2009年10月


10.1(木)

・清々しく晴れ渡る天候の中、ジブリ美術館は開館から丸8年を迎えた。「子どもが伸び伸びできる空間作りを忘れずに、足を運んでくださるお客様を大切にしていきたい」という朝礼での館長の言葉に、スタッフ一同は再度その言葉を実感し、胸に刻んだ。今日から9年目のスタートです!


10.2(金)

・開催中の『男鹿和雄「秋田、遊びの風景」展』。始まって2~3日、40代以上の方や、秋田や東北出身の方を中心に、「懐かしい。」「これはこうやって使うんだよ。」など、お客様同士で話が弾んでいる姿を見かける。また、今日からは水槽にどじょうが参戦。ニョロニョロ動くその姿に子どもたちは釘付けで、目を輝かせながら何度も観に来てくれていた。

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<どじょうをマジマジと見たことはありますか?>

ちなみに明日は『秋田の"遊び"と"食"を楽しもう!』と銘打ってのイベントデー。朝から何十箱もの物産や道具が秋田から届き始め、明日への期待が高まっていくスタッフ。夕方には秋田からの関係者も続々と到着し、会場の下見や準備品の確認などがドタバタと行われた。もちろん夜は男鹿さんを囲み、酒豪秋田軍団と美術館スタッフとの懇親の宴が催され、明日に向けて気合の入ったスタッフ一同だった。


10.3(土)

・朝からコロコロ変わる不安定な天気で幕を開けたイベントデー。西園の『三鷹の森フェスティバル2009』と館内外で行われる秋田のイベントが同時開催となり、美術館の一角は賑やかな一日となった。三鷹市民デーの館内では、遊びの体験コーナーや、竹スケートづくりの実演、西園と館内の両方で<白岩ささら>の上演と、秋田の物産販売が行われた。一番の目玉だった「秋田芋の子汁」は午後一番には早々と完売!稲刈りの忙しい時期に駆けつけてくださった秋田の皆さん、ありがとうございました!

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<竹とんぼづくり。秋田の遊びの先生にならってみんな無事完成!>

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秋田の伝統芸能<ささら舞>。始まると同時に子どもたちの泣き声が響き渡った。

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男鹿さんも取材対応で大忙しの一日。オツカレサマでした。


10.4(日)

・昨日は十五夜。残念な曇り空ではありましたが、カフェ喫茶室内の出窓には立派なススキが飾られました。渋谷さん手作りの月見団子も可愛らしく添えられ、あとは夜に、雲間から月が覗くのを待つばかり。まん丸で真っ白なお団子に、おもわずツンツンと触ってみる子どもたちも多く、「夜にはお月様出るといいね~。」と話す親子の姿がとても微笑ましい一日でした。
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10.5(月)

・カフェでお食事をされていた女の子が嬉しそうに「あげるっ!」とスタッフにくれたのは、紙ナプキンで作られた、ほうきに乗った魔女だった。とてもよく出来ている魔女に感動した田倉さんは、早速店内のスタッフ用の掲示ボードに飾ってみた。すると他のスタッフからもその完成度の高さに称賛の声が。それを見ながら、この日は一日元気に仕事に励げめたそうだ。

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<ちゃんとほうきに乗ってます>


10.6(火)

・最近あちこちのお店でみかける、手の消毒用の液体。社内で一番こまめに消毒しているのは、どうも厚樹さんらしい。先日TOTOBIGの件で日誌ネタになったばかりの厚樹さんは、「そういう僕のネタ、日誌にupしないでくださいね」と申請していた。(が、こうして裏目にでるはめとなりました。)


10.7(水)

・超大型とうわさの台風が関東地方に大接近。夜半から明け方にかけて、暴風域となる為閉館後の館内は大忙し。外にあるものを避難させ、台風への備えに万全を期す。明日に備えて、この日はスタッフも早めの帰宅となった。


10.8(木)

・強い雨と風は夜半にピークだったのか、朝には少し晴れ間も見られるがまだまだ風は強く、雨も止まない。スタッフも総出で開館準備に追われ、交通機関にも大幅な遅れが出ている模様。そんな大変な中でも、お客様がいらっしゃってくださっているのは本当にありがたい限りです。台風一過の午後は、台風が残していった枝や落ち葉掃きに追われつつ、拾った枝は、薪ストーブに使用する蓄えに。落ちたどんぐりで、さて何を作ろうかと、皆慌しさの中でも楽しみながら片付け作業を進めていた。台風の危機に緊張の一夜を過ごしたものの、お客様にも怪我はなく、大きな被害もなく、こうして最後には笑顔で一日の営業を終了出来たことにホッと胸を撫で下ろしていた。

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<焚き木づくり>


10.9(金)

・昨日はアメリカのアニメーション製作会社、ピクサーからのお客様が美術館を訪れた。館内を見学後、カフェでお食事。食後にカフェの堀口さんは、ピクサーの方をカウンターに呼び入れた。ふわふわミルク入りコーヒーに絵を描いてくれと片言の英語で頼んだらしい。その実力とは...。サラサラっとイラストが描かれ、カウンタ付近のお客様から歓声がわきました。

