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GIORNALE DEL MAMMA AIUTO! 【マーニーの日記帳】~マンマユート便り vol.6

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20140901s16.jpg 夏休みもおわり季節の変わり目を感じるころとなりました。
ショップでは、この夏公開された映画『思い出のマーニー』の新商品が揃っています。
店内に流れているショップのBGMにも、思い出のマーニーのCDが加わりました。
主題歌「Fine On The Outside」を歌うプリシラアーンさんの柔らかな声に、
スタッフも心癒されています。
店内BGMはその日その時によって入れ替わるので、
お買い物の合間に耳をすませてみてはいかがでしょうか。


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時間を超えて伝わる、手製本のぬくもり―――【マーニーの日記帳】


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▲マーニーの日記帳...¥3000(税別)

この夏、公開されたスタジオジブリ最新作『思い出のマーニー』。
劇中には、一冊の日記帳がとても大事なアイテムとして登場します。
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▲『思い出のマーニー』より。日記帳の装丁は劇中のデザインにほぼ忠実   ©2014 GNDHDDTK


その頁に綴られた出来事は、時間を超えてマーニーの思いを伝えることとなりました。

楽しいことがあった日、悲しさに暮れる日......
毎日の気持ちがページごとに記され、その微妙に揺れる筆跡が、
書いた人自身の存在の証として後世に残ります。

しかし今、パソコンの台頭により〈文字を打つ〉機会が増えたぶん、
私たちは〈文字を書く〉ことから遠ざかっていますね。
今回企画された、ジブリ美術館オリジナル[マーニーの日記帳]には、
便利に感じるデジタル時代の中で、あえて手書きで記録する...そんな提案も込められています。

今回は、この日記帳を"手製本"という技術で一つ一つ製造をされている
[美篶堂(みすずどう)]さんの工房にお伺いしました。



"手"製本にこだわる

東京から三時間半、山と水田に囲まれた場所に[美篶堂伊那製本所]はあります。

新聞・雑誌、ノートや手帖、書籍など、印刷物のほとんどは機械作業で
製本されている現在、今でも手作業で製本をしている会社です。


美篶堂 伊那製本所――

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▲自然の豊かな長野県伊那市、美篶堂付近

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▲美篶堂入り口の看板


美篶堂は1983 年、製本職人・上島松男さんがそれまで勤めていた
製本会社から独立して創業した会社です。
[マーニーの日記帳]は、一冊一冊ここで作られているのです。

美篶堂の親方である上島松男さんと、
娘さんで同社の社長として実際に切り盛りされている明子さんが
明るく私たちを、迎えてくださいました。

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【有限会社美篶堂 取締役会長 上島松男さん】
1939年生まれ。15歳で老舗の関山製本社に弟子入り、製本職人の道へ。昭和30年代、上製本、和製本の他、ペーパーサンプル製作に従事。以後、著名デザイナーからの依頼を受け、1983年に美篶堂を設立。手製本工場の「親方」として、現在も様々な製本仕様を模索している。


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【有限会社美篶堂 代表取締役社長 上島明子さん】
東京・神田錦町にある美篶堂ショップ経営にも携わり、こだわりに満ちた美篶堂の商品を発信し続けています。


親方は元々製本会社で働いたのち、独立して[美篶堂]を作られたそうですね。

親方  僕が製本の仕事を始めたのがだいたい60 年前です。
その頃は製本が華やかな頃でしたね。
製本屋自体の歴史は、日本にヨーロッパから入ってきたのが大体120~150年前くらいなので
歴史が浅いんだけど、その間の流れはすごく速かった。
あっという間にオートメーション化の波がやってきて、 一冊に時間をかけるような仕事は少なくなりましたね。


時代としては「大きいことはいいことだ」という時代ですよね。
31 年前に上島親方が独立されたとき、なぜ"手製本"を軸にやっていこうと思われたのですか?

親方  それしか選択はなかったんですよ(笑)、機械化する資本もありませんでしたし...。
すべて工夫なんですよね。機械では無理なところがうちの仕事なのかなと。
だから、まったく採算は取れません。
採算が合わないのはわかってるんです、昔から。
かといって、それができなくなったら一つの文化が消えていくことですからね。
それでも「もったいない」と言ってくれる人と、もうやめろよと言う人とね、様々ですよ。


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▲親方と明子さん。手製本の技術をつなぐ 

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▲親方のロッカー。名札も「親方」



ジブリ美術館との出会い

ジブリ美術館と出会った頃はどのような状況でしたか?

明子さん  ちょうどあの頃、廃棄する断裁した紙の端材を再利用した作品を、
仕事の合間に上島親方が作成していたんです。それを参考にして色とりどりのブロックメモにしたりして
オリジナル商品を作ったり、試行錯誤していましたね。

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▲親方が紙の端材で作っていた作品の一つ

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▲親方の作品をヒントに作られたペン立て


明子さん  そんな時に、知り合いからジブリの方を紹介されて、
それから美術館オリジナルのスケッチブック商品化の話になりました。
「外壁をモチーフにできないか」とのことだったので、
和紙を裂いて外壁を表現できないかなと思っていて、
親方が知っていた和紙を紡ぐ技術を参考に、実現することができました。


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▲「オリジナルスケッチブック」1200 円(税別)美術館の外観がモチーフとなった装丁。三色の和紙がつないである


