2011年12月


12.1(木)

・事務局長に就任した西岡さんが、今日初めて開館の鐘を鳴らしました。屋上のブリッジの上で突然ポケットからカメラを取り出し紅葉の写真を撮りだしたり、緊張していたのか手の置きどころに悩み制服のポケットに手を入れたり出したりと、言動はやや怪しめ。鐘の持ち方も、「みんなと違って理系だからね。」と言って、<フラスコ持ち>という新たな持ち方を開発していました。
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〈これがナゾの持ち方、「フラスコ持ち」〉
今後の活躍が楽しみです。


12.2(金)

・企画展示室にいるネコバスの足元に、ドングリが1つころんと落ちていました。それを見つけた女の子が、「ハッ!」と息を飲み神妙な顔をすると、しっぽの影や、ネコバスの窓から中をのぞきこんで、真剣にトトロを探していました。


12.3(土)

・何か一つの仕事で行き詰っていると、話しかけれても目がうつろになり、他のことが何も見えなくなるショップ店長の郎さん。郎さんが道路の反対側を歩く小林さんに手を振るも、この日は小林さんが何かに悩んでいたようで、全く気づかない。「大丈夫?なんかオレみたいになってるよ?」と声をかけるも、小林さんはブツブツと言いながら去っていき、郎さんは自分のいつもの状態を客観視し、反省したようだった。


12.4(日)

・トライホークスにあるクリスマスツリーのそばで、もじもじしていた5歳くらいの男の子。そーっと近寄ってきて、「あのね、クリスマスツリー(のてっぺん)に お星様忘れてるよ。」と教えに来てくれました。今年のツリーの特徴は、お星様はなく、青いリボンでてっぺんが飾られています。せっかくの純粋な男の子の質問に、気の利いた一言を返せなくて悔やむ中原くん。「『25日にサンタさんが届けてくれるんだよ。』って言えば良かったのに~」と田中さんに言われ、残念そうにしていました。
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〈これがトライホークスのクリスマスツリーです〉


12.5(月)

・Tシャツのデザインをショップスタッフ全員が考えてみることになり、各々頭を悩ませています。デザインの得意な人もそうでない人も、まずは挑戦。全員が提出はしたものの、なにかヒントになるような妙案があったのかどうかは、ナゾに包まれています。こっそり自分のデザインが採用されることを夢見てるスタッフもいますが、さて、どうなるのでしょうか。


12.6(火)

・運営の西川くんは、様々な"○○王子"というあだ名を持っていますが、このたび"チョコ王子"と"あんこ王子"、も襲名しました。「自分では甘過ぎて食べ切れないから。」と、外国のクッキーをおやつに差し入れしてくれましたが、さらに甘そうなあんぱんやチョコレートをもぐもぐと食べ始め、「説得力ないな~」と突っ込まれています。「あんこも好き。」と、幸せそうにおっしゃる王子なのでした。


12.7(水)

・冷え込んだこの日、カフェではこの冬の薪ストーブ開きとなりました。ストーブに火を入れると室内中に薪の良い匂いやパチパチという音が広がり、スタッフはいよいよ冬の訪れを感じています。
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12.8(木)

・1階常設展示室にあるドールハウスを覗き込み、「ここに入ってみたいなぁ」という4歳くらいの男の子2人。するとお母さんが、「それじゃ、秘密の魔法で中に入れてあげる。」と2人に目をつぶるように話していた。「中に入った自分を想像してごらん?」とお母さんが話すと、2人は嬉しそうにときめいた表情で、想像をふくらませている様子。しばらくして、目を開けた2人に「目をつぶっている間、2人ともちっちゃくなって中にいたよ!」とお母さんが言うと、とても驚き大喜びしていました。あまりにも素敵なお母さんの魔法に、そばにいたスタッフも一緒にドールハウスに入れてもらったような気持ちになったそうです。12月16日(金)の21:00から、NTV「金曜ロードショー」で「借りぐらしのアリエッティ」がオンエアされます。こちらも、どうぞお楽しみに。


12.9(金)

・年の瀬を間近に控え、お歳暮をいただくことが多くなっています。届いたお菓子の箱を開封していると、中身を見ようと近づいてきた石光さん。一つどうぞ、と促されたのに、「いいのいいの、今たくさんあるから。」と遠慮深く身を引いています。しかし、「いいんだよ、石光さん。もうすぐ寒い冬なんだから、いっぱい食べときな。」と、まるで優しい山里の人のような滝口さん。お菓子をポケットにたくさん詰められて、山ごもりのクマのように席に見送られていく石光さんでした。


