2019年4月 


4月

4.1(月)

・本日、美術館に新たな12名の仲間が加わりました。朝礼では、スタッフの前で順番に挨拶をしていきます。それぞれが緊張しながらも、美術館ではたらく意気込みを熱く語ってくれました。清新でフレッシュな発言が続き、空気の色が変わったかのような朝。ほかのスタッフたちも気持ちを新たにするのでした。
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・新元号の発表会見とお昼休憩が重なったスタッフたちは、美味しいお弁当を片手に会見画面に夢中です。「なんか緊張するね」「寂しい...」と平成生まれのスタッフ。対する昭和生まれのスタッフたちは2度目の余裕なのか、平然とお弁当に舌鼓を打っています。発表されると、「レイワ...レイワ...」とうわ言のように繰り返す者や、「なんか新しい〜」と気持ちを高揚させて噛み締めるものなど様々。現場を離れられないスタッフへも、無線で「新元号は"令和"です」と、まるで美術館の官房長官のような発表が入り、各々が新しいスタートに想いを馳せる四月一日らしいいちにちとなりました。


4.2(火)

・昨日4/1は待ちに待ったお花見弁当の支給の日でもありました。今年は去年までと違うお弁当を注文をすることになり、ふたを開けるのも楽しみな面々。お昼の時間にはすこし小雨が降りだしていましたが、川上くんは負けじと外での花見のお弁当、を決行したのでした。
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4.3(水)

・井の頭公園の桜が見頃を迎えている今日この頃ですが、ショップのスタッフは開館中ほぼ店内にいるので、外に出る機会がほとんどありません。なので朝のうちにショップ横の"カフェ近道"を出て、まだ誰もいないカフェデッキと井の頭公園の木々を眺めます。そして太陽の光をたっぷり浴びて、開館前にエネルギーをチャージ!「今日も1日頑張ろう!」と気合いを入れている山崎さんでした。
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4.4(木)

・3月にも来てくれていた女の子が、4月に入ってもう一度来てくれました。3月で小学校を卒業し、4月からは晴れて中学生になったそうです。ネコバスが中学生になったので乗れなくなって少し残念そうでしたが、「今まではネコバスに乗ることがメインだったけど、今日からは違った楽しみ方を見つけに来ました!」と話してくれました。いろんなものの見方ができるすてきな彼女の、人としての幅がこれからもうんと広がりますように、と願うスタッフでした。


4.5(金)

・新入社員たちは研修が続いています。講師の方に接遇マナー講習を受けたり、スタジオに出向いて顔見世に回ったりと大忙し。
20190405a.jpg<きれいなお辞儀を教えてもらっています>

20190405ab.JPG<こちらは社長のお話しを聞く時間>

チームで時間内に用紙を破いて形作るという課題には、ベテランスタッフチームも参戦。先輩としての威厳を保つべく、2つのお題を悪戦苦闘しながら形にしていきます。まずまずの出来、と満足していましたが、これは何ができあがったんでしょうか。20190405c.jpg
(「カメ」と「ゾウ」らしいです) 
役に立つか立たないかずっと先までわからなくたって、ともかく目の前のことに懸命に取り組む様子は、なんだかとても清々しく見えます。


4.6(土)

・ショップの今日の店内BGMは『ハウルの動く城』。すると小学生の男の子が"空中散歩"という曲に合わせて鼻歌を歌っていました。「ハウル好きなの?」と佐藤さんが尋ねると、「いつも給食の時間に流れてるんだ!」とのこと。空中散歩が流れる教室を想像し、なんだか優雅な給食!と思った佐藤さんでした。


4.7(日)

・カフェのデッキで冬の間中がんばってくれていたストーブが、春になってひとまずお勤めを終えることになりました。営業終了後にカフェの小川さんが労うようにストーブを拭いています。綺麗になって無事に役目を終えたストーブは、次の出番までお役御免となりました。20190407.jpg


4.8(月)

・新入社員の一行は、全員でアトリエを見学へ。休憩時間にはみんなで屋上に上りました。フレッシュ感あふれる写真を記録するべく、安西館長からジャンプの提案が。全員元気に跳んでいるように見えるのですが、良くみると、「誰よりも高く跳ぼう!」という者もいれば、明らかに怖がってて固い表情の人など、実はさまざま。各々の個性が感じられます。
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4.9(火)

・陳さんと雫石くんの日常会話では、突然英語と中国語が入ってきます。いつの間にか三橋さんの韓国語も入り、日本語、英語、中国語、韓国語が入り混じった会話が繰り広げられています。そばで聞いていると何を言っているのかサッパリわからないのですが、当の本人たちは通じあっているようで、とても楽しそう。そんな3人が笑いながらちゃんぽんの会話をしているのを見ていると、呼吸があえば何でも楽しいのだな、と、世界平和を感じた、という田中くんでした。


4.10(水)

