2019年10月 


10月


10.1(火)

・本日も市民デーで大賑わいです。カフェの喫茶室で朝の準備をしていた丹藤さんが「コツン...コロコロ...。」という音に顔を上げると、天井のガラス窓に何か落ちてきています。「この時期だからきっとドングリだね。」と小池さんが一言。「葉っぱつきの枝が落ちてきたら、それは虫がドングリに卵を産んで枝ごと切り落としたやつなんだよ。」とドングリの豆知識を教えてくれました。「コツン...カツン...コロコロ...。」という音を聞きながら秋だなぁ...、ともの思いにふける丹藤さんでした。


10.2(水)

・カフェのキッチンで「茄子の双子を見つけた!」と盛り上がる声がします。「私も長く働いているけれど茄子の双子は初めて!しかもツヤツヤしていて美味しそうな茄子!」と話す酒井さん。「もちろん切って美味しい料理にするんでしょ?」と聞くと「ムリよ!私には切れない!」と他のスタッフにバトンタッチ。しかし「私もムリです!」「私もです!」と誰が切るかでもめるキッチンスタッフ。(茄子だけに...擦り付け合っている...。」)と心の中でダジャレを呟く田中さんなのでした。
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10.3(木)

・今日から少しの間カフェ研修を受けることになった運営スタッフの川名さん。いつもは青いシャツを着ていますが、この日はコックコートを着て登場。その姿を見たまわりのスタッフたちが口をそろえて、「全然違和感ないね!」「前からやってたでしょ!」と言っています。本人は初めてのコックコートに、「なんか、みんなに言われるんだろう」と照れながらもまんざらでもなさそうな様子。研修初日にして、早くもベテランの調理師のような空気をかもし出す川名さん。これからの彼女の成長を楽しみにしている先輩スタッフでした。


10.4(金)

・近隣市民デーの日、カフェはワゴンでコーヒーとラムネを売りました。オープン前に、「この日のために家でコーヒーを入れる練習をしてきました!」とやる気十分で挑んだ小川さん。20191004b.jpg
しかしこの日の最高気温は29℃。なかなかホットコーヒーのオーダーはなく、ちょっと寂しく思っていると、コーヒー用のポットにカマキリを発見!「コーヒーを買いに来てくれたんじゃない?」「ポット、熱くないのかな?」と突如現れたお客様に、子ども達と盛り上がって満足の小川さんでした。
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10.5(土)

・スタッフの三橋さんのご実家から送られてきたメダカが、今日から地下一階と屋上の池に仲間入りです!白メダカ、黒メダカ、黄メダカ...と色とりどりの小さなメダカの子どもたちは、美術館に遊びにくる子どもたちにも大人気。「前のヌシがいるかのようなメダカの池も良かったけど、今はメダカの学校風でかわいい~!」と好評です。メダカの学校、ぜひそっとのぞいてみてください。


10.6(日)

・ショップの陳さんがポニョのぬいぐるみに値段を貼っています。シールを貼り終えたポニョたちを、ひとつ、またひとつとエプロンに集めていき、「私の妹たち~(ハート)」と、エプロンいっぱいのポニョに満足気な陳さんでした。
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10.7(月)

・入り口で入館を待ってくれていた男の子。期待が高まりワクワクが抑えきれないようで、「あの階段どうやって行くの?」「出口はどこにあるの?」とスタッフにたくさん質問をしてくれます。「中は迷路みたいだから、がんばってね!」と教えると、ビシッと敬礼をきめて、「お任せください!」と言って意気揚々と入館していきました。きっと迷子になってくれそうな愉快な男の子でした。


10.8(火)

・この季節になるとファンの多い「LOOPWHEELER プルオーバーパーカー」が今年も発売になりました。今年はオートミールとグレーメランジの2色です。発売に合わせてHPでもこれまでの一覧を載せていますのでぜひご覧ください。


10.9(水)