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<普段は麦わらぼうしの絵を描いています。リクエストは受けていないです。>


10.10(土)

・何やらショップの店内で、元気にひとり言を唱えている女の子。不思議に思いスタッフの遠藤さんがそばに近づいてみると、その女の子はポニョのパラパラBOOKをめくりながら映画のセリフを、なんと一人で全部アフレコしている様子。今まで、「パラパラBOOKに色をつけて遊ぶんだ!」という子ども達は何人か見てきたものの、「声を出して、アフレコ挑戦している子は初めてです!」と、陰ながら未来の声優(?)へエールを送る遠藤さんでした。


10.11(日)

・吉祥寺で開催されたアニメワンダーランド。美術館からもブースを出し、この日は深谷さんと、森田くんが参加。土日という事で家族連れも多く、子どもたちにも大人気のチェブラーシカまで登場し、大賑わいのイベントとなった。美術館のブースを覗くお客様は、多くの方がジブリ美術館に1度は訪れた事があるとのこと。「こんなにたくさんの方が美術館にお越しいただいてくれていることに、改めて感謝の気持ちになります。」と、森田くんは殊勝に語っていた。


10.12(月)

・この日カフェに1番に来てくれた男の子は、どんぐりがとても好きな様子。そんな男の子にカフェでは№1の木の実好きの松田さんが、どんぐりをプレゼント。すると男の子は「これはクヌギだね!」と種類をさっと言い当て、その後もカフェ店内のあちこちに置いてあるどんぐりを「これはアラカシ、これは...」と楽しそうに見てまわっていた。その姿を見て「さすがの私も負けたわ~」と松田さんは『どんぐり博士』の座を男の子に譲ったそうだ。


10.13(火)

・ショップでは驚きの出来事があった。なんと、数週間前にやっとの思いで花を咲かせた朝顔が、またしても見事な花を咲かせていたのだ。しかも、今回は何と一度に2つも!10月に入るとだんだんと肌寒くなり、朝顔の事などすっかり忘れてしまっていた周りのスタッフは、この出来事と、菅野さんの喜びっぷりに驚くばかりで、何事もコツコツとあきらめず続ける大切さを朝顔から学んだのでした。

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10.14(水)

・展示の藤原さんは、深谷さんの机の上でふしぎなものを見つける。どうも「秋田、遊びの風景」展のイベントで使用した竹のようなのだが...
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裏がえしてみると、
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深谷さんの気分なのでしょうか?


10.15(木)

・そろそろ肌寒くなってきた今日この頃。若さをほこる広報部の小見さんも、素足はきびしいなあ、と、5本指ソックスを愛用中。ショップで販売しているsousouのくつ下を自慢しようと歩いていたら、海外事業部や管理部やら、社内だけで3人もおそろいのくつ下の人に遭遇。みんな考えることは同じ、ぬくもりが嬉しい季節の訪れを感じていました。


10.16(金)

・閉館後、今回はショップ付近で発生した仮定での、防災訓練。夕方美術館に電話をかけてみると、ちょうど訓練の真っ最中のため、緊迫した様子がもれ聞こえてくる。電話をとってくれた総務の野村さんから、「安心してください、これは訓練です。」と言われてほっとするアトリエの人々だった。


10.17(土)

・ショップのレジの前で、お子さんに「メイちゃん!」と声をかけるお母さん。スタッフの福島さんは思わず「お子様の名前、メイちゃんなんですね!」とお母さんに声をかけると、お母さんは「弟はチヒロっていうんですよ。」と笑顔で教えてくださった。どおりでお買い物ののセレクトも、オリジナルグッズ・ブリキポストカードの「となりのトトロ」と「千と千尋の神隠し」。お子様が二人とも作品の主人公の名前なんて、運命的!と素敵な出会いに目を輝かせる福島さんなのでした。


10.18(日)

・カフェでは何やらフラワーに人だかりが出来ている。何だろう?と中をのぞくと新しいケーキの試作中だった。カフェのみんなが、まじまじと見つめるその先には...おっきな○○○ケーキが!鮮やかな手つきで作られるそのケーキに、居合わせたみんな目を奪われていた。スタッフももちろん完成を楽しみにしています。


10.19(月)

・来年1月からお目見えする、美術館の新作短編映画『ちゅうずもう』の初号試写が行われた。昔話の「ねずみのすもう」を元にしたお話です。試写のあいだも「くすっ」とあちこちで笑い声がもれる様な、温かな作品ができました。お正月以降に上映される予定ですが、今年のお正月はにぎにぎしくなりそうです!どうぞご期待ください。


10.20(火)

・中央ホールで、上を見上げる北嶋さんと田代さん。この写真を良く見ると、いつもとは違うキラキラとしたものがぶらさがっているのですが、これは何でしょう?そうです、今年もクリスマスの飾りつけが施される季節が近づいてます。二人は休館日にその検証をしているようです。美術館のクリスマスも9年目。今年は一体どんな仕上がりになるのでしょうか!?
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10.21(水)