12.10(土)

・先日金曜ロードショーで放送された『天空の城ラピュタ』をご覧になられたという年配の男性。屋上にて、ロボット兵を指差しながら、「昨日、テレビに出ていたのはあの人ですか?」と真剣な面持ちで質問をくださいました。屋上のあの人は、いつでもずっと、じっと美術館でみなさんを待っています。


12.11(日)

・閉館後に、空調のフィルター掃除をしていた佐野くん。フィルターをはずすのはもっぱら男性陣の役目ですが、「カツーンッ!」と、何かが壊れた音が。一斉に皆が振り向くと、佐野くんのメガネが真ん中からまっぷたつになっている。何をしでかしたのか尋ねると、「テントウ虫がいて、逃がしてあげようと思ったら手がメガネにぶつかって...。」と、予想外のハートフルなエピソード。両手にメガネの残骸を持った佐野くんに、「帰り道、自転車気を付けてね。」と、普段手厳しい女性陣から、いつになく温かな声がかけられていました。


12.12(月)

・「ザーッ」という音がしたので、雨?と、思いテラスを覗いて見ると、たくさんの落ち葉が空から降ってきている音でした。いよいよ本格的な落葉の時期。落葉隊もフル稼働です。


12.13(火)

・スタジオで仕事をしていた宍戸さんが、久しぶりにウシコに会いに行くとちょうどクリスマスの装いに変身中。
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撮影部の薮田さんが撮ったウシコ、まるで女優のようです。
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〈目線をあげてもよくってよ〉


12.14(水)

・展示の藤原さんの机の周りに、また何か不思議なものが並び始めています。
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影絵のような、切り絵のような、薄い鉄板状のもので出来ています。どうやら次回のライブラリ作品と関係があるようですが、正解は春まで温め中、とのこと。ライブラリのwebページでの発表をお楽しみに...。


12.15(木)

・本日からの数日間、美術館の出口にて、ローソンさんによるアンケート調査が行われました。冷え込んできた季節にもかかわらず、協力的で心やさしいお客様が多く、予定していた時間より早めに目標数を集めることができたそう。「これは(調査員の)美女率の問題だろうか...」と因果関係を分析する滝口さんでした。


12.16(金)

・「借りぐらしのアリエッティ」がNTV金曜ロードショーにて、初オンエアされた本日。企画展示室ドールハウス周辺では、映画公開直後には、「アリエッティ、見た?」というお客様の話題が多かったのですが、「これがあの台所?」「そのままだ!」「あれの本物なんだね」などと、映像の内容に詳しい方の声が増えています。


12.17(土)

・土曜日の朝礼では、"深谷さんの土曜日一口メモ"がいつのまにか慣例に。本日は先日の月食にちなみ、〈渡り鳥は何を見て南半球と北半球を行き来するのか〉という話題でした。「太陽はもちろん、夜間は星座を見て移動するそうです。皆さんも夜間に渡り鳥を見たら、思いを馳せてみてください。また、星座は遭難したときも方角の参考になります。」と、緊急時の助言まで披露されていました。


12.18(日)

・カフェ店内に、ご家族と小学校低学年くらいの男の子がご来店。デザートに『ふぞろいイチゴのショートケーキ』を注文されました。よほどおいしかったのか、ケーキを口いっぱいにほおばり、にこにこ顔で「う~んキョ・ウ・レ・ツにうまい!!」と、店内中に聞こえる大きな声で一言。ご家族もカフェのスタッフも、一緒に「よかったね~」と全員笑みがこぼれてしまいました。その声は、ケーキを作っているキッチンの田中さんにも広がり、ここにも笑顔が。全員に笑顔を広げてくれた男の子のおかげで、カフェ全体がほのぼのムードに包まれていました。


12.19(月)

・そろそろ忘年会があちこちで始まっています。ショップの忘年会は、新人が幹事と司会をするのが恒例のため、今年の担当は阿波谷さん。いつもの超天然阿波谷節が炸裂し、新人とは思えない力強い仕切りぶりだったそう。バッサバサと仕切られまくる先輩たちは、次に何が飛び出すのか目が離せず終始笑いに包まれた会になり、頼もしい限りだったとのこと。


12.20(火)

・スタジオから美術の吉田さんが来てくれて、2階ギャラリーで取材撮影が行われました。
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展示されているスタジオジブリ作品の背景画を見ながら、描き手として話をしてくれました。しかし、まるで役者さんのように「ヨーイ。3、2、1、キュー!」と、見慣れないカチンコを打たれて、緊張する吉田さん。そんな時は、和ませ役・天内さんが活躍します。吉田さんも「天内くんがいたら笑っちゃうじゃん。」と言い、良いペースが出来てたくさんのことを語ってくれました。その後館長のインタビューも収録され、取材はばっちり終了しました。
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〈こちらは館長インタビューの様子です〉


