違いない..."、とにらんだとしたら、するどい目線です。
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<屋上の奥へ奥へと行くと...くさび形の文字が刻まれた石が>


12.7(金)

・本格的な冬を迎え、カフェテイクアウトのスタッフは肌で底冷えを感じる日々。そんな日々の楽しみは休憩中にたべる甘いもの!特においしいのがチョコレート。テイクアウトのジェラートも、冬はチョコレートの人気がぐんと高くなります。冬になるととっても甘いものが欲しくなるのはなぜなのでしょうか?


12.8(土)

・クリスマス装飾のお客様の反応が気になるスタッフ。「このカード欲しいな。」「こんなラッピングしてもらいたい。」と、感想を言って下さるお客様の会話に、実はとても耳を大きくしています。「毎年この時期に来てるんですよ。去年も良かったけど、今年の方が好きです。」と、お話しして下さる方もいて、励まされるようにさっそく来年のクリスマスにも思いを馳せる菅野さんでした。


12.9(日)

・美術館イチの財テク好きとウワサされる経理の厚樹さんのスマホには、「金」と書かれたストラップが。なんでも先日の社員旅行で行った竹生島は金運のパワースポットらしく、ぬかりなく購入してきたとのこと。きっと近いうちにみんなに美味しいものをご馳走してくれるハズ、と期待してチラ見するのでした。
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<今年を象徴する漢字だそうですね>


12.10(月)

・今日から発売になった、プレジデント社『ジブリ美術館 手作りの力 カフェのごちそうメニュー編』。カフェ「麦わらぼうし」のメニューやレシピはもちろん、美術館のものづくりを支えた職人さんたちの取材記事も載っています。ショップとカフェで取り扱っていますが、"手作りの力"の気持ちを1冊にしたこの本、ぜひ開いてみてください。
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<手にとって気持ちを感じてる机さん>


12.11(火)

・カフェでは先日始まった「コーヒーチェリーのお茶」が好評です。天日で乾燥させたコーヒー果実の果肉と皮で煎れた温かい飲み物。コーヒーでもなければ紅茶でもない、ちょっと珍しいフルーツティーの味わいです。カップに注ぐと果実の甘酸っぱい香りがふわっと広がります。薪ストーブで暖められた店内で、少し変わったこのお茶でホッとひと息つくのも良いものです。
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12.12(水)

・図書閲覧室「トライホークス」のクリスマスツリーを囲み、まだ字が読めない子どもたちが絵本を開き、自分なりの創作ストーリーをお話ししてくれました。子どもも大人も笑顔になる、暖かなお話しの会のよう。「子どものプレゼントを探しているのです。」と、トライホークスにあるクリスマスの本をこっそり選んでいるお父さんの姿も、この頃よくお見かけします。


12.13(木)

・本日は東宝から、宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」と、高畑勲監督最新作「かぐや姫の物語」2013年《夏》公開、という発表日。土曜日からは映画館での予告も始まるので、美術館スタッフも今日は朝礼から気合いを入れています。


12.14(金)

・先日カフェで行われた"立ち居振る舞い研修"を、ショップでも10日間のカリキュラムで実践してみる事に。第一回目は、『あ・い・う・え・お』を、大げさなくらい顔に表情を付けて言ってみる練習。「顔が全部口になったイメージで。」「顔が真ん中に集まるくらい!」など、トレーナーの佐藤さんは先生顔負けのレクチャーをしてくれました。
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<「う」と言っているところです>


12.15(土)

・「マックロクロスケがあそこにもいる!」とネコバススタッフの小川くんの髪の毛を指差し、嬉しそうな女の子。「こんなにフサフサじゃないよ~...」と弱々しくツッコむ小川くんでした。


12.16(日)

・ショップの郎店長と滝口さんは事務所の席が背中合わせ。2人ともショップの人気商品・ループウィラーを愛用し、イスの背もたれによくこのパーカーがかかっています。この日、郎さんが外出しようと滝口さんのループウィラーを着込んで、「あっ、今日はこの色を着て来てない!」と脱ぎ捨てていました。どうも家族のタンス感覚が増している事務所ですが、毎年デザインの異なるこのパーカー、ずっと購入しているとすると、8種類のデザイン違いを持っていることになります。ちょっと特別な普段着として使い勝手がよいこのアイテム。でもうっかりすると通勤時のペアルックが続出します。
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<館長のイスには今年のデザインがかかっていました>


12.17(月)