・来年4月から始まる、展示企画についての長~いミーティングが行われた。企画説明から入り、ミーティングは4時間に及び、参加者は目を細く細くしながら戻ってきた。そんな中、4時間のあいだずっと同じ姿勢を崩さず、笑顔も絶やさなかった星野社長の秘書、栗原さん。みんなの尊敬があつまっていたことはいうまでもない。


10.22(木)

・地下一階展示室のゾートロープ、「しんきろう」を指差し「これステッピングモーターですか?」と60代くらいの男性に尋ねられた柴田さん。お話を聞いてみると、物の回転数を調べるお仕事をされている方のようでステッピングモーターをご存知とのこと。「しんきろう」が、何で、どのようにして動いて見えるかということも、見てすぐにわかったそう。「ステッピングモーターがこんな風に使われるのは素敵ですね。」とおっしゃっていた。思わぬところでこうした、心のこもった言葉を頂くことはスタッフはもちろん、展示物にとっても嬉しい言葉でした。


10.23(金)

・40代の男性2人組という組み合わせで館内を回っている方々。1週間会社の研修で三重から三鷹にいらしていたとのことで、毎朝美術館前を通り研修先へ行っていたよう。通勤の間中、「行ってみたい」という話しでもちきりで、研修最終日にチケットを予約して来館して下さったそう。「今度は家族で来ます。三重で待っている子どもにお土産です!」と、嬉しそうに手に提げたショップの袋を見せてくださっていた。


10.24(土)

・閉館後、ショップでは傷病発生時をシュミレーションした勉強会が開かれた。スタッフの渡辺さん、遠藤さん、宮本さん、菅野さんの4人をメンバーとしたその名も"ケアレディー"が中心となり開催。今回は、『回復体位』や『車椅子の使い方』など、先日行われたショップ防災訓練の復習を兼ねた勉強会となった。もしも、何かが起きたらどう動くべきか!?を考え、本番さながらに動く一同。回数を重ねるごとにどんどんすばやく対応できるようになるスタッフの姿を見て、ケアレディの4人も頼もしく感じていたようだった。


10.25(日)

・山崎事務局長の机周辺はいつも物が少なく整理整頓されている。席が向かいの天内さんが「いつも綺麗にされてますね。」と言ったところ、「要は捨てる事なんだ!」と含蓄のある言葉をやけに渋い声で発し、席を立って行かれたそうだ。天内くんはその背中を見送りつつ、「できる男だ...」とつぶやいていた。


10.26(月)

・ずらっと並んだ試作メニュー。営業後のカフェ店内で行われた「試食お披露目会」。これからやってくる寒い冬に向けての、担当者それぞれの気持ちが込められた、心も体も温まる料理や飲み物がテーブルに並んだ。見た目、味など色んな角度からの意見が次々と飛び出し、これからどんどん改良されるとの事。どれも完成が楽しみなメニューばかりで、スタッフ同士でも期待の声が上がっていた。


10.27(火)

・夜遅く、北嶋さんと大口さんが何かを作っている。真剣に取り組んでいる様子なので、てっきりクリスマスに向けて何か試作中かと思いきや。「違うから。真剣に遊んでるから。」とのこと。せっかくなので顔を付けてみる小林さんだった。
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<ふくらませ丸くなるあれ、つなげてみました>


10.28(水)

兵庫県立美術館で12月に開幕となる、男鹿和雄展。実はこの展覧会のおまけとして、2007年の企画展示だった「3びきのくま展」も神戸の地へ行ってきます。あの大きくて恐ろしかったくまの親子が、関西に初上陸です。神戸のみなさん、ぜひおたのしみに。


10.29(木)

・「うっかりクイーン1号2号」との別名もある今泉さん・赤澤さん。二人が幹事で11/1から産休に入る比留間さんを囲む食事会が行われた。"頑張って"の気持ちをこめて一同でプレゼントを渡し、比留間さんに一言も求めた際、立ち上がった妊婦の体調を気遣ったのか、「話してもらっている間、代わりに私がプレゼントを開けます~」という今泉さんの衝撃発言。「自分で開けたいんだけど...」という比留間さんの言葉に、笑いで涙ぐむ人続出。比留間さん、頑張ってきてください!


10.30(金)

・ショップ店内でステンドグラスポストカードを補充していた宮本さん。そこへ5歳くらいの女の子が興味津々に近づいてきて、作業の様子をじっ~と横で見つめていた。宮本さんがネコバス柄の商品を手に取った瞬間、急に女の子が「それ、最高だぁぁっ!!」と絶叫。その声の大きさに驚きつつ、女の子にポストカードを手渡すと、満足そうな表情を浮かべてその1枚を受け取ってくれた。美術館の思い出を持ち帰るにもいろいろな道のりがあるものです。満ち足りた笑顔の女の子は何かキラキラしている様に見えた、と宮本さんも嬉しそうなのでした。


10.31(土)

・美術館のステンドグラスを作ってくれた八田さん・ゆり子さんご夫妻が美術館に来館。いつもいつも素敵なお土産を頂いて恐縮です。素敵なカゴに入ったりんごに野いばら。芳しい野いばらはクリスマス装飾の方へ、りんごはスタッフのお腹の中におさまりました。八田さん、ご馳走様です。