・カフェで「すこし大人のジンジャーエール」をオーダーしてくれた小さな男の子。「生のショウガで作っているから、これは少し辛いかもよ?」と聞くと、「飲む!大丈夫!」とチャレンジ精神旺盛です。帰り際に根津くんが「ジンジャーエールどうだった?」と聞いてみると、「おーーーーー!て感じ!火だった!!」とのことで、どうやらお父さんに飲んでもらったようです。


4.11(木)

・入口でお客さまのチケットを確認していると、一羽の鳩がトコトコと受付に向かって歩いていました。スタッフの横をすり抜けて、ドンドンと入口に向かって進んでいく鳩に、「お客さま、こちらでチケット拝見しておりまーす」と、冗談半分にスタッフが声を掛けてみました。するとまるで言葉が通じたかのように、踵を返してこちらに戻ってくる鳩。その流れを見ていたお客さまは大笑い。鳩も入りたくなる不思議な魅力を持つジブリ美術館ですが、日時指定の予約制でして、ご面倒おかけします。


4.12(金)

・学芸チームへはこのたび新戦力が加わりました。プロデューサー室にいた白木さんがこの4月から異動され、頼り甲斐のある学芸員が一人増えました。そのことが関係しているのかどうかはわかりませんが、にわかに眼鏡を新しくした厚樹さんや、ついぞ見なかったやる気に満ちた西岡さんが目撃されるなど、なんだか早くもいろんな効果が評判です。


4.13(土)

・気温が高く青空の広がる本日。「みてみてこれ〜」とスタッフの岸田さんが一枚の写真を見せてくれました。覗いてみると、ショップから"カフェへと続く近道"の写真です。ドアの向こうに広がる緑のアーチと、その奥へと人をいざなうように咲く淡いピンク色の桜がなんとも言えず綺麗です。「ステンドグラスが、一枚の絵画みたいで毎年たのしみにしてるんだよね...。写真よりもっともっと綺麗なんだよ」と映える写真についてあつく語る岸田さんでした。
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4.14(日)

・天気の良い日が続き日差しも強くなってきました。夏が迫ってきているのを感じます。屋上で麦わら帽子をかぶって植物の手入れをしていたスタッフに、女性が話しかけてきました。「私、詩や俳句を読むのが趣味なんだけどね?これ、読んでみて?」と言います。読ませてもらうと、青空の下で花の手入れをしているスタッフの姿を読んだ俳句が書かれていました。「良い俳句が読めたわ、ありがとう。素敵な思い出になりました。ポイントは麦わら帽子よ。」と、颯爽と去っていっかれました。小粋で洒落た後ろ姿で、思わずウットリ見送ったそうです。


4.15(月)

・12種類の絵柄の「12ヶ月のマグカップ」。自分の誕生月を選ぶ方が多いのですが、この日「8月」のマグカップを購入した高校生の女の子は「バレー部で、私の背番号なんです!」と、元気よく教えてくれました。またある時は、「7月」のマグカップを購入した欧米からの男性が、「僕が毎朝コーヒーを飲む時間なんだ。」と、これもまた素敵な理由でした。来館した月を記念に選ばれる方や好きな色のトトロを手にとられる方など、それぞれのストーリーを聞くと「なるほど...」と納得してしまい、いっしょに選ぶことも楽しみなショップスタッフです。
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4.16(火)

・とっても気持ちのよい青空の下、休館日を使って久々に野球部が練習を行いました。キャッチボールやバッティング練習に取り組み、それぞれが冬の間のブランクを埋めている様子。今回から新たにメンバーに加わった草野くんも、爽やかな笑顔で白球を追いかけていました。今年も"無理せず楽しく"がモットーだそうです。
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4.17(水)

・トライホークスで書籍を購入された50代位の欧米系男性。お会計が終わると、「少し手伝ってもらえるかな?」とペンを取り出し、レシートの裏に何やら走り書き。「この言葉を"日本語"に翻訳して袋に書いてほしいんだ」と先ほど購入された袋を差し出しました。レシートの裏には「To 〇〇(※お名前),with all my love Dad」の言葉が。どうやら娘さんへのプレゼントのようですが、"日本語で"というお父さんの気持ちに、嬉しくなって普段よりずっと丁寧な日本語を書きつづるスタッフでした。


4.18(木)

・休憩室にて、雫石くんがコーヒーを作ったり洗い物をしたりしながら、カウンターに座っているスタッフとお話ししています。その姿はまるでバーテンダー。どんな悩みにも的確なアドバイスをくれそうだった、と「BAR SHIZUKUISHI」と命名した山崎さんでした。
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4.19(金)

・突然、キリッとした表情で堀田くんを見つめてきた男の子。一点だけを集中して見つめるので、「どうしたの?」と聞いてみると「俺、5歳なんだけどさ...」「俺の特技。見てて」と、またキリッとしてこちらを見つめてきました。「???」と不思議に思う堀田くんでしたが、よーく男の子を見ると、どうやら一重瞼を二重瞼にする特技の披露中だったようです。披露し終えて、「すごいでしょ?」とニッと笑ってくれました。


4.20(土)