・お散歩中の近隣の保育園の子ども達。敷地の外からも見える大きなクリスマスツリーを見て、「あの大きなツリーはどこから来たの!?窓から?」と不思議そうに話している。サンクンテラスの坂をすべらせたことを伝えると、「滑ってきたなら痛かったかな。大丈夫だったかな?」と優しい気遣いをくれました。


12.18(火)

・企画展示は1年に一度変わりますが、スタッフは毎回勉強会に励みます。現在の挿絵展では、各童話の魅力をスタッフそれぞれの視点で話し合ったり、作者:アンドルー・ラングのことを調査したりと、これまで様々なことを行いました。今回さらに、<体を使って楽しむ>をモットーに、「ラングかるた」なるものを作成。記憶力はもとより、瞬発力も問われます。かるたを囲み真剣な表情で顔を突き合わせ、お話のタイトルが読みあげられると同時に絵札をに飛びつく様子は、大いに盛り上がりました。展示室の挿絵にはお話のタイトルは書かれていませんが、「かるた」で学んだスタッフは題名もバッチリなハズ。気になる絵があったら、ぜひスタッフにお話の内容を尋ねてみて下さい。


12.19(水)

・ショップで行なっていた「立ち居振る舞い研修」は、回を重ねて、いよいよ大詰め。今日は全員で「壁立ち」をして、立ち姿を矯正。でもみんなが並んで立てるまっすぐな壁は美術館内にはあまりないので、事務所の廊下にぎゅうぎゅうになって立っています。「何事!?」と、通りかかる他の部署のスタッフの視線を気にしつつ、直立で頑張るショップスタッフでした。
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12.20(木)

・「コクリコ坂から」の原画と動画を整理するため、倉庫にこもる展示スタッフ。温湿度の管理された倉庫で凍えながらの立ち仕事なので、藤原さんは"ダウン・in・ダウン"の上着2枚重ねで向かっていました。今回は連携が良かったのか、予定時間より早めに作業が終了したそう。
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12.21(金)

・企画展示室2室の大きなパネルの影から、ニヤニヤとして現れた6歳くらいの男の子が、「おっぱいさわっちゃった!」とお母さんに報告している。「誰の!?」と焦るお母様でしたが、どうやら男の子は挿絵の中に描かれた、魅力的な女性に触れたようでした。
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<部屋の隅にたたずんでいます>


12.22(土)

・カフェで仕込み中のテイクアウトの深沢さんから「なんかカワイイ模様のレンコンがあった!」との知らせが。見て見ると確かにきれい。レンコンは、穴の見通しがきくと縁起のよい食べ物とのこと。食べた皆様に良いことが訪れますように、と祈りを込めて調理するレンコンスタッフなのでした。
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12.23(日)

・本日はクリスマスのコンサートを行いました。毎年日時はお知らせせず、当日来て頂いてからのサプライズ。「本日のお客さまは運がいいですね」と館長がお伝えすると、歓声があがりました。
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今年は、企画展示とクリスマス装飾のテーマ19世紀イギリス風のイメージにあわせ、クラッシクに弦楽四重奏を企画しました。
バイオリンの間宮美紗さん、枝並清香さん、チェロの水野由紀さん、ビオラの友田絢さんが、優しく美しい響きを奏でます。
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13時の回と少し夕闇が濃くなった16時の回と、それぞれに魅力的な空間が生まれました。本日のお客様と館内全体が、上品な雰囲気に満ち、ささやかなクリスマスの贈り物を楽しんで頂けました。


12.24(月)

・スタッフの誕生日が集中する12月。毎日のように「おめでとう!」という言葉が聞こえてきます。本人たちは加齢による健康状態や年の瀬のあせりとが気になり複雑な表情を浮かべる者もいますが、周りが明るくお祝いをのべるので、明るい決意表明を要求されるのでした。


12.25(火)

・伊神さんと男の子のクリスマスの会話です。「サンタクロースに何をもらったの?」「望遠鏡!」と、男の子。伊神さんが、「いいなあ、望遠鏡で何を見るの?」と質問してみると、「まず、サンタクロースが帰って行くところ!」だそうです。


12.26(水)

・階段を一生懸命上っている1歳くらい男の子を、嬉しそうに見守っているお父さん。お話しを伺うと、いま初めて階段にのぼることができたそう。「生まれて初めて」を一緒にすごせて、とても嬉しい赤澤さんでした。

今年の開館日は本日が最終日でした。
来年も、「はじめて」でも「何度も」でも、何かを受け取ったり、考えたりして、少しだけ豊かになって帰ってもらえる美術館でありたいと願っています。2013年もどうぞよろしくお願い致します。