・今月の映画は『水グモもんもん』。「今日の映画は何ですか?」と、欧米の8歳くらいの男の子が聞きに来てくれました。水グモの話です、と伝えると、男の子はクモが苦手らしく、「カブトムシは好きだけど......」と不安気な顔。"水グモはこわくない"とか、"虫を嫌いにならないで"、ホワイエにある水グモの解説パネルを見せながら、なんとかお話をしてみました。あれこれ熱く語るスタッフと話すうちに興味をもってくれたのか、だんだん表情が明るくなってきて、「映画観てみる!」と言ってくれました。映像展示室から出てくると、「面白かったよ!」と言いに来てくれました。その後さらにショップで、"もんもん"のグッズまで買ってもらった、と一番のファンのようでした。


10.10(木)

・ただいま新展示制作には助っ人がたくさん。運営から手先の器用さを買われ駆り出された田中さんは、何か細かな針仕事を猛スピードで仕上げています。一方、スタジオからは美大出身の内藤さんと村瀬さんが駆り出されていますが、机を設置するスペースが限られているので、壁パネルの間で作業をするハメに。なんだか「窓のない檻で働かせている風」とウワサです。
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10.11(金)

・先週から"最大級"との発表に警戒を続けてきた台風19号。今朝の交通機関がすべて止まってしまうとの発表に、朝から緊急集合。ひと月も前からチケットを予約してくださった皆さんや、海外から向かっている方のことなど、さまざまな事情を考えあれこれ検討しましたが、やはり明日は緊急閉館をすることに決まりました。その後は土嚢を積んだり一部補強したり、閉館の告知をはじめたりと、いちにちずっと走り回り騒ぎは続きましたが、これらの準備が何も起きないことへとつながるようにと、祈るような気持ちの一日でした。


10.12(土)

・台風19号で本日は緊急閉館。念のため様子を見に来ていたスタッフも、「明日、建物も人も無事で会えますように」、と声を掛け合いながら、午後には退散しました。


10.13(日)

・今朝は台風も過ぎ去り、風が強いながらも澄んだ空気の中、朝から無事に開館しました。お孫さんとカフェの喫茶室に来店されたご家族4名様とお話ししていた中山さん。話題は昨日の台風。お孫さんは本当は運動会の予定だったところ、明日が本番に振り替えになったとのこと。もりもりとスパゲティやパフェを食べる女の子に、「たくさん食べて明日の運動会がんばってね!」と台風にも負けじと強いオーラとエールを送る中山さんでした。


10.14(月)

・ショップでTシャツを選んでいる女性がいらっしゃいます。SやMといってもサイズ感がわからないとの話を聞いた御山さんが、サッとバックヤードに消えていきました。戻ってくるとTシャツ姿になっており、お客様に「私が着ているのがSサイズで...」と説明することができました。どうやら元々制服の下にTシャツを着ていたようで、文字通り、ひと肌脱いだ、御山さんでした。
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10.15(火)

・展示チームにいた内野さんが本日付けで転職することに。海外事業部や学芸や広報など、数々の部署と幅広く連携をとってきた彼女の門出を祝おうと女子が集結。集まった女子たちから、馬を愛する彼女へ馬柄の巾着バックを贈りました。20191015b.jpg
強心臓・タフネスの彼女が駆け抜ける新しい千里を楽しみに送り出した一同でした。
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10.16(水)

・ハンチング帽に旗のピンバッチをつけた60代男性。旗の柄は、国際信号旗"U・W"旗。"ご安航を祈る"という意味で『コクリコ坂から』にも登場しました。『コクリコ坂から』が大好きなスタッフは、その男性に思わず声をかけてしまい楽しく談笑していると、船関係の仕事をしていらっしゃるそう。別れ際にスタッフが、「良い航海を!」と声をかけると、「ありがとう、あなたもね!」と笑顔で旅立っていかれました。ゆっくりと出航していくかのような粋な男性の後ろ姿がとても素敵で、三鷹の地から安全を祈るスタッフでした。


10.17(木)

・トライホークスにて、『カリオストロの城』の絵コンテとシネマコミックを購入された20代位のアメリカからいらした男性。よくみるとTシャツもルパン、鞄もルパン、とルパン三世尽くしです。「ルパン三世が大好きなんですね。」と声をかけると、「ダイスキ!特にカリオストロは、私のバイブルだよ!」と日本語で答えてくれました。アニメーターになるための勉強をされているそうで、いつかカリオストロの城のような映画を作るのが夢だそう。キラキラとした表情のルパンでした。


