三鷹ネットワーク大学で第12回アニメーション文化講座が開講されます


アニメーション文化の普及啓発活動の一環として開講したアニメーション文化講座も12回目を迎えました。

今年度は、「レイアウトとアニメーション表現」と題し開催いたします。

講座名
三鷹ネットワーク大学企画講座/三鷹の森ジブリ美術館協力

レイアウトとアニメーション表現

講座趣旨
アニメーションの魅力は、物語だけでなく「画面の力」にあります。日本のアニメーションを支えてきた監督たちの作品は、なぜ心に残るのでしょうか。その鍵は、演出やレイアウト、カットの積み重ねの中にあるのではないでしょうか。

本講座では、レイアウトを切り口に、アニメーション表現の特徴や演出の工夫を探ります。なぜその構図なのか、なぜそのカットなのか――その問いを通して、映像づくりの奥深さを紐解きます。映像を「見る」だけではなく「読み解く」へ。作品の裏側にある演出の意図を探ることで、作品をより深く味わう一助となれば幸いです。

本講座は4回連続で開催します。
第1~3回は、現在『熱風』で「宮﨑駿のアニメーション表現」を連載中のアニメスタイルの小黒祐一郎氏が担当。
第1・2回:連載内容をさらに深掘りしながら、宮﨑駿監督のアニメーション表現につながる「レイアウト」を考察します。
第3回:押井守氏や今敏氏、大友克洋氏といったレイアウトにこだわりをもつ監督のもとで活躍してきたアニメーターをお呼びしてお話をお聞きします。
第4回は、スタジオジブリで高畑監督と共に演出を手掛けたほか、常に新しい表現を探求し続けている百瀬義行氏をお呼びして、レイアウトの誕生と変遷、将来の可能性について語っていただきます。

講座スケジュール
  • 第1回 2/3(火)

    宮﨑駿のアニメーション表現 前編 ―「アルプスの少女ハイジ」のレイアウト
    講師:小黒祐一郎 聞き手:北山萌夏

    「アルプスの少女ハイジ」で宮﨑駿は全話全カットのレイアウトを描きました。それは内容的にも量的にも「かつてない仕事」であり、日本の商業アニメーションの画面構成を一変させました。「ハイジ」のレイアウトはどういった点で画期的だったのか、後のアニメ作品にどのように影響を与えたのか。そして、そこから現在まででアニメのレイアウトはどんな風に変化していったのか。「ハイジ」のレイアウトとその後のレイアウトの歴史がテーマです。アニメ雑誌編者であり、『熱風』で「宮﨑駿のアニメーション表現」を連載中の小黒祐一郎氏に、レイアウトについて語ってもらいます。
  • 第2回 2/10(火)

    宮﨑駿のアニメーション表現 後編 ―「アルプスの少女ハイジ」と「セルと背景ものがたり」
    講師:小黒祐一郎  聞き手:北山萌夏

    宮﨑駿は「アルプスの少女ハイジ」の頃から「セルと背景の見た目の違い」について深く理解しており、それを利用して効果的に画面を構成してきました。宮﨑は「ハイジ」において、どのようにセルと背景を使い分けて画面を構成してきたのか。それがどんな素晴らしい成果を上げ、そして、後世のアニメ作品に影響を与えたのか。それが今回のテーマです。さらに「セルと背景を使い分け」を含めた宮崎の意欲的な画面構成の数々も話題として取り上げます。語り手はアニメ雑誌編者であり、『熱風』で「宮﨑駿のアニメーション表現」を連載中の小黒祐一郎氏です。
  • 第3回 2/17(火)

    アニメーターが語る―体験的レイアウト論
    講師:井上俊之、沖浦啓之  聞き手:小黒祐一郎

    実際のアニメーション制作ではどのようにレイアウトが描かれているのか。あるいは作品によって、監督によって、レイアウトに対する考え方は違っているのか。アニメ界をリードし続けるベテランアニメーターの井上俊之氏、リアリティを感じさせる作画で高く評価され、監督としても見応えある作品を残している沖浦啓之氏。二人のスーパーアニメーターをゲストとして招き、それぞれのレイアウトの作法、個々の作品におけるレイアウトに関するエピソード、作画やレイアウトに対する考えなどを伺います。聞き手はアニメ雑誌編者の小黒祐一郎氏が務めます。
  • 第4回 2/24(火)

    百瀬義行監督に聞く「レイアウト」について
    講師:百瀬義行  聞き手:西岡純一、北山萌夏

    アニメーション制作工程に、現在のようなレイアウトシステムが存在せず、アニメーターの自由度が高かった時代からキャリアをスタートした百瀬義行氏。その後、スタジオジブリに入り、高畑勲・宮﨑駿両監督のもとで中核的な役割を担いました。お二人の演出をどのように見ていたのか、そしてご自身が演出する際にスタッフへどのようにイメージを伝えてきたのか。さらに、百瀬氏自身のアニメーション表現の工夫やこだわりについてもお話をお伺いします。レイアウトを軸に、制作現場の変化とその背景を、順を追って紐解く特別講演です。
※詳しい講義内容は、シラバスをご参照ください
開催概要
日時
2026年2月3日(火)、2月10日(火)、2月17日(火)、2月24日(火)(全4回通し受講)
19:00~20:30
場所
三鷹ネットワーク大学(JR三鷹駅南口)
定員
【 対面受講: 40名】+【 オンライン受講:60人】(※先着制)
受講料
一般 3,000 円 ※詳細は、シラバスをご参照ください
お申し込み
【 対面受講 】  Web にて 申込期間:1月4日(日)午前9時30分~2月1日(日)午後5時
【 オンライン受講 】  peatix にて 申込期間:1月11日(日)午前9時30分~2月1日(日)午後5時
※三鷹市民だけでなく、老若男女、どなたでも参加できます。
※4回通しでの受講となります。一回のみの申し込みはできませんので、ご了承ください。
詳しくは、三鷹ネットワーク大学WEBサイト をご確認の上、お申し込みください。 みなさんの参加をお待ちしています。

お申し込み・お問い合わせ:
NPO法人三鷹ネットワーク大学推進機構 
TEL 0422-40-0313
開館時間 9:30~21:30(入館は21:00まで)/ 日曜日は17:00まで で
休館日:月曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)