12.21(水)

・カフェの仕込み中にこんなしいたけを発見。
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発見した深沢さんは興奮した様子で、「これ見て~!!」とみんなに見せて回ってます。毎日たくさんの食材を扱っているカフェスタッフは個性的な形の野菜には慣れっこですが、こんなにきれいな『ハート型』のしいたけは初めて見たとの事。その後も深沢さんは「もうすぐクリスマスだし、何かいいことあるのかなぁ」と謎の期待に胸を膨らませていました。


12.22(木)

・落ち葉の季節も落ち着き、落ち葉隊の活動も終盤戦。カフェのガラス天井には、たくさんの落ち葉が降ってくるので毎朝お掃除しています。「カフェの近道」を通りガラス天井の方へ登ると、井の頭公園西園の景色が見えます。今の時期は落ち葉がたくさん積もり、公園の地面がオレンジ色に見えます。落ち葉掃除の合間にこの風景を眺め、ほっと一息着く田倉さんでした。


12.23(金)

・今日は、クリスマスプレゼントとして、ピアニスト西村由紀江さんによるコンサートが行われました。特に事前にお知らせもなくサプライズで行われたため、中央ホールに置かれたピアノに唐突に出会って驚かれる方もいらっしゃる中、1回目のコンサートが始まりました。
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クリスマスソングやオリジナル曲「風のスキップ」の素敵なピアノの音が館内中に響き渡ります。イントロクイズコーナーでは、「崖の上のポニョ」のイントロ部分を西村さんが弾きだした途端、あちこちの子どもたちから素早く「はい!」とまっすぐに手を挙がります。だんだんと超・イントロクイズになっていきますが、全問即答の子どもたち。華やかな西村さんらしい、明るい調べが次々と奏でられ、親しみやすくて温かな演奏会が行われました。


12.24(土)

・カフェ店内のイス、オープンから使用しているラダーバックチェアー。座面を張り替えるために、作家の小田さんのところに里帰りし、きれいになって戻ってきました。新しい座面からイグサの清々しい良い香りが店内に広がります。足の部分は「タモ」という、野球のバットにも使われる丈夫な木でできていて、10年たった今でも全く壊れることなく使用しています。これからも長く大切に使用したいと願うカフェスタッフでした。


12.25(日)

・受付の前で入場を待っている間、自分が移動すると、自分の影の長さも変わり、どこまでも影が伸びるのを発見した5歳くらいの男の子。ちょこちょこっと動いては、「おばあちゃん(の背)を超えたー!」「とうとうお父さんも超えたぞー!」と、待ち時間を太陽を利用した遊びに変えてしまっていました。


12.26(月)

・年内最後の開館日。「"ここで過ごして良かった"、と思っていただけるよう、今日も一日頑張りましょう!」と、滝口さんから発破をかけられ、気を引き締めるスタッフ。館長からも「仕事は体が資本です。いい笑顔もそこから自然と出てくると思います。いい最終日にしましょう。」と来年へつながる言葉もあり、最終日がはじまりました。夕方まで、ジブリ美術館にとって主役のたくさんのお客さまが過ごしてくださり、今年最後の閉館の鐘も、無事に鳴らすことができました。


12.27(火)

・本日は年内最後の全員出勤日。あちこちで大掃除やクリスマス装飾の撤収作業など、力仕事が続いています。こんな時は部署を超えて全員総出の分担作業が行われますが、今年はなぜか、経理の厚樹さんに気合いが入っています。「そこ、乾拭きをもう一度お願いします」「こちら側は僕がやりましょう」とバシバシ働いている。その様子を不思議そうに見ていた机さんは、「...もしかして、TOTOBIG、当たったの?」と言っていたが、残念ながら当選とは関係なく、本人のみなぎるヤル気のみでの行動だったそう。

・ずっと働いているスタッフでも、今年移動があり初めて違うエリアの大掃除に向き合い、改めて「こんな細かな仕事がしてあったんだ...」と、気付かされる、そんな時間になったそう。今年で10年が経ったジブリ美術館ですが、小さな小さなところもすみずみまで、出来る限り丁寧に手をかけ続け、これからも大勢のお客さまが何かにめぐりあって頂けるよう、頑張っています。来年もどうぞよろしくお願い致します。