10.18(金)

・井の頭公園の西園で、日曜日に行われる三鷹の森フェスティバルの設営が始まりました。仕切り役の小川くんや田中くんは連日会場と往復したり打ち合わせに出かけたりと毎日駆け回っています。そんな二人の机の上に、そっと置いてあったエナジードリンク。「おや、これはどなたからでしょうか...」「小人さんかな...」「ありがたいですね...」と朦朧とした2人の会話。滝口さんより「知らんけど、そういうのはだいたい伊神ちゃんでしょ。」と告げられ、小人はいないからしっかりせねば、とハッと我にかえる2人でした。


10.19(土)

・トライホークスにて「風の谷のナウシカ」の原作7巻セットを購入された30歳くらいの男性。その他にもナウシカの絵コンテにシネマコミック...と、見事にナウシカ尽くしのラインナップ。ナウシカのファンか、と思いきや、映画は一度も観たことがないそう。お話を聞くと、なんと現在都内の大学で「歌舞伎」について勉強しているとのこと...!学校でナウシカ歌舞伎のことを耳にし、興味が湧いて購入を決めてくださったよう。「できれば、ナウシカ歌舞伎についても歌舞伎の歴史を交えて論文を書いてみたいです」との言葉に、「ぜひ読ませてください...!」と思わず前のめりになるスタッフなのでした。


10.20(日)

・本日は「三鷹の森フェスティバル2019」。今回は、子どもたちの踊る「パプリカ」でイベントがはじまりました。序盤からおおいに盛り上がっています。
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毎年三鷹の姉妹都市の美味しい名産品や商工会のたこ焼きも大人気のイベントですが、今年は前日からカフェのケーキ担当者がチョコバナナを楽しそうに仕込んでいました。バナナとチョコレートの甘い香りに誘われて他のスタッフがその部屋に入るとなかなか戻って来なかったくらい。よーく見るとそれぞれ個性のある表情のチョコバナナは、午前中に完売してしまうくらいの大人気ぶりでした。
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そしてもうひとつ、今年は新たな試みが。"六段"というあだ名をもつ井上くんを中心に準備された将棋ブース。今年から運営スタッフとして初参戦した清水さんも将棋のルールを覚え、意気込んで練習を重ねたそうです。いざ、子どもたちと将棋の対局を重ねましたが、結果は見事に全敗。子どもたちの方が一枚も二枚も上手だったとのこと。しかし一方の井上六段は、小さな棋士相手にも全く手を緩めることなく、完膚なきまでに見事に勝っていたそう。20191020d.jpg<ここだけ静謐のナゾ空間>
そして何より肝心かなめのステージの音楽も、最後までとても盛り上がりをみせていました。
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10.21(月)

・カフェでは毎朝スープストックを仕込みます。時間がかかるものなので朝一番に取りかかる作業なのですが、他のスタッフが出勤してくる頃には鶏ガラ、野菜が加えられ静かに煮出している時間。今年入社した中村さんはそんなスープストックの「アク」を先輩に教わりながら丁寧に取っています。「アク取り」は味を決める大切な作業ですが彼女の慎重な作業ぶりに川村さんも「中村さんはアクをしっかり丁寧に取っている。」と太鼓判を押しています。
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10.22(火)

・カフェの入口に飾られているお花を見て女性スタッフが「面白い形だよねぇ。」と話しています。触ると固いその花にみんなが足を止めて見ていますが、安部さんが「茶筅に見えない?」と一言。「ちゃせん?」と首をかしげるスタッフに「お抹茶をたてる時の道具だよ。」と教えてくれました。普段からその博識ぶりを発揮している才女の安部さんですが、高校では茶道部だったとのことで「たしかに、茶道部っぽい!」「ぽい!ぽい!」と盛り上がるカフェスタッフ。そこへ小さな女の子がお花に手を伸ばし不思議そうな顔をしていたので、「固いよね。」「これは茶筅みたいだよね。」とさっそく知ったばかりの知識を女の子に話すカフェスタッフでした。
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10.23(水)

