2009年12月


12.1(火)

・北嶋さんと田代さんを中心に、休館日の今日、クリスマス装飾の作業がスタート。クリスマス隊が結成され、何ヶ月も前から構想し連日連夜の下準備を経ての本番。分担された作業をそれぞれが丁寧かつ慎重に行い、作業は深夜にまで及んだ。そして無事設営完了。完成した館内の様子に疲れも吹き飛び、清々しい顔で明日のお客様を心待ちにする隊員たちだった。

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<今年のクリスマスツリーが立てられてるところです>


12.2(水)

今年のクリスマス装飾のテーマは「崖の上のポニョ」の世界。水の中の泡を連想させる雰囲気に、お客様から驚きの声があがっていた。日が落ちてくる頃には点灯式も行われ、この日美術館に来てくれた5歳の女の子と館長が、一緒にカウントダウン。そして点灯!和やかな雰囲気の中、クリスマスツリーは光をあびた水面のようにキラキラと輝いた。この季節にしか見ることの出来ない美術館を、ぜひ実際にご覧頂けたらと思います。

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<点灯式の様子>


12.3(木)

・ショップもクリスマスの装いに。担当の高間さんと御山さんは、様々な場所に足を運んではクリスマスディスプレイの研究をし、装飾当日、他のスタッフと一緒に入魂の出来に仕上げたのだった。満足のいく出来ばえに二人の顔も自然と笑顔になるのでした。


12.4(金)

・深谷さんが朝から”チュウハイ”、”チュウハイ”、と連呼している。どうやら新作短編映画『ちゅうずもう』にちなんで、相撲大会・美術館杯をできないものかと頭を悩ませているようで、略して”ちゅう杯”とつぶやいていた様子。しかし全員一致で、「深谷さんが言うと、あっちだよね。」「ていうか、そっちしかないよね。」との声が。


12.5(土)

・ショップ脇のカフェ近道で、一人黙々と落ち葉を掃くスタッフの福島さん。木村くんはぜひとも美術館日誌に載せたいと思い、カメラ片手に近づいていった。全てを掃き終わった福島さんに、「お疲れ様。」と声をかけようとすると、福島さんは、「落ち葉を掃いてると、何だかお腹空きますよね…。ヤキイモ…。」とポツリ。寒い朝の労働をねぎらうはずが、笑みを頂いた木村くんなのでした。
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<ヤキイモガール>


12.6(日)

・まだ歩き始めたばかりの子ども達が多い館内。ステンドグラスから差し込む色とりどりの光。大きな天井扇が動く様子。ちいさな子ども達の目に映る美術館は、動くもの、見えるもの、今までに見たことのないものばかりのようで、寝転がってみたりあちこちと動き回り声をあげている。穏やかな時間が流れる館内だからこそ、ゆったりとした時間の中で思う存分感じ楽しめるそんな風景に、心が温まるスタッフだ。


12.7(月)

・兵庫県立美術館での「男鹿和雄展」と「3びきのくま展」は本日が開会式。久々に再現された展示室にて、中島館長が取材を受けました。2年ぶりにくまの家におじゃまして一つ一つの展示物をさわって思い返してみると、「あれ、こんなに大きかったっけ?」「こんなキノコだったかあ。」と館長も感慨深い様子でした。
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12.8(火)

・「3びきのくま展」といっしょに、ジブリ美術館のグッズたちも初めて美術館の外に出ました。このために準備をすすめてきたショップの郎さんや市来さんたちは、神戸の子どもたちが何を手にとってくれるのか、とても楽しみに様子をみていた。こねこバスやトトロの中からくま展オリジナルグッズを手にした男の子が、「くま…?」と不思議そうに眺めていたのがかわいらしく、今後が楽しみ、とのこと。


12.9(水)

・フラワーの窓にちょっと遅れてクリスマスの飾りがつけられた。可愛い靴下などのオーナメントは手芸好きの深沢さんが1つ1つ手作りしたもの。中には、靴下にキャンディーが入っていたり、クリスマスツリーの飾りがいちごのショートケーキだったりと、フラワーらしいものも。いつも丁寧に心をこめてケーキを作っている深沢さんらしい、温かさのあるオーナメントばかりで、見ているお客様も思わず笑顔になっていた。
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12.10(木)