その後、図書閲覧室のトライホークスさんから、
宮崎監督がデザインした包装紙を使ったノートができないか...という依頼があったんです。
短編映画『星をかった日』が公開されたときに、この包装紙を使ったノートを作らせて頂きました。


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▲「星のノート」4色 各1574 円(税別) 見返しの英字は活版印刷というこだわり


今回『思い出のマーニー』のノートを作るときも、
まず美篶堂さんに作っていただきたい!と思ったんです。
普通のノートとは違う、布張りで手にした感触も重厚な
一生ものの日記帳を作らなければいけないと思いました。
そんなノートを作っていただけるのは美篶堂さんしかないと。

明子さん  ありがたいお話です。私たちはもともと、書籍の仕事からスタートしていて、
そこからステーショナリーとかノートになっていきました。
今は昔に比べて皆さんの〈書く〉という行為が減ってきているように思います。
そんな中でも、書いたり読んだりというのは大事なことだとみなさんは感じておられて、
うちに商品化のお話をいただけるのかなぁ、と思っているんです。

[マーニーの日記帳]は、書いてみるとすごくわかるというか、
万年筆を使いたくなるというか、そういう気持ちが沸き上がってくると思いますので、
〈書く〉ことのきっかけにすごくいいと思います。

親方  丸背でこのように抵抗なく開く本はないんですよね。
見開きで平らになるように開くのが、ダイアリーの理想なんですよ。
これがちょっと硬すぎると、ノドが谷になっちゃって書きにくくなる。
[マーニーの日記帳]は目いっぱい開くので問題ないと思います。仕上がりとしてはいいですよ。

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▲ノド(製本されたものを開いた際の中心部)の部分がほぼ平らになり開きやすい


【マーニーの日記帳のポイント】
本文用紙をハードカバーでくるんだものを[上製本]といいます。
上製本には、背の部分が平らな[角背]と、ゆるやかなアーチ状の[丸背]があり、
[マーニーの日記帳]は丸背で製本されています。
ではここで、美篶堂の手作業によるマーニーの日記帳のポイントをみてみましょう。

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●1 丸背   ●2 寒冷紗/花ぎれ   ●3 表紙   ●4 見返し   ●完成!     ※詳細はクリックしてください



手製本のこれから

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▲明子さんの従兄 上島真一さんが工場長として、親方の技を受け継ぎ黙々と作業を進めている


手製本の技術、今後はどのようになっていくのでしょうか?

明子さん  ぜんぜん希望を持てないくらい厳しいです...。
日本全国の手製本に関心のある人はみんな美篶堂のノート使っていただきたいし、
世界中の人も使って欲しいし「みんな助けてください!」と言うくらいな気分なんですよ(笑)。

親方  さっきの開きのところとかね、なんでもないようだけど、
ここまで開ける日記帳を使える方はラッキーだと思いますよ。手作りだから無くなっちゃうかも知れませんしね(笑)。

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手製本と機械製本の違いは何でしょうか?

親方  見た目ですぐには分からないですよね。今は周りに機械で作ったノートしかないから。
今まで当たり前だと思っている開き具合が違ったり...。微妙な事なんです。

スタッフにも美篶堂さんのノートを愛用している者がいるんですが、
機械製のものと手製本のものを使い比べてみるとわかるんですね、違いが。

明子さん  そうなんです! やっぱり触ってみて、開いてみて、使ってみたときに
初めてわかるんですね、「機械製のものとは違う!」って。

美篶堂さんの商品を手にして、
一度使ってみるとずっと使いたくなる......そんなふうになるといいですね。

明子さん  そういうのがいちばん嬉しいです。
私たち、名前を出して何かを作りたかったわけではなく、
ご依頼があれば粛々とそれだけでよかったんです。
淡々と作ったものが美篶堂だったんだと気づいていただく...それがいちばんかっこいいですよね。

親方  見た目ではわかりづらいけれども、質感だったり、使い心地だったり。
我々はそういった「手仕事の力」を信じて作り続けて行きたい、そう思ってやっているんです。

手で文字を書き込むことから遠ざかっていましたが、
お話を聞いて自分だけの特別な一冊を作りたくなりました!
今日はありがとうございました。




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今回ご紹介するのは『思い出のマーニー』にちなんだ美術館オリジナルの新商品です。

「シルエットオブジェ」2種 ... 各1500円(税別)

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ダンスをする杏奈とマーニー、そしてヨットに乗るふたりの動きを切り抜いたシルエットオブジェ。薄い金属板で出来ているので、折り曲げて立たせることができます。幻想的なふたりの影に誘われて、映画のワンシーンがよみがえってくるようです。

「窓枠ポストカード」 ... 500円(税別)

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切り抜かれた湿っ地屋敷の窓枠のむこうには、部屋から外を眺めるマーニーの姿。奥ゆきのある素敵な絵のポストカードができました。映画の中でも印象的なこの窓を開いて、大切な人へメッセージを届けるのもいいかもしれません。

「付箋つきポップアップ」 ... 800円(税別)

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開くと正面には、湿地に佇むお屋敷。ポップアップになっていて立体的に起き上がります。手前には、かわいらしい形のふせんが水面に浮かぶ水草のように配置されています。ふせんを使うときでもそうでないときも、机の上に飾っておきたくなります。

※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。