・テイクアウトの看板を英語で書いていた吉松さんの後ろから英語の発音をしている女の子の声が聞こえてきました。お客様と仲良くなるのが上手な吉松さんなので、この日も女の子と一緒に英語の看板を読み始め、はたから見ていると英語教室のようです。女の子のご家族も笑い始め、その笑顔に満足げな吉松さんなのでした。


10.24(木)

・最近一緒に行動することが多いカフェの曽我さんと小川さん。なぜかいつも変な物を無意識に手に持っている小川さんなのですが、この日はドアストッパーを持ちながら考え事をしている様子。曽我さんが「それどうしたの...?」と聞くと「あれ!?なんで私ドアストッパーを持っているんだろう?」本人が一番驚いています。日々起きる小川さんのおっちょこちょいぶりに、今日も笑いが止まらない曽我さんなのでした。


10.25(金)

・定期的にカフェの喫茶室にご来店くださるお客様とお話をしていた中山さん。とても楽しそうに会話をしていたので聞いてみると「お客様に中山さんと名前で呼んでもらえました!」「言葉に詰まるほど嬉しいです!」「この喜びをちゃんと伝えられなかった事が悔やまれます!」と普段は控えめな中山さんがめずらしく興奮しています。目まぐるしい日々の中でふとお客様から頂くサプライズに心温まるのでした。


10.26(土)

・新展示の縫物をしあげている田中さんの作業が大詰めを迎えている様子。あの花束はむかし企画展示室で見たことがある気もしますが、何かが違います。誰の花束か思い出せたでしょうか?
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10.27(日)

・先日の大型台風の影響により初めて美術館が休館となった翌日、カフェ店内は強風対策のために運び入れたテーブルとイスで床も見えません。こんな光景は初めてのこと。早朝から集まったスタッフは「カフェって意外と広いね...。」「こんな光景は二度と見られないかもしれない...。」と思い思いに話しています。すると誰かが「すごく良い天気...日差しが強い...元に戻す作業で汗だくになりそう...。」とポツリ。その言葉に無言で顔を見合わせると笑顔で開店準備に取りかかるカフェスタッフ達なのでした。
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10.28(月)

・出口の小屋の前で写真を撮っているご家族。お話を聞くと10年ぶりのご来館とのことで、最初に来た頃は娘さんは幼稚園生。その時出口で記念写真を撮ったとの事で、「是非今回もこの場所で撮りたかった」と話してくれました。お客様の素敵な思い出話と娘さんの立派な成長に感激のベテランスタッフ達。そこで10年前の自分たちのことも思い返してみると...、みんな既に美術館で働いていて、今も働いています。いつでも美術館は変わらずお待ちしております。


10.29(火)

・今年のクリスマス装飾の準備がはじまり、クリスマス隊が何かとあわただしそうです。ドイツのクリスマスマーケットの資料や去年までの様子などを見比べて、三野さんは北嶋さんを追いかけまわしている様子。11月末にはお知らせできると思いますので、今年のクリスマスもぜひご期待ください。
ちなみに、去年のクリスマスの様子はこちら


10.30(水)

・学芸の北山さんが封筒を探しています。美術館の事務所でもらってくるはずが、ウッカリ忘れて戻ってきてしまったとのこと。ところが北山さんの机の上には、ちゃんと封筒が届いており、驚く北山さん。「小人さんでしょうか!?」とここでも小人説が持ち出されていました。結果、置いてくれたのは白木さんでしたが、「小林さんですか?」と北山さんが聞きに行くと「ああ、パン屋さんのシールなら、わたし。」と見当違いの情報を披露されていました。


10.31(木)

・「このフィルムきっぷは、どの映画のものですか?」と質問をしに来た日本の20代女性2人。『ゲド戦記』だと伝えると、公開当時に映画館で観た!とのお話しでした。「私が映画館で観たあの映像は、このフィルムだったのかも!」「運命かもしれないね。」と目をキラキラさせてくれました。フィルムきっぷのたった3コマの絵から、映画公開当時の思い出がたくさん蘇っていた女性たちでした。