・カフェデッキにやってきた小学生くらいの女の子、スキップをしながら「お花!かわいい!」ととてもご機嫌な様子です。曽我さんが「お花好きなの?」と聞いてみると満面の笑み。またスキップでお花からお花へと移っていきます。花を探す旅の女の子、次はどんな発見をするのか、彼女の目の高さになってカフェデッキを見渡す曽我さんでした。
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4.21(日)

・カフェの営業終了後、翌日のお花のお手入れをしていた中山さん。飾られていた大きなレンギョウの花木を中庭に移動させ、店内に戻ると周囲のスタッフが笑っています。気付かないうちに髪にレンギョウの黄色い花がついていたのを「花飾りしてる!」と指摘され恥ずかしがっていました。
20190421.jpg<中山さんの可憐なヘアスタイル>


4.22(月)

・出口に置かれている箱型の小屋を見てお話していたご家族。お母さんが「おもしろーい!電話ボックスみたい!」と話していますが、4歳くらいの男の子は「電話ボックスって何?」と、キョトンとした顔。スタッフも、「昔はあんなに使ったけどね...」と思いつつ、一人サイズの個室を懐かしく眺めるのでした。


4.23(火)

・今日は休館日を利用して、鈴木敏夫プロデューサーのノンフィクション小説『南の国のカンヤダ』のカンヤダさんに、美術館を撮影をしていただきました。夕闇迫る薄暗い中までまるまる一日かけて館内中を撮影し、あまり見たことのない新鮮な美術館の写真がたくさん仕上がりました。いずれどこかで皆さんに見てもらえるよう、これから検討を重ねていくことになりそうです。


4.24(水)

・春らしい陽気が続き、3歳くらいの女の子がカフェデッキにあるお花の匂いを嗅いでいます。スーッと鼻で大きく息を吸い込んで一言、「うーん、いい匂い!ほっぺが落ちそう!!」と、かわいらしい表現。確かに甘くて美味しそうな匂いで、お昼前だったスタッフはぐ~とお腹をならしてました。


4.25(木)

・カフェの喫茶室で、待っている間に折り紙を折られている40代くらいの男性のお客様。みるみるうちに形を変えて、思わず釘付けになってスタッフが見ていると、男性のテーブルには折り紙で作られたシシガミ様とお花が飾られました。「とても素敵ですね。」と丹藤さんが声をかけると優しそうな笑顔で「趣味なんです、よかったら...。」とプレゼントして下さいました。
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4.26(金)

・最近ひらがなが読めるようになってきた、という女の子がショップのレジにやってきました。すると菅野さんと永野くんの名札を指差しながら、「...が、の、...が、の」と読み上げました。"す"と"な"を読むのはまだ難しかったようでしたが、「よく気付いたね!そうなの、おんなじ"がの"の、2人なんだよ〜!」と嬉しそうな表情の女の子と盛り上がる、"すがのさん"と"ながのくん"でした。
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4.27(土)

・カフェデッキにて、連休中だけのワゴン販売がはじまりました。ラムネやビールを外のさわやかな空気の中楽しんでくれたらよいのですが、ちょっとあやしい空模様の時は、お休みになります。はたして何日営業できるでしょうか...。


4.28(日)

・朝一番、「おはようございます!!」と元気に屋上をかけ上がってきた小学一年生の女の子。丸池の側に咲いている小さな白い花を見つけると、「あ!!スズランだ!」と嬉しそうな声。「お花のことよく知ってるね」と声をかけると、「だって私の名前と同じだもん!すず、っていうの。スズランからつけたんだよ」と教えてくれました。お母さんによると、出産時に病院の窓辺から綺麗なスズランが見えて、その美しい姿に勇気をもらったそう。朝からステキなな物語を聞けて、なんだか嬉しい屋上スタッフなのでした。


4.29(月)

・カフェデッキから厨房の様子が見える窓を熱心に覗いている女の子。「何が見える?」と聞いてみると、「ショートケーキを作ってる!」と答えてくれました。「なぜケーキだと思ったの?」と訊ねると「この間のお誕生日に、お母さんとショートケーキを作ったから!」とケーキの作り方をしっかりと知っていました。カフェのコンセプトは、"気分はハッピーバースディ"。決して豪華ではないけれど、お家で大切な子どもたちのバースデイに腕をふるって作ったような、本当にちょっとだけ特別な料理やケーキを提供します。
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4.30(火)

・毎年ゴールデンウィークになると、美術館に遊びに来ているというご家族。中央ホールに入ってくると、8歳くらいのお姉ちゃんとお父さんが映像展示室に一直線で向かっていきます。お父さんが、「今日の映画はなんだろう?」というと、「あ!平成最後はコロだ!」と女の子。しばらく館内を回った後にまたごあんないじょに寄ってくれた女の子が、「平成最後のプレゼントはコロだった!」とショップで手に入れたコロのぬいぐるみを見せに来てくれました。"平成"というワードと共に、ずっと映画がすてきな思い出で残ってくれるといいな、と思うごあんないじょスタッフでした。