・ネコバスとショップ。お互いの朝礼に参加し合い、館内やお客様の情報を交換しながら交流をしているのだが、ネコバスの朝礼にショップの木村くんが参加する日は、青森出身宮村くんと共に津軽弁講座が行われる。回を重ねることもう5回。「津軽弁を話すお客様がいらっしゃったら」を想定し2人が会話をしているのだが、一向にその会話の内容が聞き取れない、その他のスタッフだった。


12.11(金)

・今日は年明けから上映する『ちゅうずもう』の日本語字幕のチェック作業が行われた。『ちゅうずもう』は色々な効果音や音楽が満載の作品で、特に動物の鳴き声などはどういう文字にすべきか悩みどころ。「トントコ・トンでしょ?」「ゲロゲローッでしょ?」「カアーッでしょ?」など、傍からみるとよくわからない効果音が飛び交っていた。


12.12(土)

・お客様からの嬉しい反応が多い館内のクリスマス装飾。スタッフが心を込めて作ったポンポンや靴下や毛糸で編まれたもの達がちりばめられているのだが「自分で作って飾ってみよう!」とじっくり見て下さっている女性の方が大勢。その会話を聞いたスタッフは、素知らぬ顔を装ってますが、実は嬉しくて心の中でニンマリとしているのだった。


12.14(月)

・「あの~、この美術館はおかっぱじゃないといけないんですか?」とお客様から話しかけられた鈴木さん。話を聞くと「受付から入って、会う人会う人皆なおかっぱなんで、そういう決まりなのかな、と思って。」とのこと。「いやいやそんなことはないんですよ。」とお話しした鈴木さん自身も、もちろんおかっぱ。お客様のおっしゃるとおり、本当に社内にはおかっぱが多く、「こんなに多いならいっそ、おかっぱ隊を作ろうか…。」という噂が渦巻いているとかいないとか…。


12.15(火)

・深谷さんが何やらもち米をふかし、餅つきの準備をしている。どうやら新年に向けての企画をいろいろ考えているようだが、さてこの企画はどうなるのでしょうか。しかし日本広しといえど、暮れの忙しいこの時期に、”餅つきのリハーサルをする美術館”、というのは、きっとめずらしい光景なのではないでしょうか。

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12.16(水)

・とても寒かったこの日、カフェの暖炉に火を灯すのは、暖炉のベテラン松田さんと、火入れ初挑戦の渡部さん。暖炉の火を熾すのはけっこう難しく、色んなコツがあるらしい。ぎこちない手つきで薪をくべる渡部さんだったが、松田さんの的確な指導のかいあって、無事に火がつきほっとした様子の渡部さんであった。
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12.17(木)

・地元のラジオ局、「むさしのFM」さんがクリスマスの装飾について取材にやってくる。パーソナリティの方はツリーや中央ホールの装飾以外にパティオにも興味を持ってくれた様子で、小屋の中にあるものをじっくりと見ていた。インタビューを受けた北嶋さんは、小屋の中をこっそり教えてあげていたが、あの中に住んでいる人について、いろいろ想像してみるのはなかなか楽しい時間かもしれません。


12.18(金)

・地下一階上昇海流を見ていた男の子中央にいるロボット兵の様子を見て「どうして一人なの?寂しいね…」とお母さんに尋ねていた。それを聞いたお母さんは周りに飛んでいるたくさんの鳥を指し「大丈夫。こんなにたくさんの鳥がロボットの周りにいるからね。」と答えると安心したように笑顔になっていた。


12.19(土)

・今日は「バッタ君町に行く」の公開初日。渋谷シネマアンジェリカにはバッタくん関連の展示も施されていて、映画を見る以外の楽しみも準備されている。アメリカ・日本公開時の貴重な資料やグッズなどの展示を担当した藤原さんは、前の日から初日の朝にかけての最後の追い込みに赤い目をしつつも、展示を見てくれるお客様を嬉しそうに眺めていた。


12.20(日)

・美術館では様々な部活動が盛んですが、そろそろ駅伝部が始動の季節。2月に行われる“三鷹市民駅伝”に向け、深谷総帥・森田監督率いる部員達は練習を開始した。ショップの新人関根くんは、森田監督の熱い指導のもと、去年出場したショップの遠藤さんと共に日々練習にいそしんでいるという。が、まったくそんな様子に見えないため「もっとしっかり練習して優勝してこい!!」と、森田監督以上に渇をとばす木村くんなのでした。


12.21(月)

・1/3から始まる『ちゅうずもう』のパンフレットがやっと本日完成。最後の印刷過程を確認しに、安西さんと小林さんは印刷工場に出かけたのだが、新しくなったという工場の建物と設備がうらやましくて、いろいろと案内をしてもらった。全社員が持っているという携帯電話まで披露してもらい、「これ、美術館にもあったらいいのにね。館長に言ってみようか?」「きっと却下ですよ」などと、パンフレットには全く関係ない情報も収集して館長に報告していた。


12.22(火)

・今日は休館日ですが、日本テレビ『おもいっきりDON!!』の生放送による中継が入る。火曜日の定例「アートの祭り これいいんです!!」のコーナー。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、山田五郎さん、博多華丸大吉さんが、「崖の上のポニョ展」などを10分ほど紹介してくれた。九州出身の広報部長・西岡さんは、博多華丸大吉さんの来館にあがりっぱなしのテンションで、前日から気合を入れており、逆に周囲を不安にさせていた。が、全スタッフの協力もあり、番組は無事に開始。山田五郎さんはアニメーションに造詣が深いだけでなく、「崖の上のポニョ展」にある”パラパラボックス”を、「今までで一番うまく回した人ではないか?」というスタッフ間での伝説を残していき、中継は終了しました。
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<本番10秒前!>


12.23(水)

・24日と25日の2日間、カフェでは今年もチョコパフェとショートケーキのいちごがサンタバージョンになった。可愛いサンタに、お客様はびっくりしつつとても喜ばれていた。中には「今年もサンタさんなんですね~。楽しみにしていました!」というお客様もいらっしゃり、サンタパフェを見ながらお客様と一緒にクリスマス気分を味わうカフェスタッフであった。


12.24(木)

・子どもたちで賑わう、ジブリ美術館もクリスマスイヴの今日はどこを見渡してもカップルという、いつもとは違った雰囲気。そんな中、おそらくクリスマスプレゼントであろうと思うわれる紙袋を拾得。スタッフがごあんないじょカウンターへ届けると、ちょうど落とし主のカップルがいらっしゃった。彼女から彼へのプレゼントだったようで「実は僕、まだ中身を知らないんです…」とその男性は照れ笑いをされていた。


12.25(金)

・本日は来館したお客様にちょっとしたプレゼント「クリスマスコンサート」を開催。歌ってくれたのは以前に「種山ヶ原の夜」のイベントでも来て頂いた『アンサンブル・プラネタ』の皆さん。中央ホールで綺麗なア・カペラの歌声が響き、小さな子どもたちも聞き惚れていた。スタッフの中にも多数ファンがおり、素敵なクリスマスプレゼントとなった。
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<昼1時からと夕方4時の2回、登場してくれました>
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<ハンドベルの音色が館内に>


12.26(土)

・渋谷のシネマアンジェリカで公開中の「バッタ君、町に行く」。これから観にいく、という厚樹さんに話を聞くと、「バッタ君は、いつ町に行くんだろう…。」とぽつり。映画にはいろんな見方があるものだ、と思わずにはいられない小林さんだった。


12.27(日)

・冬休みに入り、ご家族連れの姿も目立ち、子どもたちの元気な声が響き渡る館内。2009年最後の開館日ということで、スタッフも気を引き締めてお客様をお迎えしていた。慌しく過ぎる時間の中、館内を楽しそうにまわる子ども達元気な声や笑顔に力をもらったり、「後もう少しですからお体に気をつけて頑張ってください」というお客様から嬉しい励ましのお言葉を頂いたりと、ジブリ美術館の2009年の営業も無事に終了した。


12.28(月)

・2009年も無事に閉館して、今日はスタッフにとって仕事納め。寒い朝となったが、カフェ厨房からの出火の想定で防災訓練を行い、昼からは年内最後の清掃。今日中にやらねばならないことに駆け回りながら日が暮れていく。門松も搬入されて、ふんどしをキリリと締めた『ちゅうずもう』のねずみたちも館内のあちこちに飾られました。来年は寅年ですが、”正装”のねずみと、”清掃”した館内で、清々しく2010年を迎えたいと思います。